Topページ > 投資・資産運用 > 【はじめての株式投資】第4回:まずは木よりも森をみること
更新日:2017年5月25日

すでにこのコラムをここまで読んでいれば、株式投資をいつ初めても大丈夫。旅立ちを祈念し世界一の投資家で「神」でもあるバフェットの言葉を贈ろう。
「自分から始めない限り成功はあり得ない」
「独力で考えなかったら投資では成功しない」
今回は「木よりも森をみること」の話をしておきたい。

はじめての株式投資 第4回:まずは木よりも森をみること

金融市場ではテールリスクは起きるもの

株式投資は、ディシプリンを理解し経験値を上げていけば、リスクは限定的だということは説明した。それでも株式で財産を失う人が多いのも確かだ。

金融市場のショックで株式が急落することがあるからだ。パニック的な下げを「テールリスク」という。直撃されたら損失はあっという間に拡大してしまう。リーマンショックが典型例だ。日経平均は07年2月高値の18300円から08年10月には6994円まで下げた。リーマンショックが起こる前からサブプライムローンの大きな損失の噂は市場に広まっていた。森がおかしいと思ったらポジションを縮小しておくことが最大の防御だった。

16年もテールリスクが3度あった。2月に原油安と中国発の世界景気減速懸念で日経平均は1万5000円割れ、6月にはBREXITで1万5000円割れ、11月にはトランプショックで1000円下げ16111円を付けている。ファンダメンタルズのいい銘柄でも連れ安してしまうことは避けられない。回避できるとしたら、テールリスク発生の可能性があるイベント前にポジションを縮小しておくことだ。

これが森を見ておくと言うこと。木である個別銘柄だけ見ていてもパフォーマンスを効率的に出すのは難しい。プロのファンドマネージャーでも大きな損失を取り戻すことは簡単ではなく、テールリスクを避けることを求められている。

株式投資は森を見ながらメリハリをつけよう

テールリスク時に、信用取引でフルインベストしていたなら追い証が入り、苦境におちいることは明らかだ。ポジション管理が大切なことは言うまでもないが、常にフルインベストしていたらほぼ間違いなくいつかやられる。 メリハリをつけること。

日経平均の月足の長期チャートを見てみれば解りやすい(添付画像)。バブルピークの89年までは株は持っていればほぼ上がる金融商品だった。90年以降はデフレとなり株は下がることが多く。上がっても下がるようになってしまった。トレードで勝つ秘訣は大負けしないこと。勝つのはチャンスがくれば以外と簡単だ。

デフレ期の失われた20年では、どんなにトレードが上手な人でも、買いだけで日本株で儲けることは難しかったはずだ。塩漬け株の損失が許容範囲を超える、信用取引でフルインベストをして追い証が払えないなどで市場から退場していった人をたくさん見てきた。

森にさわやかな風が吹いていて強気でいいときと、怪しい風が吹いていてリスクを少なくしたほうがいいときのメリハリをつけよう。テールリスクに対して、リスクをとる必要はない。それは博打だ。

はじめての株式投資 第4回:まずは木よりも森をみること

バフェットでも日本市場では無理だっただろう

バフェットが世界一の投資家だといっても、日本株投資をしていたら6兆円の資産を築けただろうか?バフェットの主戦場は米国株だ。NYダウの89年末は2753ドルだった。2016年末には1万9762ドルまで上げた。27年で7倍以上になった。一方、日経平均は89年末の3万8915円から16年末に1万9114円と半分以下になった。上がらない市場で儲けるのは簡単ではない。日本の森はすさんでいた。そういうときは日本株をやらないか、米国株をやることが賢明だっただろう。

アベノミクスの利益を守るのも難しい

安部第二次内閣が12年末に、円安、株高政策であるアベノミクスをはじめた。1万円を割っていた日本株はアベノミクスを好感した外人の買いなどで15年には2万円を回復した。一般的に、金利低下、景気拡大、インフレ傾向があるときの株式のパフォーマンスが一番いい。ここは勝負どころだった。アベノミクス開始時に1000万円もっていて信用取引で3倍のフルインベストで勝負をしていたら、1億円稼ぐことも夢ではなかっただろう。ただ、そのまま1億円になった資産を信用でフルインベストつづけていたら飛ばすのも簡単だったはずだ。1億円を信用でフルインベストすると3億円のポジションが持てる。そうなると30%程度下がると1億円は吹っ飛んでしまう。テールリスクには耐えられない。投資にメリハリをつけないと即退場となりかねない。

森の見方を覚えるために

はじめての株式投資で森をみることは簡単ではない。株を真剣に始めるなら、朝はテレビ東京の「モーニングサテライト」を見て、日経新聞を読むくらいはしたほうがいい。プロのトレーダーやファンドマネージャーは必ずやっているルーティンだ。最初は、専門家の言うことを鵜呑みでもいい。とにかく、株式投資のコツは大損しないこと。そのためには森をつねに見ておくこと。森がおかしいと思ったらポジションを小さくすること、そうしているうちに必ずチャンスか来る。

森が荒れているときは皆がリスクをとらないので、上がる銘柄は薬品や公共株、好配当利回り株などといった大型のディフェンシブな株などが上がる。森が落ち着いているときは皆がリスクをとれるので、流動性の薄い新興市場の成長株などが上がる。森によって美人投票も変わってくる。はじめての株式投資をする人が陥りやすいのは、どんな天候でも同じ木を見ているからだ。さあ、森を見ながら株式市場に旅立とう!

【Soldie特選記事】

住宅購入時は保険料の節約できるタイミング、生命保険の見直しをしよう
住宅を購入する時、購入前は多くの書類の取得に追われたり、引っ越しの段取りや子どもに関する手続をしたり、また、引っ越した後も、家の中の整理や、新しい生活に慣れるのも大変で、慌ただしく時間が過ぎていき...
2017年から投資デビュー、ネット証券選びの5つのポイント
株式投資を始めるには「証券口座」が必要です。人気はネット証券ですが、ネット証券とひと口にいっても沢山あります。そこで、ネット証券を選ぶ際の比較ポイントを5つお伝えします。

【連載】

4回目:まずは木よりも森をみること
8回目:スクリーニングができれば銘柄ピックは簡単
9回目:決算はもっとも大事なイベント

【関連コラム】
(中級編)プロが教える、株式投資初心者が最初に読むべきおすすめ本5選
【連載】(前編)富裕層に学ぶ、投資に対する基本的な哲学とは
2017年から投資デビュー、ネット証券選びの5つのポイント
【連載】第1回:投資で損をする人の心理学を学ぼう
資産運用するなら把握しておきたい、リスクとリターンの関係とは