Topページ > 投資・資産運用 > トムソンロイターリッパー・ファンド・アワード・ジャパン2017受賞ファンドを独自分析&解説!
公開日:2017年3月27日

3月21日にトムソン・ロイター・マーケッツ株式会社が「トムソンロイター リッパー・ファンド・アワード・ジャパン2017」の最優秀運用会社、最優秀ファンドを発表しました。このファンドアワードの概要と最優秀運用会社のファンドを中心に解説していきたいと思います。

評価方法について

このファンドアワードは、純資産の規模など投資家からの人気面は一切関係なく、トムソンロイターの傘下であるリッパーのファンド評価基準の一つである「コンシスタント・リターン(収益一貫性)」を用いた評価をしています。この評価基準の特徴は、リッパーの資産分類の中で、リスク及びボラティリティを調整した後のリターンでランキングしたスコアを用いていることです。詳細な計算方法は非公表としていますが、いわゆる「シャープ測度」のようなもので評価しているようです。わかりやすく言うと、同じ資産クラスのファンドの中で、各ファンドを同程度のリスクとした場合に、どれくらいのリターンを出すことができたか、つまりリスクに見合ったリターンを出せたか、という観点で評価をしています。

総合部門 フィデリティ投信株式会社

フィデリティ投信の商品は、最優秀ファンドの表彰でも多くの商品が受賞しており、同社は国内のミューチュアルファンドで最大の純資産を誇る「フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)」で有名ですが、こちらは3・5年の株式不動産業北米部門で選ばれています。また、特筆すべきは、10年の株式型アジアパシフィック・中国・欧州・グローバル部門の海外株式4部門で受賞している点ではないでしょうか。

フィデリティ投信の特徴は、経済状況、市場の環境を見ながら機動的にポートフォリオを組み替える点です。一つ例を挙げますと、下の表は「フィデリティ・アジア株・ファンド」の17年1月末と16年2月末時点での組入上位5か国の配分比率です。16年の前半では割合の高かった香港・中国ですが、17年1月末には比率が下がっています。中国経済の停滞を反映したものなのか、元安懸念への警戒なのか、その両方なのかはわかりませんが、機動的に組入を変える姿勢が高パフォーマンスへとつながり、今回の総合部門の最優秀運用会社の受賞となったのではないでしょうか。

トムソンロイター リッパー・ファンド・アワード・ジャパン2017受賞ファンド

<フィリデリティ・アジア株・ファンドを取扱いしてる主要証券会社>

マネックス証券

楽天証券

SBI証券

債券部門 アライアンス・バーンスタイン株式会社

アライアンス・バーンスタイン株式会社は、NYを本拠地とするアライアンス・バーンスタインLPの日本法人です。同社の投資信託は、個別部門での受賞はありませんが、同社の債券型ファンドには「AB・グローバル・ハイ・インカム」「AB・グローバル・ボンド・ファンド」「AB・ハイイールド・オープン」などの債券型外国投信があります。同社の代表ファンドの一つである「AB・グローバル・ハイ・インカム」に着目すると、先進国の投資適格債からハイ・イールド債、またエマージング諸国の債券など幅広い投資対象の中から、「ABコンパス」と呼ばれる投資手法で配分を変更することで、堅調なパフォーマンスを上げています。市場環境に応じ、景気が好転していると判断される場合にはリスクの高いハイ・イールド債や新興国債券の割合を増やすことや、セクターの動向を見ながら社債の入替を積極的に行うなど、魅力の高い商品性となっています。

トムソンロイター リッパー・ファンド・アワード・ジャパン2017受賞ファンド

<AB・グローバル・ハイ・インカムの取扱している主要証券会社>

楽天証券

SBI証券

株式部門 スパークス・アセット・マネジメント株式会社

スパークス・アセット・マネジメントは1989年に創業した独立系の運用会社で、日本株・アジア株の運用に定評のある運用会社です。こちらも個別部門での受賞はありませんが、リッパーファンドアワードの最優秀運用会社株式部門の受賞は4年連続になります。同社のファンドは徹底した企業研究・企業分析を行い、厳選した銘柄でリターンを狙うことが特徴です。同社の商品で有名なファンドと言えば「スパークス・新・国際優良日本株ファンド」でしょう。組入銘柄数を20銘柄程度と厳選し、高い技術力やブランド力でグローバルに活躍できる企業に投資をするという商品性になっています。設定時である平成20年3月28日からのパフォーマンスは+196.56%と、同時期のTOPIXのパフォ-マンスが+47.96%であったことと比べると圧倒的な差となっています。

