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公開日:2017年2月8日

フィンテックの盛り上がりと同時に注目されている投資手法「ソーシャルレンディング」。別名融資型のクラウドファンディングともいいますが、この新しい投資手段について、その仕組みの概要とリスク、リスクに対応するための方法を紹介いたします。

ソーシャルレンディングとは、インターネットを通じてお金を借りたい人と投資したい人を結びつけるサービスです。利回りの高さもあって投資家からの注目度も上がっているのに加え、ソーシャルレンディングを仲介する事業者も徐々に増えてきています。そこで、ソーシャルレンディングの仕組み、特長、リスク、そしてリスクの管理について解説していきたいと思います。

ソーシャルレンディングの仕組み

ソーシャルレンディングは、インターネットを使って投資家から資金を集め、その資金を原資にソーシャルレンディング事業者が個人や法人に融資を行い、融資先からの元利金の一部を投資家に分配する仕組みになっています。

具体的には、「匿名組合」という集団投資スキームを使い投資家から資金を集めます。組合という言葉が入っていますが、法人・団体というわけではなく、投資家と業者との契約のことを指すと考えてください。複数の投資家が営業者(ソーシャルレンディング事業者)のために出資をし、その営業から生ずる利益を分配することを約束することによって匿名組合契約が成立します。(商法535条)

この場合のソーシャルレンディング業者の営業とは、借り手に対する融資です。ちなみに借り手のことをボロワー、貸し手の投資家のことをレンダーということもあります。ソーシャルレンディング事業者は、ローンファンドを組成し、借り手に融資します。借り手は、融資によって得た資金で事業を行いながら、ソーシャルレンディング事業者に融資に対する利子の支払いや元本の返済を行います。そして、ソーシャルレンディング業者は、投資家に元本や分配金を支払うという流れになります。

ソーシャルレンディング業者と借り手側に注目すると、貸金業法上の規制が問題になります。貸金業法は、「貸金業を営む者について登録制度を実施し、その事業に対し必要な規制を行うことを目的とする」としています。(貸金業法1条)そして、貸金業法第2条では、「『貸金業』とは、金銭の貸付又は金銭の貸借の媒介で業として行うものをいう」としています。ソーシャルレンディング業者と借り手間では、金銭の貸借を行っており、ソーシャルレンディング業者は、基本これを一度だけではなく複数の借り手に融資を行います。これは貸金業法における金銭の貸し付けを業として行うものそのものです。そのため、貸金業者は貸金業法第1条の趣旨に合わせ、貸金業の登録が必要となります。

ソーシャルレンディングの特長

預金に比べ高利回り

仕組みを単純に考えると、ソーシャルレンディングも銀行預金も資金を拠出し、それに対し金利が上乗せされて分配されるという点では同じ仕組みと考えることもできます。しかし、利回りを比べると、銀行預金の金利は0.1%もない状況ですが、ソーシャルレンディングは5%~10%のものが多く、圧倒的な差があります。

毎月分配型で効率的に運用

ソーシャルレンディングにおける分配金、つまり出資した元本やその利息の受け取り方は様々です。分配の頻度として、3ヶ月に1度、満期時に一括で分配というものなどもありますが、一番多いのは毎月分配のタイプです。毎月分配の中でも、毎月元本と金利を一緒に分配される「元利均等返済」と利息だけを毎月分配し、元本は満期時に一括で返済される「元本一括返済」があり、この「元本一括返済」で返済するファンドが多くなっています。

投資信託でも毎月分配型のファンドが人気ですが、投資信託が元本を減らしながら分配金を出す、いわゆるタコ足配当になっていることが多いのに対し、ソーシャルレンディングの金利は、全額融資によって得られた利息から支払われ、元本が取り崩されないので安心です。

従来とは異なる投資対象

株や投資信託に投資する場合、出資した資金が直接投資先の企業に渡っているわけではないため、出資金が何かに貢献しているという実感が薄くなってしまいます。FXなどの場合は対象が為替ですので投資というよりも投機という意味買いが強くなり、より一層社会的貢献という意義を感じにくくなってしまいます。

ソーシャルレンディングの場合、出資した資金が直接的に借り手の事業資金となります。また、投資対象としても中小企業支援ローンファンドや、風力発電、太陽光発電などの代替エネルギーに特化したローンファンドなどもあり、志の高い企業や先進的な技術を持つ企業に出資している、もしくは社会経済に貢献しているという実感を得やすい面があります。

経済情勢の影響を受けにくい

株式・債券・投資信託などは、経済情勢により市場の変化が起こるため、絶えず市場の動向を確認し続けなければならず、管理がなかなか難しいという面があります。一方ソーシャルレンディングは、投資元本の値動きはないため、市場動向に左右されることはありません。基本的に投資した後は、満期になるまで待っていればよいのです。

その意味で、新しいアセットクラスとしてソーシャルレンディングを活用すれば、分散投資の効果がより発揮されるのではないでしょうか。普通に株や投資信託に投資すると、市場がリスクオフムードになってしまうとすべて下がってしまいますし、海外に分散投資していても為替が円高になりそれも下がってしまいます。そこで市場動向とは相関性の低いソーシャルレンディングを投資先の一つとして組み入れることにより、リスクの低減を図ることができます。

少額投資が可能

ソーシャルレンディングでは、ほとんどの案件が最低出資金額10万円以下となっています。案件によっては1万円からの出資が可能となっているものもあります。各案件に少しずつ出資することで、ソーシャルレンディングの中でも分散投資をすることが可能になります。

比較的短期の投資が可能

ソーシャルレンディングの投資期間は数か月から3年程度の商品があり、その多くが1年前後と短期的な投資を行うことが可能な金融商品となっております。あまり長く資金を固定させておきたくないという投資家にとっては、参入しやすい商品性となっています。

