Topページ > 投資・資産運用 > 投資における群衆の落とし穴「カスケード効果」とは
公開日:2017年3月13日

世界中の人がヒラリー氏の勝利を信じていたアメリカ大統領選。おおかたの予想を裏切ってトランプ大統領の誕生となりました。人はつい多くの声に流され信じてしまう傾向にありますが、投資においても似たようなことが起こりがちです。「気付いたら落とし穴に、はまっていた」とならないよう、群衆の心理を理解し上手に回避する方法を紹介します。

「カスケード効果」とは

人は毎日何回決断をしているのでしょうか。「今日は始業式の日で電車が混みそうだから、1本前の電車に乗ろう」とか「雨が降りそうだから折り畳み傘必要だな」など、今までの経験や天気予報など集めた情報をもとに、数えきれないほどの決断をしていることでしょう。しかしながら「カスケード効果」とは、そんな自分の経験や集めた情報を参考にせず、他の誰かの決断を合理的だと判断してそれに引きずられてしまう。そしてその行動や心理が他の人にもどんどん連鎖していくことを言います。

例えば、旅行先で洋食を食べたくなったとしましょう。携帯や口コミで調べるとAとBという評判の店が2件並んでいるのを見つけました。どちらの店が美味しいかを地元の人たちに尋ね、答えの多い方を選択するとしたところ「B」という答えが続いたとしたらどうでしょう。自分が集めていた情報から選択するのではなく、受け取った他の人の意見からBの店に行くことが合理的だと考えるのではないでしょうか。

ここでのポイントは、本当に「B」の店を選ぶことがよかったのかどうか。たまたま話を聞いた人たちの好みがBだっただけで、もっと大勢に話を聞くとAの店の評判の方がよかったかもしれないですよね。このように誰かを真似て合理的だと判断した行動は安心感を持てる反面、間違った結果を生む可能性を秘めているのです。

投資における「カスケード効果」

投資における「カスケード効果」で顕著な例が、バブル時代の群集心理です。おおよそ1986年の12月から1991年の2月までの51か月をバブル景気と言いますが、1986年12月27日の日経平均株価は1万8701円30銭。そこから3年後の12月には、日経平均株価史上最高値となる3万8957円44銭をつけました。その当時、日本電信電話公社の民営化に伴い政府がNTT株を放出したときには、第1次売り出し価格が119万7000円という価格だったにもかかわらず、購入希望者が殺到するという現象がおきています。

購入価格の高くなった株式を購入するのは、普段なら慎重になるはずですよね。「これ以上株価は上昇しないだろう」という先入観から歯止めがかかるのです。けれども、好景気が続く中で、出遅れまいという心理や、他の誰かに追随することが利益を得るために合理的との思い込み。このことが高値掴みになるなど、投資イコール損をするという「群衆の落とし穴」にはまる原因になっています。

落とし穴を上手に回避するにはどうすべきか

筆者が金融機関に勤めていたころ、中国株に投資し北京オリンピックまでに売却すれば利益を出せるという「まことしやかな噂」がありました。新興国の株式に投資するのはリスクが高いにもかかわらず、窓口には購入を希望する人が多く来店。すでに価格が上昇しているにもかかわらず「お友達が儲かった」という理由から、自分も同じように結果が出ると思い込んだ行動も見受けられました。

落とし穴を上手に回避するために大事なことは、何のために投資をするのかを考えておくことです。将来に向けて増やす必要がある金額や、運用にかけられる時間を知っていれば無理な投資をすることや、誰かの真似をしなくても済むはずです。また、トレンドに乗ることをよしとしても、最後まで乗り続ける必要がないことを肝に銘じておくことです。何事も程よいところで切り上げるが鉄則。これは利益確定のルールを設定して必ず実行するようにすれば、深追いしすぎて怪我をすることはなくなるでしょう。

投資と聞くと難しく考えてしまいがちですが、「都市銀行より金利の高い、ネット銀行で定期預金をしよう!」と考えることも投資の一歩です。「群衆の心理」に惑わされず、自分軸で判断ができるようになっておきたいですね。

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