Topページ > 投資・資産運用 > 違いを理解しよう、ロボアド各社の特徴を比較
公開日:2017年3月29日

金融(Finance)と技術(Technology)を合わせた造語「フィンテック」技術の進化により、新しい金融商品、金融サービスが生み出されてきています。その中の一つであるロボアドバイザーについて、各社のサービス内容を一覧にして比較してみたいと思います。

ロボアドバイザーとは、人工知能を利用して、投資家に対し資産運用のアドバイスを行うシステムまたはサービスのことを言います。いくつかの質問に答えると、回答者の性格やリスク許容度、目標に合ったポートフォリオを提案してくれるものが一般的です。細かく分類すると、提案されたポートフォリオの配分比率に合わせて投資一任運用を行うもの(投資一任型)と、ポートフォリオだけをアドバイスするもの(アドバイス型)に分かれます。投資一任型は、提案されたポートフォリオに合わせて投資信託やETFを組み入れてそのまま運用することができます。アドバイス型のものも、ほとんどは、提案ポートフォリオに近いバランスファンドや、そのポートフォリオ通りの組入比率で投資信託を購入できるようになっています(この場合、組入比率は自分で増減させることができます)。

投資一任型

投資一任型
サービス名 取扱会社 質問数 組入商品 投資一任報酬 積立の有無 最低投資額
THEO お金のデザイン 5 海外ETF 3000万円まで1.0%
3000万円以上0.5%
10万円
Wealth Navi ウェルスナビ 6 米国ETF 3000万円まで1.0%
3000万円超0.5%
100万円
クロエ エイト証券 目標額や運用額の設定と運用方針を決めるのみ 国内ETF 0.88% 1万円
8 Now! エイト証券 8 米国ETF $0.06 $88
マネラップ マネックス 5 内外ETF 0.891% 1万円
楽ラップ 楽天証券 15 投資信託 0.70% 10万円
ダイワファンドラップオンライン 大和証券 6(診断タイプによる) 投資信託 1.08% 50万円

THEO

取扱会社の株式会社お金のデザインはあすかアセットやライフネット生命を立ち上げた谷家衛氏により2013年に設立され、2014年から招待制でETFのラップサービスを始めました。2016年2月からTHEOのサービスを開始し、2017年1月からは同じアルゴリズムを使いiDeCoのサービスである「MYDC」をスタートさせました。

17年3月に社長が交代し、現在の社長は野村證券出身の中村仁氏が務めています。中村氏は野村証券で支店営業後、NYで金融業界の調査を実施。帰国後同社の営業戦略の立案を行い、その後上場企業のオーナー一家をメイン顧客として担当していました。「THEO」という名前の由来は画家のゴッホを資金面でサポートした弟テオドルス・ファン・ゴッホ(愛称テオ)から取っており、資産形成をサポートし、人生を応援する存在になりたいという思いが込められています。

サービスの特徴としては、海外ETFを活用していることでしょう。海外ETFは種類が豊富にありますので、きめ細やかなポートフォリオを作り出すことができます。最低投資額も10万円と、比較的少額から運用を開始することができます。質問内容はごく簡単で年齢・資産運用の経験・投資方針・値下がりに対するスタンス・インフレに対する考え方を選択肢の中から選ぶだけと簡単です。

<THEO公式ページ>

Wealth Navi

2015年4月に現代表取締役の柴山和久氏がウェルスナビ株式会社を設立しました。柴山氏はハーバードロースクールを卒業し、ニューヨーク州の弁護士でもあります。日英の財務省で、予算・税制・金融・国際交渉に参画し、その後マッキンゼーに移り機関投資家相手に資産運用業務に携わりました。

質問事項は、年齢・年収・金融資産・投資予定額・投資目的・急落時の対応の6つの項目です。最低投資額は100万円と高めですが、銀行から自動引き落としにより毎月1万円からの積立を行うことができます。また、分配金を再投資とせず現金で口座に置いておくことができますが、そのような分配金やリバランスで生じた利益が発生した場合、ポートフォリオ内に含み損がある銘柄があれば、その銘柄をいったん売却しすぐに買い戻して損益通算してくれるDeTAXというサービスがあることが特徴です。

外部とのサービス連携にも積極的で、SBI証券やSBI信託銀行にもサービスを提供しており、SBIの口座があれば簡単に利用できる仕組みになっています。

<Wealth Navi公式ページ>

クロエ

取扱会社であるエイト証券は、2001年に沖縄金融特別区にユナイテッドワールド証券株式会社として設立しました。2012年に香港の金融グループ「8SL HOLDING LIMITED」が筆頭株主となり大きく方向転換しました。2017年2月から国内のETFラップサービスであるクロエの取り扱いを始めました。

ポートフォリオの選択については、あらかじめ目標を設定(例えば旅行やマイホームなど)し、その目標に従って最適なポートフォリオを提案するというサービスになっています。最低投資金額が1万円からと、気軽に始められる金額となっています。また、PCには対応しておらず、スマートフォンかタブレットのみの対応となっています。

<クロエ公式ページ>

8NOW!

