Topページ > 投資・資産運用 > 【関連銘柄ウオッチ】まさに旬!フィンテック関連銘柄
公開日:2017年7月7日

産業界は高速通信網やクラウドの進展に加え、IoTやAIで第4次産業革命期を迎えると言われている。金融界もフィンテックでインフラが大きく変わろうとしている。フィンテックは、金融(finance)とテクノロジー(tecnology)の合成語。スマホ、クラウド、ビッグデータ、AIなどを駆使した新しい形の金融サービスの総称だ。フィンテックが、今まで銀行が行ってきた決済システムや送金システムが代替し始めた。仮想通貨もその流れの一環だ。今後は銀行の預金業務や貸出業務といったコア業務もフィンテックに代替されていくだろう。
日本のフィンテックは、規制の緩和が進まないこと、メガバンク主導で行われていることなどから、世界に対して周回遅れ感は否めない。フィンテックの現状と日本の関連銘柄にフォーカスしよう。

フィンテックの概要

決済システム、送金システム

米国を代表するフィンテック会社がペイパル(PayPal)だ。主力のペイパルサービスは、インターネットと電子メールを使い口座間の決済やクレジットカードでの決済を行う。電子商取引(EC)をするのにクレジットカード情報や銀行口座などの個人情報を開示する必要がないため普及が進み、稼働会員数は2億人を超える。ペイパルサービス以外でも、モバイルアプリ決済や個人間送金のP2P決済、国際送金サービスなどを展開している。こういった決済や送金システムは、今までの金融機関では出来なかったサービスだ。既存の銀行やクレジットカードでの決算や送金を代替する。

中国のアリペイ(Alipay)も中国のEC最大手のタオバオとともにアリババ・グループに属してECの決済を担っている。アリペイでも商品の購入にともなう決済だけでなく個人送金なども可能だ。Alipayのアプリユーザーは世界で4.5億人に達している。

EC店舗にとってはクレジットカードで決済をすると決済手数料がかかるが、フィンテックをつかった新タイプの決済は無料もしくは割安な設定が多い。世界に向けた越境ECを展開する場合、クレジットカードや銀行決済といった既存の決済方法だけでなく、PayPalなど新しい決済システムの導入は必須だろう。

インドやアフリカなどまだまだ世界には、個人の銀行口座自体が普及していない国もある。そういった国々は、固定電話を飛び越えて携帯電話が普及し始めているように、銀行口座を飛び越えてフィンテックの決済口座が普及しはじめている。遅れがちだった日本の決済システムも、アップルのアップルペイの上陸とともに、楽天ペイやLINEペイも始まった。

仮想通貨

インターネットで世界がつながり、ECの世界では国境がなくなった。中央銀行が管理をする伝統的な通貨よりも、仮想通貨の利便性は高い。仮想通貨は独自の取引所を通じて取引出来るようになっており、世界で数100種類が取引されている。あくまで仮想の通貨であり、実際のコインや紙幣は存在しない。

ブロック・チェーン技術などの導入により不正を減らしたことでさらに普及が加速してきている。ブロック・チェーンは、通貨の発行や過去の取引の情報をコンピューターネットワーク上に分散して保存する決済台帳のようなものだ。仮想通貨は、ECの決済だけでなく、仮想通貨の個人間の送金が可能で、手数料が無料もしくは従来の銀行などのシステムより大幅に安い。銀行口座だと常に監視されるといった制限があるが、仮想通貨では自由に流通することが出来るといったメリットも利用者が増える要因になっている。

仮想通貨は、通貨なのか、資産なのか、コモディティなのか、その法的な定義はまだ国によって見解が一致していない。EUでは仮想通貨を代表するビットコイン(BTC)は、通貨だと判決された。日本でもBTCなどの仮想通貨は、17年4月1日から改正資金決済法にて通貨として認められた。取引所も登録制になった。仮想通貨は、「通貨」であり「もの」で無いことから、7月1日からは消費税も非課税になった。日本の仮想通貨の動向は世界からも注目されている。ビットフライヤーなどがBTC取引所を開設しているが、今後さらに大手企業をの参入が見込まれている。今後は、伝統的な通貨を補足しながら拡大していくことは確実視されている。

もっとも、ブロック・チェーンに関しては、大量データの高速処理には時間がかかるため、新たな技術かさらなる改善が必要とされているようだ。

資産運用 ロボ・アドバイザー

ビッグデータ、ディープラーニングといった先端AIを使った資産運用サービスもフィンテックだ。ロボ・アドバイザーと言われる運用形態で、インターネットやスマホを利用し、アルゴリズムを用いたコンピュータ分析で投資家に最適されたポートフォリオを資産運用に提供するものである。ウェブを通じた単助言のサービスだけでなく、投信やラップ口座など一任勘定いった形で運用サービスも始まっている。

 

