Topページ > 投資・資産運用 > 配当金を狙う長期投資と、配当利回り見る上での落とし穴とは
公開日:2017年3月6日

上場企業が株主への配当を増やしています。2016年度の配当総額は過去最高になる見通しです。今回は、配当を狙った投資方法とそのポイントについて解説します。

株式投資には、配当や優待を狙う「インカムゲイン」投資と、値上がり益を狙う「キャピタルゲイン」投資の二つがあります。「キャピタルゲイン」は株の売買による利益、「インカムゲイン」は株を保有することで得られる配当や優待を得ることによる利益です。後者の「インカムゲイン」を狙う投資家にとっては、「配当」というものが重要になります。近年、日本企業は株主への利益還元を積極的に増やす傾向にあります。上場企業の2016年の配当総額は11兆8千億円で7年連続の増配の見通し。配当狙いの投資家にとっては追い風となっています。今回は、配当金で儲ける投資方法について解説していきます。

配当の仕組みを知ろう

配当金とは、企業が稼いだ利益の中から、株主に対して支払う(還元する)お金です。具体的には「一株につき〇〇円」という形で企業側から発表されます。配当は企業の「経営方針」で決まります。利益があっても設備投資に回す企業もあれば、利益がなくても配当金を支払う会社もあります。特に成長過程の新しい企業などは、利益を配当金に当てるより事業への再投資を行うことによって、さらなる企業価値の向上をめざしたほうが、結果として株主還元となるためです。そのため、配当狙いの投資をする場合は、「過去の配当実績」や「経営方針」を確認することがとても重要になります。

配当金を貰うには?

配当金を受け取るには、「権利付最終日」までに株を買い付けて、「権利確定日」に株主になっておく必要があります。株の売買は、約定日から起算して4営業日(3営業日後)が受渡日となりますので、権利確定日の3営業日前が権利付最終日なります。例えば、2017年3月末決算日の場合、3月31日(金)の権利確定日に株主になるには、3月28日(火)までに株を買っておく必要があります。これにより、配当を得る権利を得られます。

配当利回りでチェック

配当狙いの投資で、重要なポイントとなるのが「配当利回り」です。配当利回りは、「1株あたりの配当金」÷「購入株価」×100で算出します。

配当狙いの投資の場合は、銀行預金の金利と配当金で貰う場合の利回りと、どちらがお得か?が焦点になります。例えば日産自動車<7201>の株を100株買った場合、株価1124円(2017年3月2日終値)×100株で、11万2400円必要です。それによって配当金を年4800円(1株あたり48円×100株)受け取れます。4800円÷11万2400円で、4.27%が配当利回りになります。現行の銀行預金の金利は0.001%程度ですので、「配当利回り」の方がはるかに高いのがお分かり頂けると思います。

このように「配当利回り」の高い銘柄がインカムゲイン狙いの投資家には人気が高い銘柄になります。

なぜ増配企業が増えているのか?

近年、日本企業は株主への利益還元を積極的に行う姿勢を見せています。

背景には、2000年以降、外国人投資家の存在感が増したことにより、毎期の業績に連動する株主還元策を提示することの重要性が高まりました。企業側も、長期投資家をつなぎとめる狙いもあり、そうした投資家の声に応じる形で、利益の伸びに応じて株主への還元を積極的に行っています。今期の企業業績は過去最高を更新する見通し。増配・復配を予定する企業も多く、2016年度の配当総額は11兆8千億円で過去最高の見通しです。

配当金をもらう際の注意点

こちらは「配当利回り」のランキング表です。様々なサイトで確認することができます。

先にも述べたように、配当狙いの投資の場合、「配当利回り」が銘柄選びの重要なポイントになります。ところが、この配当利回りには、落とし穴があります。例えば、日産自動車<7201>の株価が急落して800円になったら配当利回りはいくらになるでしょうか。1株あたりの配当金48円÷800円=6%で、配当利回りは4.27%→6%に跳ね上がります。このように株価が下がると配当利回りは高くなります。業績悪化などで株価が急落しているのに配当利回りだけをみて投資をしてしまうと思わぬ損をすることがあるので注意が必要です。業績が悪化すると、配当を減額、また停止されることがありますし、株価がさらに下落して損をする可能性があるからです。

ランキング表には、業績などの悪化で、配当利回りが高い銘柄も隠れています。

その企業に安定的に配当を支払う実力があるのか、業績面や過去の配当実績を確認することが必要です。過去5年程度の売上、1株あたりの利益、配当金の推移をチェックして、それらの数字が横ばい、または増加傾向にあるかどうかを確認しましょう。業績の推移などは、証券会社のウェブサイトで簡単に確認することができます。来期の予想も同様に確認します。連続増配で、業績が好調で安定している銘柄であれば、配当狙いの投資家にとっての対象銘柄のテーブルに載ったことになります。

配当狙いの投資であれば、企業が配当を実施し続ける間は、銀行に預けておくより、ずっと効率的にお金を増やすことができます。増配企業も増えた今、「インカム狙いの長期投資」を選択肢の一つとして検討してみるのも良いでしょう。