クロエと同じくエイト証券で扱っているサービスですが、取扱開始は2015年5月とクロエよりも早い時期にサービスを開始しました。もともとエイト証券が外国株専門の証券会社であったことから、8NOW!の投資対象は米国ETFとなっています。米ドル資産での運用となり、円貨から運用したい場合は、為替コストも発生するため注意が必要です。最低投資金額は88ドルと少額から開始できます。

質問事項は、下落時の対応、投資予定額など8つの質問が用意されていますが、無料診断などのサービスはなく、ポートフォリオの提案を受けられるのは口座開設後に限られています。

<8NOW!公式ページ>

マネラップ

ネット証券の大手であるマネックス証券が取り扱っているサービスです。マネックスグループとクレディセゾンとバンガードグループが共同出資して設立した資産運用会社「マネックス・セゾン・バンガード投資顧問」が投資一任契約の相手方となり、運用を行います。

「ためる・たのしむ・そなえる」の3つの計画タイプから合うものを選択し、投資経験・金融商品の知識・値下がりへの対応・支出など6つの質問に答え、投資金額・積立額・取り崩し額などを入力するという3ステップでポートフォリオを提案してくれます。特長としては、毎月取り崩していくプランを選択することができる点で、将来の年金の足しにしたいなど、毎月分配ニーズのある投資家にも利用しやすいサービスになっています。

<マネラップ(マネックス証券)公式ページ>

楽ラップ

楽天証券が取り扱っているサービスですが、投資戦略は東大初のFintechベンチャーであるFinatext社が担っています。また、調査・分析や運用の見直しは世界最大級の資産コンサルティング会社であるMercer社が、銘柄選びやリスク管理についてはState Street Global Advisors社が担っており、世界で活躍する企業と協業してサービスを生み出しているところが特徴的です。最低投資金額は10万円、質問は年齢・年収・支出・運用額・将来の目標金額など15問です。楽天証券のサイトで運用報告動画を配信してくれており、運用状況や今後の運用方針を確認することができます。この動画は契約していなくても視聴することができます。

<楽ラップ公式ページ>

ダイワファンドラップオンライン

ラップ口座で定評のある大和証券がロボアドバイザーを活用しオンライン向けに始めたサービスです。投資対象はファンドラップオンライン用のインデックスファンドで、最低投資金額は50万円からと若干高めです。ライフプランニング・資産運用プランニング・リスク許容度診断の3つの診断メニューからサービスを開始することができます。ライフプランニング診断をした場合は、年齢・年収・支出・運用額・将来の目標金額などを入力すると家計の診断をしてくれます。現状のままでは目標金額に達しないという場合、不足分を補うような利回りが見込めるポートフォリオを提案してくれます。家族の情報や今後の支出イベントなども入力できるため、将来のキャッシュフローが見えるきめ細やかなサービスが特徴的です。ロボアドバイザーを活用した運用ではリバランスはどのサービスでも行いますが、経済・市場環境の見通しに基づいて運用スタイルの基準配分比率の見直しも機動的に行ってくれます。

<ダイワファンドラップオンライン公式ページ>

アドバイス型

アドバイス型
サービス名 取扱会社 質問数 提案商品
投信工房 松井証券 8 各資産クラスのファンドを一括購入
FUND ME カブドットコム証券 7 各資産クラスのファンドを一括購入
SMART FOLIO みずほ銀行 7 各資産クラスのファンドを一括購入
PORTSTAR 三菱UFJ国際投信 5 バランスファンド
KALAIS 東海東京証券 7 バランスファンド
ゴールベース 野村證券 性格に関する質問14+運用に対する質問8 ファンドラップ
SBIファンドロボ SBI証券 6 希望地域を選択し
最も合うファンドを提示

