投資でキーとなるポートフォリオとは
資産運用で大切なのは、まず「ポートフォリオ」を考えることです。ポートフォリオとは、具体的な金融商品の組み合わせを指します。たとえば、株ならどの銘柄を何株持つか。投資信託なら、地域は日本なのか海外なのか、資産は株式型なのか債券型なのか、どの種類をどれだけ購入するか考える、という意味です。
なぜこのようにポートフォリオを組むことが大切かというと、損失が出た時のリスクを分散させるためです。有名な投資格言に「タマゴを一つのカゴに盛るな」という格言がありますが、一つの商品だけ購入すると、その商品の運用がうまくいかなかった場合には、大きな損失を被ります。ですから、損失を拡大させるようなことがないよう、様々な種類の商品に分けて投資するのが賢明なのです。
ちなみに、似たような意味で「アセットアロケーション」という言葉がありますが、こちらは預貯金や株式、債券、不動産といった具合に、複数の異なった資産に配分を行うことを言います。
35歳サラリーマン家庭のポートフォリオ例
それでは実際に、ポートフォリオの例を一つご紹介しましょう。35歳で年収500万円、家族構成は専業主婦の妻と子どもが二人、マイホームのローンがあり、金融資産は300万円という設定です。
※上記の写真はイメージです、本文の内容とは関係ありません
35歳という年齢を考えると、まだまだ働き盛りで、人的資本が比較的大きいといえます。そのため、中長期で運用することを前提にすれば、高収益を狙って株式型の投資信託を積極的に組み入れたいところです。また、日本国内だけでなく、先進国や新興国といった海外も投資の対象にしましょう。日本と世界とでは経済成長に差があり、毎年どの国が成長するかを見極めるのは困難で、広く世界に投資しておくことが必要だからです。これらを踏まえてポートフォリオを組むと、以下のようになります。
・国内株式…25%
・国内債券…15%
・外国株式…30%
・外国債券…30%
国内外の株式を優先して組み入れつつ、ローリスク・ローリターンと言える債券の中でも外国債券の比率を多めに配分しています。一方で、マイナス金利政策の進む現在では、国内債券の優先度は高くないため、15%と低めの設定にしています。
資産運用を行う上での注意点
35歳で子どもが二人、マイホームのローンもあるとなると、教育費などの増加に伴い家計が圧迫される可能性もあります。上記ポートフォリオのように長期的視野で資産運用をすることも重要ですが、無理のない範囲で行い、一方で、急な出費に備えて資産の一部を現金として用意しておくことも大切です。また、5年以内に必要なお金については、定期預金や個人向け国債など元本割れの心配がない商品でしっかり確保しておきましょう。資産全体を見渡して、将来のためのお金と近い将来に使うお金のバランスを取ることも忘れずに。
30代半ばともなると、結婚や子どもの出産、マイホームの購入など、お金のかかる機会がぐんと増えます。また、老後はまだ先とはいえ、何もしないままでは不安なご時世です。少額でもできるだけ早いタイミングで資産運用を始めて将来に備えておけば、数十年後の結果が大きく変わるはず。上記ポートフォリオを参考に、ぜひ投資にチャレンジしてみてください。
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