Topページ > 投資・資産運用 > 【はじめての株式投資】第6回:デイトレか中長期かタイムフレームを意識しよう
公開日:2017年5月2日

日本が経済成長を続けてGDPが右上がりだった頃は「株」は持っていれば儲かるものだった。下がっても塩漬けにすれば戻ることが多かった。バブル景気が1989年にはじけデフレ期に入り「株」の「右上がり伝説」は終わった。バブル後に証券市場に入った証券マンには「株が上がるのを見たことない」という悲しい社員がたくさんいたし、株式市場には通称「売り豚」と言われ上がれば空売りして儲ける投資家が増えた。株を本気でやるならタイムフレーム(時間軸)をしっかり意識した方がいい。

トレードスタイルによるタイムフレームの重要性

タイムフレームは、大きく言って短期投資、中期投資、長期投資に分かれる。「はじめての株式投資」で何度も自分のスタイル、自分の勝ちパターンを身につけることの重要さについて話した。自分にあったスタイルとタイムフレームは連動する。

1. 短期投資

トレンドに乗る順張りが基本だ。1−2%の勝ちを積み重ねていく。見ているのはテクニカル指標などが中心でファンダメンタルズはあまり関係ない。チャートも2日とか5日の分足を見たりする。値動きや出来高の増加が最大の材料だ。デイトレーダーがその典型。証券会社のプロップトレーダー(職業ディーラー)もこのスタイルがメインだった。

短期に徹するのは株式市場のオーバーナイトのリスクを避けるため。引け後の決算発表や開示で翌日買い気配や売り気配で始まると、ポジションが逆に行った場合ロスが想定外に膨らむ。また、日本株は海外金融市場の動向に影響を強く受ける。海外で何かが起きてボラティリティが上がり、翌日に日本株がギャップダウン、ギャップアップして損益が拡大する経験はよくあることだ。1−2%の利益を積み重ねていく短期投資の場合、夜間先物市場やPTS市場など夜間でもトレードできる市場もあるけれども、オーバーナイトのリスクは予想外に厳しい。

損しているからと言ってオーバーナイトの長期ポジションとして塩漬けにするのが一番よくない。ロスカットが最も重要なのは短期トレードだ。評価損のある株を買い下がる「ナンピン」は短期投資ではあまりすすめられない。

2. 長期投資

ファンダメンタルズのいい成長企業や配当性向が高く株主還元に積極的な企業などを長期保有することで株式投資の王道だ。逆バリで、市場が下げているときにファンダメンタルズのいい企業を買うのが一番効果的。極端に言うとバブル崩壊やリーマンショックのような10年に一度あるかないかの総悲観なときに買い始めるのだ。どこが底かを見極めるのは決して簡単ではないが、過去のトレンドからして明らかに割安な株を拾えれば、将来的に大きく化ける可能性がある。世界一の投資家であるウォーレン・バフェットがその典型。

長期で買ったのだから10%程度上がって短期で利益確定しては意味がない。ある程度の短期的な損失は覚悟、ロスカットは深めでよく、「ナンピン」することもありだろう。長期投資はファンダメンタルズがもっとも重要。ユニクロで成長したファーストリテイリング(9983)ように、企業業績が一変する銘柄を初期から保有していれば夢のテンバガー銘柄に乗ることも可能だろう。株主として夢がある。短期や中期でテンバガーに乗ることははっきり言って無理だ。

見ているチャートは長期が中心になり、週足や場合によっては月足をみることもある。

3. 中期投資

中期投資は、短期と長期のいいとこ取りになる。はじめての株式投資の場合はまずこのタイムフレームで始めてはどうだろう?ただ、しっかり投資のルールを守らないと損が膨ら易いのも中期投資だ。ファンダメンタルズに気を遣いながら、テクニカルも意識する。決算や配当などのイベントも見ておく必要がある。チャートなら日足と移動平均線が基本だ。忙しい人が株式の経験値を高めて行くには最適だろう。

時間軸による投資のメリットとデメリット

タイムフレームを意識した投資スタイルについて、投資期間、見るべき指標とメリット、デメリットを一覧にする。是非しっかり投資のメリットとデメリットを理解して欲しい。短期で買ったポジションを損したからと言って長期に移したり、長期で買ったポジションをすぐに利益確定してしまうというミスは犯さないように。

推奨タイムフレーム

私のスタイルは、長期投資と短期投資をある程度分けること。ファンダメンタルズが大きく変化する可能性がある成長株の長期保有と短期のトレーディングのポジションを分けている。短期ポジションは、相場の「森」の動向により、増やしたりゼロにしたりメリハリを極端につけており、回転が効いていれば一日に難解でも売り買いを繰り返す。ロスカットは確実に履行する。信用取引のポジションを使い倒すのが短期投資だ。

長期ポジションは、夢のある小型成長銘柄を現物で長期保有している。相場が下がったときには買い増しをしてあとは放置していることが多い。株主優待が欲しい銘柄もこっちのポジションだ。是非参考にしていただけたらと思う。

【連載】

6回目:デイトレか中長期かタイムフレームを意識しよう(今回)
7回目:自分の回りの変化に投資すれば大化け銘柄をキャッチできる
8回目:スクリーニングができれば銘柄ピックは簡単
9回目:決算はもっとも大事なイベント

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