Topページ > 投資・資産運用 > 【ケーススタディから学ぶ】40歳公務員の資産運用
公開日:2017年5月1日

過去2回、ケーススタディを行ってきましたが、今回は家族の人数も、世帯年収もその中間に位置するCさんのケースです。しかし目標リターンはその中間とはなりませんでした。なぜでしょうか

今回のケース

40歳公務員Cさんの場合

家族構成: 38歳の妻、長男8歳

Cさんの年収500万円、妻の会社員年収400万円

金融資産は800万円(預貯金)、基本生活費30万円

45歳会社員Aさんのケースでは、(働き方を変えない前提であれば)「比較的リスクを取らざるを得ない」状況でしたが、今回の40歳公務員Cさんの場合は、Aさんほどリスクを取る必要がありません。また、収入の多い会社員Bさんほど家計に余裕があるわけではありませんが、60歳で1億円もの金融資産を目指すわけでもありません。

勤務先の制度を利用する

さらにCさんは公務員です。倒産リスクなどを考えると会社員よりも失業の可能性が低く、勤務先には様々な福利厚生の制度が充実しています。Cさんがまずやるべきは、勤務先で利用できる制度をきちんと調べることです。その結果、1.5%の定期貯金と1.0%の共済年金制度(生命保険料控除対象)があることがわかりました。

収支バランス表から、目標リターンを設定する

将来もらえる年金も考慮して、1年毎の世帯の収支バランス(キャッシュフロー表)を作成しました。資金の振り向け先としてはまず勤務先の制度を十分に活用し、残りをリスク資産での運用に回すことにしました。基本生活費が30万円なので、Cさん一家の収支は理論上は毎年540万円のプラスとなります。

しかし長男にはアメリカの大学に進学する選択肢を与えたいと考えており、今後10年間、毎年100万円を学費等の準備に積み立てることにしています。また、先の勤務先の制度利用のほか、旅行や車の購入、親の介護の可能性など基本生活費以外の支出を踏まえ、年間440万円(540-100)のうち300万円を老後資金の準備に振り向けることにしました

現在の預貯金800万円と、毎月25万円(年間300万円)の拠出分を運用した場合、Cさん一家は平均リターン2%を目指せば十分であることがわかりました。収入の多い会社員Bさんよりも目標リターンが低くて済んだのは、「毎年拠出できる額が多く、運用期間も長い」からです。ちなみにCさんが60歳時に1億円目指す場合でも、3.4%程度の目標リターンで達成できます。

予想外の長生きリスクに備える

Cさんが65歳以降、目標リターンを1%に下げたポートフォリオに変更しても、今回Cさんの妻が115歳まで資産は底をつかず、十分余裕がある資金計画になっています。

厚生労働省の平均余命のデータによると、38歳女性の平均余命は49.7年となっています(平成27年データ)。38歳に足すと87.7歳ですが、88歳女性の平均余命は6.7年で、足すと95歳、95歳女性は・・・、と考えていくと105歳を超えます。しかもこれは平均値です。Cさんの妻は長生きの家系であることも踏まえ、110歳くらいまではお金の心配がいらないようにしておきたいと考えていたので、今回115歳までは大丈夫ということで安心できました。

柔軟なポートフォリオを考える

平均リターン2%を達成するには、過去20年のデータでは国内債券だけの運用で大丈夫です。

しかし公的な年金資産(GPIF)のポートフォリオも国内債券が最も多く、さらに自分で運用する資産も国内債券だけにするのは全体としてあまりにも国内債券に偏っており何かあった際に不安だったので、円に集中させずに外国の債券にも少し分散することにしました。また、国内債券の中でも、選択肢として一般的な「個人向け国債」だけでなく、なじみのある会社の短期の社債も組み入れることにしました。

組んだポートフォリオは

日本債券75%

先進国債券25%

この組み合わせの場合、過去20年間のデータでは

平均リターン2.9%、リスク3.3%、シャープレシオ0.86となります。

平均リターンが目標を上回っているため、老後までこの割合を固定するのではなく、少しずつ平均リターンを下げたポートフォリオに変更していくことにしました。資産の切り崩し開始までの時間が短い場合、この方法は有効です。

 

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