今の生命保険で大丈夫?こっそり教える見直しポイントと金額インパクト

2017年4月から予定利率の改訂がある生命保険。

個人年金や終身保険など「貯蓄型」の生命保険が改定され、年金の受取額や解約金の返戻率がかなり下がる予定です。

改定前にしっかり見直ししたいですね。

まずチェックしいたいのが「特約」です。

意識しないまま自分には必要性の低い特約になんとなく入っているケースも多いようです。

では、具体的にどんな特約をチェックしたらよいのでしょうか?

必要性の低い特約①:災害特約・傷害特約

ケガで亡くなった場合に上乗せして保険金額を支払うという特約です。

工事現場などケガが心配な仕事の場合は必要と感じる場合もあるでしょう。

しかし、一般的な仕事で特にケガで亡くなった場合に上乗せして保険金を受け取る必要性はあるでしょうか?

FPである筆者のもとに生命保険の見直し相談に来られたお客様は「これくらいの保険料でお守りになりますよ」となんとなくセールスの方に言われるがままつけているケースがほとんどです。

では、どれくらいの差があるのでしょうか?

養老保険(保険期間10年)で、普通死亡保障が400万円に災害特約が400万ついていると、病気死亡の場合は400万円、ケガ死亡の場合は800万円の保険金が支払われます。

その災害特約部分の保険料は月々わずか200円。

この災害特約のために支払う保険料総額は200円×12ヶ月×10年=2万4000円です。

10年の保険期間で保険料の差額は大きいですね。

見直したタイミングが「満期まであと数年だから面倒」と放置はしないようにしましょう。

あと2年だと差額は200円×12ヶ月×2年でわずか4800円です。

しかし、現在の普通預金は0.001%ですから仮に100万円を普通預金に預けた場合1年でつく利息はわずか10円(税引前)、4800円の利子がつくのに480年もかかる計算になります。

たかが4800円、されど4800円なのです。

必要性の低い特約②:通院特約

入院する場合、その前後の通院はつきものです。

医療保険に通院特約がついていると安心なのは言うまでもありません。

しかし、費用対効果はどうなのかしっかり見極めることも大切です。

ある保険会社の通院特約は、入院前後の通院もしっかり保障!とうたっていますが、その内容は「入院前60日以内と退院後120日以内の通院を最高30日まで保障する」ものです。

35歳男性で日額5000円の医療保険(60日型)の保険料は1725円ですが、この通院特約3000円をつけると2046円になり差額は321円です。

月々わずか321円で入院前後の通院も保障となれば安いと思うかもしれません。

しかし、保障される通院は3000円が最高30日分で9万円。

入院前60日で約2ヶ月、退院後120日で約4ヶ月合計6ヶ月の間に30日通院するとなると1ヶ月あたり平均5日通院することになります。

入院前後で月に5回、半年間に通院する可能性はどれだけあるでしょうか?

また、最高の30日通院して9万円給付を受けたとすると月321円の保険料は約23年分に相当します。

つまり、23年に1回、入院前後に30日通院しないと元がとれない計算になります。

そもそも1日3000円、最高9万円の保障なら預金でまかなえる方が多いのではないでしょうか?

保険で元をとる、とらないという話はナンセンスです。

万一のための保障ですから、何かあった時に契約者の保険料で相互扶助するのが保険の基本スタンスです。

必要のない特約をつけていないか、預金でまかなえるような必要性の低い特約までつけていないか、自分にとってどんな保障が必要か再度確認し自分に本当に必要な保険になるよう見直ししていきましょう。

著者:稲村 優貴子
稲村 優貴子
大手損害保険会社に事務職で入社後、お客様に直接会って人生にかかわるお金のサポートをする仕事がしたいとの想いから2002年にFP資格を取得し、独立。現在FP For You代表として相談・講演・執筆業務を行い、テレビ・新聞・雑誌などのメディアでも活躍中。FP Cafe登録パートナー