米国でのロボ・アドバイザーによる運用総資産残高は野村證券によると16年末で830億ドル(約9.3兆円)に達しており、前年比で約40%増となっている。今後、ロボ・アドバイザーは証券会社や投資銀行と組んで、総合口座管理や損益通算機能を強化してハイブリッド化して行くと見られており、大手証券会社や銀行も積極的に参入し始めた。ロボ・アドバイザーの1番の特徴は従来の運用報酬よりもコストが安いこと。そして収益が安定していることだ。

日本でもロボット・アドバイザーが続々と登場してきた。お金のデザイン社の「テオ(THEO)」はその先駆け。コンピュータのアルゴリズムで助言をする仕組みで、いくつかの質問に答えると資産運用のポートフォリオ案を出してくれる。その他、大和証券、マネックス、楽天証券、松井証券などが次々ロボ・アドバイザーによる運用サービスを始めた。

 

また、運用サイドではAIとアルゴリズム取引を使った、トレーディングシステムや、ヘッジファンドが増えてきている。

ネオバンク

海外では、フィンテックのベンチャー企業が銀行のコア業務に参入し、新しい銀行サービスが始まっている。既存の銀行にない新たなサービスを、Webやアプリで提供する金融ベンチャー総称して「ネオバンク」と言っている。米国では、すでに銀行業務の大半をフィンテックでカバーできるように規制緩和が進んでおり、ウェブ上で貯金、積立預金ができるアプリを提供する会社や、クラウドレンディングでお金の貸し方と借り方をマッチングさせる消費者金融を代替する会社などが誕生している。

たとえば、ウェブ上でPtoPの小口融資と小口借り入れをマッチングさせる「レンディングクラブ」は14年IPOをしている。

日本で融資や預金といった銀行のコア業務をフィンテックで導入するためには、銀行法の改正や規制緩和が必要になる。現在は、「Amazonレンディング」といったソーシャルレンディングや、「クラウドファンディング」と言った一部の資金調達のみが認められている程度。

資金調達 ICO、VALU

仮想通貨を活用した企業の資金調達も目立ってきた。米リサーチ会社のスミスクラウンによると、17年には新規仮想通貨公開(ICO、Initial Coin Offering)で、世界で約70社、約850億円の資金調達が行われた。資金の出し手はBtoCで個人が仮想通貨を直接購入する。すでに17年資金調達額は16年の7倍程度。最大のICOはスイスのステータス社が過去最大の約300億円のICOを成功させている。

発行体にとっては、引受手数料も必要なく、配当や利息を払う義務もないため、低コストでスピーディな資金調達が可能だ。投資家はキャピタルゲイン狙い。ネット上の仮想通貨取引所で売買が可能だ。

日本ではまだICOの実例はない。やっとICOを視野にいれた法改正が導入され始めた。金融庁は4月1日から施行した改正資金決済法で仮想通貨事業者を登録制にし、最低資本金などの条件も導入した。将来的にICOが始まった場合、金融庁に届け出制になる可能性が強いだろう。

バリュ(VALU)という個人が資金調達を出来る仕組みも始まった。個人がVALUといわれる仮想株式を発行しウェブで資金調達をする。ここにもブロック・チェーンが使われている。個人と言っても、資金調達をするのはホリエモンのようにネット上の有名人が中心。VALUは株と同じように仮想取引所で売買が可能だ。

不正監視、口座管理

フィンテックは、ビッグデータとAIを使ったディープラーニングで、フロントの不正監視、レンディングなどの企業の信用評価、個人や企業の資産管理などの分野に確実に拡がっていくだろう。

個人の口座管理の自動化サービスはすでに展開されている。個人はウェブサイトやアプリ上で各種の銀行口座、証券口座、クレジットカード、仮想通貨、電子マネーなどをハイブリッドに管理できる。

また各種のクレジットカードやデビッドカードを一枚に統合できるようなカードを提供するサービスも始まっている。

米フィンテック関連銘柄

米国は日本よりフィンテックが1周リードしている。多くの関連企業があり、多くのフィテックのスタートアップのIPOが行われている。全部を紹介するわけにはいかないので、フィンテックETFの動きとその組み入れ銘柄、フィンテックの代表であるPayPal、そしてIPO銘柄を紹介しておこう。

 米フィンテックETF

米国にはフィンテック関連銘柄に投資したETFがある。通称「グローバルXフィンテック」。ナスダック上場のETFでティッカーはFINX。グローバル・フィンテック・テーマ指数に連動する。16年9月に設定。7月3日時点での総資産残高は918万ドル(約10億円)。過去1年のパフォーマンスは、23%の上昇。(グローバルXフィンテックのチャート図1)

図1)

 

3月末の目論見書によると、米国企業への投資比率が約2/3。その他、ドイツ、スイス、オーストラリア、マン、デンマーク、中国などの企業に投資している。7月3日時点での組み入れ上位が下記(図2)

図2)

 

米フィンテックを代表するPayPal

米フィンテックを代表する企業がペイパル(PayPal)である。ナスダック上場でティッカーはPYPL。ウェブベースの電子決済の最大手。口座間のクレジット決済、入金、送金サービスを提供している。時価総額は635億ドル(約7兆円)。

