Topページ > 投資・資産運用 > リスク許容度の見極め方、アセットアロケーションの決め方
公開日:2017年3月12日

前回は、金融資産運用をするにあたり「リスクを抑えつつ、リターンを大きくする資産クラスの組み合わせを探す」というお話をしました。今回は、個人が取ることのできるリスク許容度の見極め方とアセットアロケーションの決め方のお話です。

リスク許容度は個人(家庭)によって異なる

各個人(家庭)が許容できるリスクは、以下によって変わります。

  • その人のライフスタイル(家族・結婚など)
  • 所有する資産/負債
  • これから生涯にわたりどれくらい収入を得ることができそうか

これらの各個人(家庭)特有の要因を総合的に考慮することにより「その人の取っていいリスク(=リスク許容度)」が決まります。

リスク許容度の判定方法

ライフプランを立て、生涯の収支バランスを1年単位で計算する(=キャッシュフロー表を作成する)ことにより、リスク許容度を算出することができます。

具体的には以下のようなイメージです。

Aさん一家の家計は子供が大学生になる5年後に一番厳しくなることが分かったが、その年は100万円までの損失をだしても家計が破綻しない場合、最大100万円までのマイナスが想定される資産配分を組むことができることになります。例えばアセットアロケーションを「国内株式20%、国内債券20%、外国株式20%、外国債券20%、その他(Reitなど)20%」とした場合、過去の統計から「平均リターン5%、リスク15%」などのようにリターンとリスクの組み合わせが決まります。その場合の上記アセットアロケーションの今後の値動きは、

-10%~+20%の範囲に収まる確率が約68%

-25%~+35%の範囲に収まる確率が約95%

ということになります。運用資金が300万円の場合、

-30万円~+60万円の範囲に収まる可能性が約68%

-75万円~+105万円の範囲に収まる可能性が約95%

ということになります。この場合、Aさん一家は上記アセットアロケーションを組んだ際のリスクを許容できる、という判断ができます。

「リスク許容度」に影響する要因

前述のリスク許容度についてもう少し詳しく説明します。各個人(家庭)のリスク許容度に影響する要因として、自分や家族がすでにどのようなリスクをとっているか、が挙げられます。例えば

  • 住宅ローンを変動金利で組んでいれば金利変動リスクにさらされています。
  • 不動産は価格が大きいので、所有していればその変動の影響は大きいです。
  • 金融資産運用をやったことがないという方でも、自分の年金資産はすでに株式や債券に投資されています(GPIFが運用)。

また、例えば保険商品を購入していてリスクをヘッジしている場合も、リスク許容度に影響します。

アセットアロケーションを決める具体的な手順

各金融資産クラスへの配分の組み合わせは無数にあります。どの配分にするのがよいのかは人によって異なりますし、同じ人でも正解は1つとは限りません。

リスク許容度を判定する方法としては、前述のキャッシュフロー表を作成するのが最も有効と思いますが、現実的には「えいや」で資産配分を決めることもあるかと思います。家計と切り離して、ゼロになってもよいお金と考えるのであれば可能です。特に投下する資金が小さい場合はそれでも問題にはならないでしょう。

ではリスク許容度が決まったところで、実際に資産配分の組み合わせはどうすればよいか。前回「リスクを抑えつつ、リターンを大きくする組み合わせを探す」と話しましたが、以下具体的なお話です。前回もご紹介しましたサイト「わたしのインデックス」が便利です。

サイト内の「みんなのポートフォリオ」のタブを開くと無数の組み合わせがグラフ上に表示されます。横軸がリスク、縦軸がリターンなので同じリスク値(横軸)で比較した場合は、上に位置するポートフォリオ(組み合わせ)ほど、過去に優秀な成績を収めたということになります。

分布をみてわかりますが、リスク値ごとに、リターンの上限はほぼ決まっています。ここを目指すのですが、作業としては各資産クラスへの配分をいろいろ変えてみて、リスクとリターンの算出値を見て、起こりうる損失が許容範囲であることを確認しながら、より上に位置するように組み合わせを探すことになります。

【連載】
第3回:資産運用するなら把握しておきたい、リスクとリターンの関係とは
第2回:「金融資産運用は分散と長期運用が王道」と言われるその理由とは
第1回:FPが投資初心者にオススメする投信と、セールスにオススメされる投信の裏事情

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