Topページ > 投資・資産運用 > 格言が教えてくれる株式投資の極意「娘が生まれたら桐を植えるがごとく株を買え」
更新日:2017年3月24日

女の子が生まれたら花嫁道具に桐のタンスを持たせるために木を植えた。という言い伝えがあります。桐が大木になるには約20年かかります。生まれた女の子が成長して嫁入りする時期と少し重なりますね(近年は少し事情が異なるようですが)。この格言は株式投資もそれぐらいの長い目で投資すべきという格言です。

格言が教えてくれる、株式投資の極意(2)

長期保有は、投資の基本

有名な話では、セブンイレブン(現セブンアンドアイホールディングス)の株式を上場当時に保有し続けた人は、約800倍も資産が増えたとも言われています。

企業の寿命は平均30年といわれていますが、東証に上場している企業を見渡してみると、30年を超える名門企業はざらにあります。もちろん生き残るために合併をくり返した例もあります。

それらの企業の歴史を振り返ってみますと、企業は常に新製品、新技術、新サービスを世に送り出しています。それらを研究・開発するためには莫大な時間と費用がかかります。また製品化しても普及するまでにさらに時間を要します。主力製品が売上を伸ばしているうちに違う製品を作り、そして新製品が市場に出回る頃、主力商品だった製品が引退を迎え、新陳代謝を行って企業は成長していきます。だから長い歴史を積み重ねる事ができるのでしょう。

現在もこの格言は、使えるのか?

しかし、今の世の中、技術革新の速度がかつて高度成長期とそれとはかなり異なります。

特にIT関連企業は、アイデア次第で急激に成長し、成熟する傾向があります。また製品においても、例えば1990年代初頭に大ブームを起こしたポケットベルは現在見る影もなく、携帯電話ショップにおける新作発表の速度が年単位から季節毎に早めています。

また、バブル経済後の1994年から2003年の10年間の「株価投資収益率」は年3%でした。一瞬ピンとこないかもしれませんが、10年間で3%しか収益が上げられなかったという事です。単純計算で1年あたり0.3%です。経済的にも株式投資的にも“失われた10年”だったと言えます。なお、TOPIXベースで2016年2月から2017年2月の1年間の上昇率は20.94%です。(東京証券取引所調べ)

今は、高度成長期のようにどの企業に投資しても、長期投資であればほぼ利益を獲得できるといった時代ではないのかもしれません。また少子化で子供がいない世帯が増えたり、ちょっと前だと核家族化で桐を植えるための庭がなかったり、もうこの格言は死語ならぬ、死格言なのかもしれません。

リスクを小さくする手法、ひとつは時間を味方に

しかし、失われた10年でも着実に成長している企業もあったのは事実です。またこの時期を乗り切った上場企業もたくさんあります。

景気には不況があれば好況があるように、企業にも波があります。その波は株価にも影響します。その波の捉える方法として、株式投資では、投資戦略(テクニカル)か、企業研究(ファンダメンタル)かがあります。それらの詳細はいずれお話するとして、どちらも苦手な方には、好みの企業(私の場合だと鹿島アントラーズの親会社である新日鉄住金)を選択し、ただひたすら上昇を待つ。ただ、待つだけではつまらないので、株主優待を期待するとか、定期定額買付(ドルコスト平均法※)でちょっとずつ買い足していくとかしながら待つのです。

この「待つ」という戦略、長期投資では時間を味方につけるという言い方をします。近くで見れば大きな波でも、空から眺めると小さく見えます。人工衛星にまで遠ざかると、波はまったく見えないが、地球の丸さを感じることがでます。株式投資も同じです。TOPIXの週足チャートを3ヶ月間と1年間を見比べてみますと、変化の度合いを比べてみますと、1年間の方が少しなだらかに感じると思います。また、期間を長くとる事で、売買のタイミングも増えていきます。

この格言には、長期投資をすることの大切さと同時に、時間を味方にすることを伝えているのだと思います。

まとめ

私は街角景気戦略と名づけた投資戦略があります。あるお店の客の入り方や、工場の稼働率、何気なく目にしたニュースなどから、その企業の将来像を直感的にイメージして、それを信じて投資するという戦略です。

非科学的かもしれませんが、企業の業績や成長性を最も感じる人はそれを利用する消費者です。投資家も消費者のひとりであるならば、その消費者の感覚というものを信じてみるのも一つの手だと思います。消費者マインドに訴えるものがあれば、やがて成長していくはずです。因みにそういった主観的な意見をデータ化、指数化した経済指標に“日銀短観”というものがあります。

もし、よろしければ参考にしてみて下さい。

私は、株式投資の魅力を語る時、子供の成長を見守るようにその企業を見守りましょうと提案します。しぐらい株価が安くても大目にみてあげれば、企業はきっと大きく成長するはずだと・・・。子供は成長過程でさまざまな壁にぶつかりながら大人になっていきます。時には親に反抗して、時には親に感謝して。企業も同じです。上昇している企業は、いかにして社愛に貢献して、利益を得るかを考えいます。時には大きな失敗をして赤字決算になる時もあるでしょう。でも、そこからドロップアウト(上場廃止、倒産など)をしなかったら、いつかは復活します。自分の子供のように。自分が子供から大人に成長したように。

そして、いつか子供は独立します。株式投資でもっとも難しい“売り“のタイミングです。その心構えは、どことなく、娘を嫁に送り出す時に似ている気がします。

※ドルコスト平均法:株式投資のように値動きをある商品を、定期的に定額で買うことで、価格が高い時は少なく、安い時は多く取得し、効率的に資産を増やす方法で、同量で取得するよりも平均買付価格を低くおさえる効果が期待できます。

【タイトル】格言が教えてくれる、株式投資の極意(2)


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