クラウドファンディング、ソーシャルレンディングと聞いてパッと皆さんは何かわかりますか?
クラウドファンディングとは、インターネットを介して多くの人から資金を集め、その資金を必要とする人・企業に提供する仕組みです。
このクラウドファンディングは、日本ではアベノミクスの第三の矢である「成長戦略」の具体策の一つになります。
規制緩和により、金融商品取引法という法律を改正することで国としてもクラウドファンディングを後押しするようになってきています。
ソーシャルレンディングはこのクラウドファンディングの1つの形態になります。
いま注目の新しい投資手法として注目されている「ソーシャルレンディング」。
一体どのような仕組みなのでしょうか。
ソーシャルレンディングは貸付けによるファイナンス
ソーシャルレンディングとは、銀行を経由せずに、お金を借りたい人とお金を貸したい人をインターネット上でマッチングさせる仕組みです。
つまり、インターネットを介してお金を貸す仕組みになります。
そのため、ソーシャルレンディングはクラウドファンディングにおける融資型ともいわれます。
お金を貸すということは、見返りに利子がもらえることになります。
この利子はソーシャルレンディングの運営会社を経由して支払われることになり、一般的には年利5~10%前後で支払われるケースが多いといえます。
なぜこのソーシャルレンディングが注目されるようになってきたのでしょうか。
これまでお金を借りるとなると銀行で借りるのが一般的でした。
しかしながら、起業した直後であったり、お金があれば飛躍できるビジネスモデルを持つ企業であっても売上が小さい企業等においては、銀行がお金を貸さないといったケースがあり、本当にお金を必要とするところにお金が回っていなかったという実態があったのです。
また、短期の資金融資では銀行の手間に対し収益が少ないといったこともあり、なかなか貸し出しを行ってくれないといったケースもありました。
こうした状況の解決策としてソーシャルレンディングは注目を浴びています。
真に必要な企業へお金を貸し付ける仕組みを設け、その個人、企業の飛躍が最終的には日本の成長にもつながる。
こうした想いに賛同する投資家が増えてきています。
どんなタイプのソーシャルレンディングがあるのか?
それでは具体的にどのようなタイプのソーシャルレンディングがあるのでしょうか。
大きく分けると、事業で資金を必要とする法人への貸し付けのほか、不動産を担保として企業に資金を貸すローン事業者への貸し付けがあります。
貸し付ける期間は1~2ヵ月と短期間のものから、1年~3年など比較的長めの運用のものもあります。
最低投資金額は1万円から始められる企業と10万円から始められる企業があります。
日本では、2008年10月にmaneoという会社がソーシャルレンディング運営会社第1号として産声をあげました。
その後、複数社のソーシャルレンディング運営会社が営業を行っています。
新しいチャレンジを行いたい企業や個人にお金を貸し、その成功の果実を投資家が受け取ることのできるソーシャルレンディング。
今後さらにその役割は大きくなっていくものと想定されます。
- 著者:伊藤 亮太
- 伊藤亮太FP事務所代表 CFP(R)、証券外務員一種、DCアドバイザー資格保有 慶應大学大学院商学研究科修了後、証券会社にて営業・経営企画部門、社長秘書等を行う。また、投資銀行業務にも携わる。 現在、独立系FPとして、資産運用と社会保障(特に年金)を主に、FP相談・執筆・講演・を行っている。金融庁、日本証券業協会、大阪取引所、SBI証券、スルガ銀行、紀陽銀行などで資産運用講演多数。東洋大学経営学部ファイナンス学科非常勤講師