 

米フィンテックIPO

大型のフィンテック・ベンチャーのIPOだけでも、14年には融資を手掛ける2社オンデック、レンディングクラブ、資産管理ソフトのヨドリーがあった。15年にはスマホに繋いだハンディ機器でクレジット決済が可能になるシステムを提供しているスクエアがIPOした。世界では大型のフィンテック関連会社が数多く上場している。

日本のフィンテック関連銘柄

日本でも数多くの会社がフィンテックを手掛ける。ただ、海外に比べてまだ周回遅れで、今のところは仮想通貨関連株が多い。全部紹介するわけにはいかないので中心的な企業だけ紹介しておこう。

仮想通貨関連

・セレス(3696)・・・BTC取引所最大手の「ビットフライヤー」と業務提携。運営しているスマホ向けのポイントサイト「モッピー」のポイントをBTCに交換可能。BTC海外送金サービスも始める。

 

・リミックスポイント(3625)・・・子会社にビットポイントジャパンを持ち、ANA系のLCCのピーチやコンビニでのビッドコイン決済を出来るように進めている。

 

・フィスコ(3807)・・・  フィスコ仮想通貨取引所を子会社で展開。シンワアートオークションと提携、仮想通貨、美術品の登録システムの実証実験中。AI活用の株価予想サービスに注力。

 

・ビリングシステム(3623、ウェルネット(2428)・・・コンビニ決済などのサービスを手掛ける。

 

・GMOペイメントゲートウェイ(3769)、GMOメディア(6180)、GMOインターネット(9449)・・・クレジットカード、コンビニ決済、後払いサービスなどを手掛ける。ビットフライヤーと業務提携。ポイントサイト「ポイントタウン」でBTCに交換可能。GMOインターネット子会社でBTC取引所開始。

 

・インフォテリア (3853)、オウケイウェイヴ(3808)、SJI(2315)・・・ブロック・チェーンを手掛けるテックビューロ社に出資。

 

・マネーパートナーズG(8732)・・・テックビューロ、米BTC取引所との業務提携。プリペイドカードのBTC対応。

 

・三菱UFJFG(8306)、みずほFG (8411) ・・・独自の仮想通貨「MUFGコイン」「みずほマネー」などに着手。

 

送金・決済サービス

・ソフトバンクG(9983)・・・Paypal Here(ペイパル・ヒア)を開始。

・楽天(4755)・・・楽天ペイ開始。

・LINE(3938)・・・LINEペイ開始。

・フライトHD(3753)・・・スマートフォンを使った決済アプリの開発とサービスの提供。

・ぐるなび(2440)・・・米モバイル決済サービスのコイニー社と提携。飲食店向け決済サービスのぐるなびペイを始める。

 

フィンテック全般

・モーニングスター(4765)・・・  投信評価会社。投信セールス向けタブレットアプリ続伸、ロボ・アドバイザーなどフィンテック関連も好調。子会社で勝手格付けに参入。AI活用の米S&P500社決算速報も提供開始する。

 

・NTTデータ(9613)、NTTデータイントラマート(3850)・・・金融向けのクラウド。豪金融機関向業務改善システムの提供。国内銀行向けにM&A情報や企業価値評価のシステム。

 

・コムチュア(3844) ・・・システムインテグレーター。AIを使ったフィンテック開発は地銀、ネット銀へ拡大。現在はセールスフォース、アマゾンと提携し、クラウド&モバイル開発が中核事業。金融の中堅SIやビッグデータ会社を相次ぎ買収している。

 

・SBI HD(8473) ・・・投資先フィンテック・ベンチャーの技術導入を進め相乗効果狙っている。

・ソルクシーズ(4284) ・・・金融機関向けのシステムインテグレーター。SBIの持分法適用会社クレジットや証券の金融系大型案件が続き本体のシステム開発活況。ブロック・チェーンに強いニューイング・ソフト社と提携。共にフィンテック事業でSBIとも技術協力。

・JIEC(4291)・・・銀行、生損保、証券などの金融系のシステム開発に強い。

・キャピタル・アセット・プランニング(3965)・・・   生命保険の販売支援システムとコンサルを手掛ける。相続税対策の個人資産管理システムを育成中。

 

 IPOが期待されるフィンテック・ベンチャー

第3者割当をやっておりIPOの噂がでたことがあるフィンテック関連のベンチャーには以下のような企業がある。

・テックビューロ・・・BTC取引所のZaif経営。プライベートブロックチェーン技術mijinの開発に取り組み多数の企業と提携済み。

・ マネーフォワード・・・クラウドを使った家計簿、資産管理ツール、会計ソフトウェアを提供している。

・ ZUU・・・個人投資家向けの投資・金融情報メディアの運営に加え、銀行や証券会社の営業職をはじめとした資産アドバイザー向けの情報メディア・ツールを提供している。

・ ユビレジ ・・・   iPadを使用した、レジ(POS)システムの提供。

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