Topページ > 投資・資産運用 > 【はじめての株式投資】第3回:株式投資は美人コンテスト
更新日:2017年5月25日

株式市場は、「学問の場」でなければ、ましてや「博打の場」ではない。むしろ「美人コンテスト」だと考えてみたら入りやすい。はじめての株式投資にあたって、「(第1回)これだけはやってはダメ」「(第2回)一番大事なディシプリン」と最低限守るべき秘伝のルールを公開した。今後、自分のスタイルを確定するためのヒントを何回かに渡って紹介するが、その前にビューティコンテストの腕利きプロデューサーになることのすすめだ。

美人投票とは経済学者ケインズ流の考え方

実は「美人コンテスト」と言うのは決して私が考えた説ではない。古典派経済学者として有名なケインズが1936年に著した「雇用・利子および貨幣の一般理論」で出てくる立派な経済用語だ。投資とは、100枚の写真の中から最も美人だと思う6枚に投票してもらい、最も投票が多かった人に投票した人達に賞品を与える美人投票だとした。

私は株式トレーディングに30年以上従事してきてこれをいつも実感している。自分の「推しメン」にこだわるのでなく、「神セブン」を予想することが株式投資の効率を上げるコツだ。絶対的な「美人」というものは存在しない。ビューティコンテストのプロデューサーは、時代のトレンドにあった美人、投票者の人気を集めそうな美人、主催者のイメージにあった美人をラインアップしてそのコンテストを盛り上げていく。株式市場が「学問の場」ならば原理や正解があるかもしれないが、美人投票に永遠の正解はない。むしろ自説にこだわりすぎて、相場が逆に行ったときにロスカットできずに市場から退場したファンドを多く見てきた。株式市場が「博打の場」ならば確率とツキが大事だが、美人投票に確率とツキは必要ない。常にコンテスト全体像を把握し、人気の変化などを敏感にとらえていくセンスが大事だろう。

「神セブン」を予想できるプロデューサーになろう

「神セブン」を予想しようと思ったら、メンバーのプロフィール、パフォーマンス、握手会の人気などいろいろなファンダメンタルズをチェックする必要があるだろう。テレビでの露出度も大切だし、芸能界で影響力のある人が推しはじめたといったテクニカルも大きくコンテストを左右する。でも一番大事なのは人気のベクトルの変化を微妙に感じるセンスだ。株式市場も全く同じだ。株価の動きは、基本的にはその会社の人気で決定される。簡単に言ってしまえば、自分で買った値段より上値を買ってくれる人がいるなら株価は上がる。上値を買ってくれる人が長期保有の人でゆっくりと買ってくれるのならばじっくりと右上がりになる。短期的にトレードする人が集中して買ってくれるのならば急騰するけども急落するリスクも増える。まさに人気コンテスト、誰が上値を買ってくれるかを常に意識しておこう。

スタイルは、ファンダメンタルズでもテクニカルでも、短期でも中長期でも構わない。現在市場で元気なのはどういった投資家か意識し、その投資家が上値を買いやすい理由がつく銘柄をラインアップすることが、相場を楽しみながら結果を出すコツだ。学問や博打なら常勝は難しい、ただコンテストで人気があがりそうな銘柄を選ぶのなら個人でも機関投資家に対抗できる。

資産を形成したいなら小型株の株式投資を選ぶべき3つの理由

FXや指数先物、商品、投資信託、ETFなどたくさんの金融商品がある中で、株式投資が一番楽しいし、個人投資家でも勝つ可能性が高いと信じている。美人コンテストだから個人でも十分にプロに勝てるのだ。なぜ資産を増やしたいなら株式投資がいいのか3点をあげた。その個人でもいかせるメリットを大いに活用していこう。

1.株式とくに小型株なら情報でプロに勝てる可能性がある

FXや指数先物などは銘柄数が少ない。プロや一流のトレーダーと同じ土俵で勝負しなければならない。日銀のオーソリティや一流エコノミストやストラテジストと直接話をしているプロの情報量にかなうわけがない。アルゴなどシステムトレードをするプロのスピードには勝てるわけがない。ただ株式投資なら選択肢は3500銘柄もある。機関投資家でも見ていない銘柄が多い。そういった銘柄をしっかり調べれば、プロの情報を上回ることが可能だ。

2.大きなリターンを稼げる可能性が高いのは小型株の株式投資だ

過去1年とか過去3年といったタームで好成績を上げている投資信託を見て欲しい。ほとんど上位にランキングされるのは、中小型株を組み込んだアクティブファンドだ。中小型株とくに新興市場株は、成長力のある企業の宝庫だ。機関投資家が運用するファンドの多くはユニバースといってファンドに組み込んでいい銘柄が時価総額などで限定されている。新興市場の時価総額の小さい銘柄はユニバースに入っていないファンドが多い。中小型株をしっかり調べれば情報量でプロに勝てるし、中小型株の人気投票ならプロデューサーのセンスで勝負できる。将来機関投資家のユニバースに入り、長期で上値を買ってもらえる銘柄を探すだけだ。

 3.ゼロサムゲームではないので長期保有で大勝ちの可能性がある

株はゼロサムゲームでない。FXや先物といった証拠金取引は、売り方と買い方が決済するのでゼロサムゲームだ。勝つ人がいれば必ず負ける人もいる。ただ株式投資はある意味実物投資だ。株価が上がっているなら、投資している人全員が勝っていてハッピーということもあり得る。忙しくて日々の相場を見ていられない人でも長期の人気投票では大勝ちできるチャンスがある。

【連載】

3回目:株式市場は美人コンテスト
8回目:スクリーニングができれば銘柄ピックは簡単
9回目:決算はもっとも大事なイベント

【関連コラム】
(中級編)プロが教える、株式投資初心者が最初に読むべきおすすめ本5選
【連載】(前編)富裕層に学ぶ、投資に対する基本的な哲学とは
2017年から投資デビュー、ネット証券選びの5つのポイント
【連載】第1回:投資で損をする人の心理学を学ぼう
バフェットに学ぶ「お金の教育」の大切さ