投信工房

長らく投資信託を扱っていなかった松井証券が、久しぶりに投資信託を取り扱うということで話題なのがこの投信工房です。

年齢・運用目的・年収・投資経験・投資知識・値下がり時の対応・投資方針・積み立ての有無の8つの質問に答えると、資産クラスの組入割合と松井証券で扱う商品を使ったポートフォリオを提示してくれます。松井証券に口座を作れば、そのポートフォリオをそのまま買うことができますが、投資一任契約ではないのでリバランス機能はありません。その分投資一任報酬が発生せず、買付手数料もすべて無料なため、かかるコストは投資信託の信託報酬のみとなっています。また、リバランス機能はないものの、積立投資を行う場合、リバランス積立というサービスを利用することができます。これは、当初の配分比率が価格変動などにより崩れてしまった場合、投信の売買を行ってリバランスをするのではなく、新たに積み立てる金額を当初の配分比率に近づくように割り振って買付を行うサービスです。アドバイス型のロボアドバイザーではリバランスの際、保有商品を自分で売買しなければいけないわけですが、このリバランス積立を行うことによって投資一任契約を締結しないでもリバランスができるのです。なお、積立は500円から行うことができます。

<投信工房公式ページ>

FUND ME

年齢・性別・投資方針・運用目的・投資経験・値下がり時の対応・情報収集についての7つの質問が用意されており、松井証券のサービス同様、カブドットコム証券で扱っている投資信託を提案されたポートフォリオ通りに購入することができます。組入比率は自分でカスタマイズできるので、提案されたもののこの商品はあまり好きではないというものがある場合、その商品の組入比率を減らすこともできますし、外すこともできます。このサービスを使った場合の最低投資金額は500円です。

スマートフォンやタブレットのアプリのみでのサービスとなっており、ウェブサイト等からこのサービスを利用することはできません。

<FUND ME公式ページ>

SMART FOLIO

質問事項は、年齢・運用目的・年収・投資知識・値下がり時の対応・リスク許容度・積み立ての有無の7項目です。サービスの内容としては「投信工房」や「FUND ME」と同様、ポートフォリオの提案と同時に各資産クラスの投資信託を投資金額に合わせて一括購入することができるタイプのサービスになっており、個別の商品の組入割合を増減させることもできます。口座の残高情報とは別に、SMART FOLIOについての情報が記載されている「SMART FOLIOジャーナル」という情報誌を毎月発行しているので、そちらでも市場の状況などを確認することができます。

<SMART FOLIO公式ページ>

PORTSTAR

これは、証券会社のサービスではなく、運用会社である三菱UFJ国際投信のサービスであることが特徴的です。質問事項は、運用期間・投資方針・理想のパフォーマンス・リスク許容度・値下がり時の対応の5項目で、質問に答えるとリスク許容度、ポートフォリオなどを提案してくれます。そして、そのポートフォリオに合った三菱UFJ国際投信の「eMAXISシリーズ」の商品を1本提案してくれるというサービスになっています。

<PORTSTAR公式ページ>

KALAIS

質問事項は、年齢・運用金額・運用期間・投資方針・期待収益・リスク許容度・値下がり時の対応の7項目です。ポートフォリオの提案と同時に、ポートフォリオに合うようなバランスファンドを提案してくれるのはPORTSTARなどとほとんど同じですが、診断結果からどういうタイプの投資家であるかを教えてくれるところが特徴です。ちなみに筆者が診断したところ「求めよ、さらば与えられん」タイプ、という結果が出ました。

<KALAIS公式ページ>

ゴールベース

性格についての診断として、性別・年齢などの基本情報から投資とは関係ない心理テストのような質問を計14項目と、目標金額・投資金額・投資経験・今後の支出予定・運用期間・投資方針など8項目が質問事項となっています。

KALAIS同様、ポートフォリオの提案と同時に投資家タイプの診断もしてくれるサービスになっており、筆者が診断したところ、「あなたは、宇宙人とUFOの存在を決して信じない投資家です。」という結果になりました。また、同時にポートフォリオに合う野村証券のラップ商品である「のむラップ・ファンド」のコースを提案してくれますので、投資一任型と言ってしまってもいいのかもしれませんが、従来のサービスにロボアドバイザーをはめ込んだような形のものですのでアドバイス型に分類しました。

<ゴールベース公式ページ>

SBIファンドロボ

こちらは少し毛色の違うサービスです。質問事項は、年齢・運用目的・投資経験・投資への関心度・投資方針・NISA口座利用の有無の6項目と他のロボアドバイザーと同じような内容です。少し変わっているのは、ポートフォリオの提案をするのではなく、質問回答に対する結果の中で、投資したい地域を選択すると、その中からおすすめのファンドを提示してくれるというサービスになっています。また、回答の内容により、投資方針の変更も提案されることがあり、もっとリスクを取った方が良いといった内容のアドバイスなどが用意されています。

<SBIファンドロボ公式ページ>

まとめ

このように、ロボアドバイザーと一口に言ってもサービスがさまざまです。ほとんどは無料で診断できますので、複数のサービスで試してるなど、ご自身に合った内容のものを探してみて、資産運用のヒントにしてみてはいかがでしょうか。

 

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