ビットコイン投資には、従来の投資商品と同様の投資手法と、ビットコイン投資ならではの投資手法があります。
多彩な投資手法を紹介していきたいと思います。
単純に値上がり益を狙う方法
最もオーソドックスな投資方法です。
ビットコインを安く買って、それよりも高い価格で売ればその差額をリターンとして得ることができます。
ビットコインは少額からの投資が可能ですし、値動きも大きいですので、余裕資金でそれなりのリターンを得ることが可能です。
ただし、値動きが大きいということは、損をする額も大きくなるということですので注意が必要です。
そうしたリスクを抑えるうえで重要なのは分散投資です。
分散と言っても、資産クラスを分散する、銘柄を分散するなどいろいろな方法がありますが、時間的な分散をすることも有効です。
ビットコインは数百円から売買ができますので、いわゆるドルコスト平均法を活用して、毎日・毎週・毎月などの単位で決まった金額を買い続けていくこともできます。
証拠金取引
ビットコインは数百円からでも売買できますが、投資する額が小さければリターンも限定的になります。
しかしビットコイン取引所の中には、証拠金取引をすることができる取引所があり、より大きくリターンを得ることもできます。
証拠金取引とは、一定額の証拠金(保証金)を担保にして、その何倍もの取引を行うことを言います。
FXや株式投資で言う信用取引や先物取引がこの証拠金取引に当たります。
証拠金に対する取引金額の倍率のことをレバレッジ(元々は「てこ」の意味)と言います。
例えば10万円の証拠金を預けた場合、レバレッジ5倍であれば、50万円の取引を行うことができます。
この取引で50万円分ビットコインを買って、ビットコイン価格が10%上昇した場合、5万円の利益が出ることになります。
現物取引(通常の取引)では、1万円の利益にしかならないはずですが、このように証拠金取引を使うと大きくリターンを得ることができます。
しかし、リターンが大きいということはリスクも大きくなります。
今の例で逆に10%下落した場合、5万円の損失が出ることになります。
また、証拠金取引では、差金決済取引を活用して売り注文から入ることもできます。
ビットコイン価格が下落するのではと思う場合は、売りの取引をして、安くなったところで買い戻すという取引を行うことができます。
証拠金取引を行う場合は、ロスカットに気を付けなければいけません。
多くの取引所では、取引所ごとに最低保証金維持率(ロスカット率)が定められています。
ビットコイン価格が予想と反対の値動きをしてしまい、証拠金から評価損を差し引いた額がロスカット率を下回ると強制的にビットコインが決済されてしまうことになります。
さらに、急激に価格が変動し、ロスカットをしても損失が証拠金の額を上回ってしまったような場合、不足額を差し入れなければならなくなりますので、証拠金取引を行う場合は常に注意が必要です。
アービトラージ取引
ビットコインの価格は取引所によって多少違う価格になっています。
そのため安い取引所でビットコインを買い、それより高く売れる取引所の口座に送金し売却することで相場観などとは関係なしに利益を得ることができます。
株式投資でも現物の株価と先物価格の差に着目して日経平均採用銘柄を買って先物を売るアービトラージ取引(裁定取引)が使われていますが、同様にビットコインでは、取引所間の価格差を利用したアービトラージ取引を行うことができます。
ビットコインでこの取引ができるのは、ビットコインを取引所の口座間を格安な手数料で送金ができるためです。
大きな利益は狙えないかもしれませんが、これを繰り返していけば利益を積み上げていくことができます。
このようにビットコイン投資では、リターンを得るチャンスがいろいろ用意されています。
はじめは通常の現物取引から始めて、慣れてきたらいろいろな投資手法にチャレンジし、自分に合った投資手法を見つけるとよいでしょう。
- 著者:志塚 洋介
- 証券会社に入社しコンサルティング業務・システム企画を経て不動産管理会社に転職。その後、志塚行政書士FP事務所を開設し独立。相続手続き・遺言書作成などの実務を行いつつ、資産運用・不動産に関するアドバイスを行う。