<スパークス・新・国際優良日本株ファンドの取扱している主要証券会社>

マネックス証券

楽天証券

SBI証券

ミックスアセット部門 ラッセル・インベストメント株式会社

ラッセル・インベストメント株式会社は、米国を本拠地とする運用会社です。ラッセル2000という米国の小型株指数でラッセルの名前をご存知の方も多いと思います。個別部門ではミックスアセット日本円積極型部門で「ラッセル・インベストメント・グローバル・バランス 成長型」が受賞しています。このファンドは日本株式・日本債券・外国株式・外国債券の4つの資産クラスに投資する商品で、特に株式への配分割合を高め、積極的に成長性を追求するファンドです。このファンドの特徴は、各資産クラスの中でさらに運用会社を分散させており、運用会社のリスク分散も行うことができるのと同時に、成績に応じ、運用会社の入替・新規採用・解任などを行いながら、高いパフォーマンスを見込むことができるという非常に特徴のあるファンドです。

<ラッセル・インベストメント・グローバル・バランス成長型の取扱している主要証券会社>

楽天証券

SBI証券

確定拠出年金部門

総合部門 三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社

同社の個別部門受賞ファンドについて取り上げると、運用期間10年の債券型日本円部門と期間5年の株式型エマージングマーケット・グローバル部門で受賞しています。債券型日本円部門については圧倒的な信託報酬に低さで、選出された「DC日本債券インデックス・オープンP」の信託報酬は0.12%となっており、パフォーマンスに差が出にくい国内債券型のファンドの中では、コスト面の有利さがリターンの差となって評価されたのではないでしょうか。

<DC日本債券インデックス・オープンPの取扱している主要証券会社>

楽天証券

SBI証券

債券部門 三井住友アセットマネジメント株式会社

個別部門での受賞はありませんが、同社の確定拠出年金用債券型ファンドは、どうしてもインデックスの商品が多い中、アクティブ型の商品も用意されており、「三井住友・DC外国債券アクティブ」などは信託報酬0.82%と低めに抑えられながら、3年の標準偏差が8.52、3年間のリターンが0.72%とリスクを抑えつつ良好なパフォーマンスを上げています。

<三井住友・DC外国債券アクティブの取扱している主要証券会社>

マネックス証券

楽天証券

SBI証券

株式部門 野村アセットマネジメント株式会社

同社の商品ではすべての期間のJ-REIT部門で「野村 J-REITファンド(確定拠出年金)」が選出されています。同ファンドの10年間の収益率は5.07%となっており、参考指数である東証REIT指数の収益率2.22%を上回る成果を上げており(2月末月次レポートより)、インデックスファンドよりも効率の良い運用を行っている点で評価されています。

ミックスアセット部門 大和証券投資信託委託株式会社

個別部門のミックスアセット日本円積極型では、すべての期間について同社の「DCダイワ・ワールドアセット(六つの羽/成長コース)」が選出されています。同ファンドは国内外の株式・REIT・債券に投資するファンドで、成長コースの場合株式が50%、REITが40%、債券が10%という組入比率になっており、各資産クラスにおいて国内外の割合は50%ずつとなっています。確定拠出年金のミックスアセット成長型のファンドでREITを組み入れた商品は同ファンドしかなく、また債券の比率を10%としているファンドもありません。しかしながら、標準偏差などの指標からみても同部門の他のファンドよりも特筆してリスクが高いというわけではなく、安定したパフォーマンスが期待できるファンドであることが評価されたのでしょう。

いずれの運用会社も市場環境に合わせて配分比率を変えるなど、機動的な運用姿勢が評価されていることが感じられます。インデックスファンドが注目される一方で、リスクに見合ったリターンを得ることができるファンドを選び、継続的に高パフォーマンスを享受していくために、今回の選出ファンドを参考にされるのも銘柄選びの一つの方法としてよいのではないでしょうか。

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