注目のロボットアドバイザー、そのメリット・デメリットとどのように活用すべきか

ここ1~2年で日本でもロボットアドバイザーが注目されるようになってきました。

ロボットアドバイザーを活用することでこれまで資産運用をどのようにしてよいかわからないと悩んでいた人にも救世主となる可能性があります。

それではロボットアドバイザーとは一体何でしょうか。

また、メリット・デメリットと、どのように活用をするのが望ましいのか、解説をしていきたいと思います。

自分に合う資産運用アドバイスや商品選定を行ってくれる

ロボットアドバイザーは、質問に答えることで自分に合った資産運用アドバイスや投資信託商品の選定を行ってくれる画期的なサービスです。

パソコンやスマホをもとに、いくつかの質問に答えていきます。

その質問は、投資への考え方など投資信託商品のマッチングに利用され、最終的にご自身にとって適切な投資信託商品を選んでくれるのです。

これまでどのように運用商品を選んでよいのかわからない、あまりにも多すぎてどの投資信託が良いのかわからないと悩んでいた方にとっては、簡単に的を絞ることができるため、悩みを解消してくれることにつながります。

具体的なサービスにはどのようなものがあるの?

それでは日本におけるロボットアドバイザーにはどのようなものがあるのでしょうか。

複数のロボットアドバイザーを取り上げそれぞれの特徴を説明していきましょう。

まず、いくつかの証券会社がロボットアドバイザーを導入しています。

例えば、楽天証券では「楽ラップ」にてロボットアドバイザーを導入しており、15個前後の質問に答えることでご自身にとってピッタリとなる運用コースが提案されます。

ロボットアドバイザーが提案する運用コースを気に入れば投資一任契約を結ぶことで運用が開始される仕組みとなっています。

なお、提案が気に入らなければ何度も再診断することが可能です。

松井証券では「投信工房」にてロボットアドバイザーを導入しています。

8つの質問に答えることで最適な資産の組合せが提案されます。

500円から積立ができるため、気軽に投資を行うことができます。

こうした証券会社以外にもロボットアドバイザーによる資産運用を行う会社があります。

例えば、お金のデザイン「THEO」では、9つの質問に答えることで、世界中の約6000銘柄のETF(上場投資信託)の中から最適な資産の組合せが提案されます。

こうしたサービスの共通点は、簡単な質問に答えることで、どのように運用を行うべきか提案を受けられること。

いずれも少額からの投資が可能なため、投資の第一歩として、また手間を省きたい方にはおススメといえます。

メリット・デメリットは?

上記にもある通り、メリットとしては、気軽に投資ができる、自分で運用商品のすべてを選択しなければならないといった点から解放されることがあげられました。

コストも比較的抑えられており、インターネット環境さえあればどこでも運用可能なため気軽さは大きなメリットといえます。

ただその一方でデメリットも存在します。

ロボットによる運用商品の提案は行えても、今後の経済動向を想定した場合にそれを今買うタイミングなのかまではわかりません。

アドバイザーが人の場合にはそうした想定も考えながら商品の選定は可能といえます(ただしコストが高くつく可能性はあります)。

また、インターネット上でやり取りするため、メールでの問い合わせしかできない場合もあります。

じっくり提案を聞きながら、というよりは時間重視で最後は自分で提案に対してゴーサインができる方がロボットアドバイザーを利用することに向いているといえます。

こうしたデメリットに関して特にデメリットとして感じない方は利用される価値は大きいといえます。

また、デメリットに感じたとしても、とりあえず試しに少額でやってみたいと思う方もロボットアドバイザーは活用すべきでしょう。

なお、ロボットアドバイザーによる積立投資を行う場合には、中長期的な観点からの資産運用が向いています。

また、売り時のタイミングはご自身が決断を下す必要がありますので、目標を決めてそこまで上がったら売却するなど出口戦略も考えておいた方がよいでしょう。

著者:伊藤 亮太
伊藤 亮太
伊藤亮太FP事務所代表  CFP(R)、証券外務員一種、DCアドバイザー資格保有 慶應大学大学院商学研究科修了後、証券会社にて営業・経営企画部門、社長秘書等を行う。また、投資銀行業務にも携わる。 現在、独立系FPとして、資産運用と社会保障(特に年金)を主に、FP相談・執筆・講演・を行っている。金融庁、日本証券業協会、大阪取引所、SBI証券、スルガ銀行、紀陽銀行などで資産運用講演多数。東洋大学経営学部ファイナンス学科非常勤講師