技術やスキームの進化によって新しい投資手法が広がってきています。
その中で、2017年に注目しておきたいものを簡単に解説します。
仮想通貨(ビットコイン等)
仮想通貨はインターネット上で発行、取引される実体のない通貨です。
ビットコインが最も有名ですが、他にもリップル、モナーコインなどの種類があります。
仮想通貨は法定通貨と同様に支払いに使ったり送金したりすることもできますが、価格が変動するため、安いときに仮想通貨を買って、高いときに売ることで値上がり益を享受することができます。
取引量の拡大に合わせて、今後一層の価格の上昇が期待できるため注目しておきたいところです。
ロボアドバイザー
AIを活用し、多数の投資信託の中から自分の意向に合ったポートフォリオを考えてくれるサービスです。
簡単な質問にいくつか答えるだけで最適な組入配分を考えてくれる仕組みになっています。
ロボアドバイザーを活用するメリットはなんと言ってもコストの安さです。
人の手が入らない分、手数料・運用報酬などが安くなりますので、その分運用成績は有利になります。
また最近では、確定拠出年金にロボアドバイザーを利用するサービスも始まり注目したいサービスです。
民泊
この数年、訪日外国人数の増加が著しく、2016年は約2403万人と過去最高になりました。
そこで問題となっているのは、宿泊先のホテルが取りづらくなっていることです。
そうした宿泊先需要を背景に注目されているのが「民泊」です。
民泊とは、観光客に個人宅やマンションの一室を貸し出すサービスのことですが、宿泊用にできる部屋としては、個人宅でも、分譲マンションでも可能(建築基準法・管理規約で制限されていなければ)ですし、貸主の承諾があれば賃貸しているマンションを宿泊用にすることも可能です。
注意点としては、条件に合うような不動産があれば有効に活用することができますが、宿泊料をもらう場合、旅館業法上の許可が必要になる場合がありますので、行政書士などの専門家か、管轄の保健所にご相談ください。
シェアハウス
最近新たな不動産投資の形として注目を集めているのがシェアハウス経営です。
シェアハウスとは、複数の入居者がそれぞれの個室を持ち、リビング、キッチンなどの設備を共有する共同住宅のことを言います。
入居者としては、シェアすることにより賃料を抑えながら、居住環境のいいところに住めるなどのメリットがあります。
シェアハウス経営は通常の不動産賃貸と違い、独自の管理ノウハウが必要となる一方、①空室率を低く抑えることができる、②一つの物件で複数の入居者から賃料を得ることができ、費用対効果が高い、③様々なニーズに応えることができるため、部屋が埋まりやすいというメリットがあります。
賃貸不動産の供給量が増え、市況の先行きが不安視される中、少し形を変えた不動産経営の一つとして注目です。
ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングとは、ネット上でお金を借りたい人とネット上でお金を貸したい人を結びつける融資仲介サービスのことを言います。
メリットは、①1万円からの少額投資ができる、②市場動向との相関性が低い、③債券・預金など他の利回り商品に比べて利率が高い、などが挙げられます。
一方、投資先事業が不透明である、貸し倒れリスクがある、海外案件の場合は為替リスクもある、などのデメリットにも注意しておく必要があります。
フィンテック関連投資信託
今まで挙げた新しい投資手法の一部についての広がりは、「フィンテック」(金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語)により新たな金融サービスが提供できるようになったことが背景になっています。
とすれば、フィンテック技術を持つ企業に投資をするというのも有効です。
投資信託でもフィンテックをテーマにした、日興AMの「グローバルフィンテック株式ファンド」なども、フィンテックの進化とともに値上がりができるかもしれません。
まとめ
従来の投資手法に加え、新たな商品・サービスの誕生により、選択肢はかなり広がっています。
不透明な経済環境を乗り越えるためには、こうした新しい投資手法にも目を配っておくことが必要になるでしょう。
- 著者:志塚 洋介
- 証券会社に入社しコンサルティング業務・システム企画を経て不動産管理会社に転職。その後、志塚行政書士FP事務所を開設し独立。相続手続き・遺言書作成などの実務を行いつつ、資産運用・不動産に関するアドバイスを行う。