複利の効率が良い

利回り商品においては、受け取った利息をさらに投資することで、再投資した利息分にも利息が発生し、雪だるま式に投資資産が増えていきます。これを複利効果と言います。この複利効果は金利・配当の支払い回数が多ければ多いほど効果が大きくなります。毎月分配の商品が多いソーシャルレンディングでは、受け取った利息を他の案件に回すことで、効率の良い運用をすることができます。

担保や保証がある商品が多い

ソーシャルレンディングでは、融資に対し不動産の担保や保証を付けるものがあります。担保の存在により、元本・利息が保全されます。融資先が履行遅滞や返済不能に陥った場合、担保が設定されていれば担保権を実行することにより、元本と利息が保全されることになるのです。

また回収時にサービサーを活用することができます。サービサーとは、債権回収代行業者のことを言います。ソーシャルレンディング事業者が債権をサービサーに売却することによってある程度の元本の補てんをすることができます。

疑似的に融資に参加できる

融資をすることのメリットは利息がもらえることと元本が返ってくることです。融資先がデフォルトしない限り、元本がしっかり返ってくる点が大きな魅力ですが、個人が融資を継続的に行うことは、制度上、また、融資審査等の手続き上もなかなか難しいと言えます。ソーシャルレンディングの仕組みを使えば、疑似的ではありますが個人ではできなかった融資をすることができます。

銀行以外の資金の調達先となる

こちらは借り手側のメリットですが、銀行以外から柔軟に資金調達ができるという点も大きな特長です。アイデアや事業内容が良くても銀行の融資条件に合わないという場合、高い金利で貸金業者から借り入れを行わなければなりませんでしたが、新たな資金の調達先が増えるというのは借り手側としては大きな魅力と言えます。

ソーシャルレンディングのリスク

ソーシャルレンディングのデメリットとして、他の金融商品にも共通するリスク、ソーシャルレンディング特有のリスク、ソーシャルレンディングの仕組み上のデメリットに分けて説明していきたいと思います。

投資をするからこそ発生するリスクです。株やFXとは違い、ソーシャルレンディングは日々価格が変動するような商品ではありませんが、元本保証の商品ではありません。高い利回りを享受できる分、それなりのリスクがありますので、そのリスクをしっかり確認しておきましょう。

運営会社の倒産リスク

出資された資金の管理については、ソーシャルレンディング事業者の資産と分別管理されなければなりません。(金融商品取引法40条2号、電子申込型電子募集取扱業務等に関する規則30条)しかし、分別管理はされていても事業者の財産として会計上の処理がなされます。そのため、運営会社が破たんすると、出資金元本が棄損する可能性が出てくることになります。

借り手の信用リスク

投資案件がデフォルト(債務不履行)になってしまうと利息や元本が棄損する可能性があります。分配時期の遅延という形になる場合もあります。担保が設定されているファンドであれば担保を売却することで元本の回収を試みますが、最悪元本が毀損するということも考えられます。

担保価値下落リスク

担保付きの案件は、デフォルトになってしまってもその担保で利息や元本が返済されることになるわけですが、担保になっている不動産などの価値は一定ではありません。担保価値が大きく下落してしまうと、案件がデフォルトした場合、担保権を実行しても元本を回収しきれない可能性が出てきてしまいます。

為替リスク

海外の個人・法人に融資する案件に限った話ですが、現地通貨と日本円との為替変動の影響を受けます。円高になれば損失になりますが、必ずしもマイナスに働くということではなく、円安になれば利益を得られます。為替ヘッジが付いているファンドに関しては為替の影響は受けない仕組みになっています。

カントリーリスク

こちらも海外の個人・法人に融資する案件に限った話になります。融資先の国や地域において、政治経済の状況の変化、自然災害などがソーシャルレンディングのリターンに影響を与える可能性があります。

詐欺リスク

あまりないかとは思いますが、案件の融資先やソーシャルレンディング事業者自体が詐欺行為を行っている可能性があります。ソーシャルレンディング事業者が実際は実体がないものであったり、第二種金融商品取引業の登録をしてあっても詐欺行為を働いたりといった可能性もあります。また、融資先が詐欺を行う可能性もあります。

ソーシャルレンディング特有のリスク

他の金融商品にはない、ソーシャルレンディングの仕組みを採用しているからこそ発生しうるリスクがあります。他の金融商品と比較してリスクとうまく付き合っていくために確認しておきましょう。

融資先の詳細情報が非開示

ソーシャルレンディング投資では、投資家は融資先の会社名、詳細な事業内容を知ることはできません。投資家が特に知りたい情報の一つであるのに、その情報が隠されているのには理由があります。

業として融資を行うためには、貸金業の登録が必要であるのは先に述べた通りです。ソーシャルレンディングではソーシャルレンディング事業者が間に入ることにより、投資家が「疑似的に」融資に参入できる仕組みを取っています。もちろん、投資家が直接融資をすることができれば、わざわざソーシャルレンディングの仕組みを使う必要はないのですが、貸金業登録の参入障壁は低くありません。純資産5000万円以上、貸金業務取扱主任者の設置、貸金業の業務経験が必要など、普通の個人投資家が登録をするのは、現実的には不可能でしょう。そのため、ソーシャルレンディングの仕組みを活用しているわけですが、「疑似的に」融資に参入しているこの外形が、貸金業務ととらえられてしまう可能性があるという問題があります。実際に、過去当局からの指導を受けた例もあり、ソーシャルレンディング事業者が間に入っているから問題ないということにはなりません。そこで、融資先の詳細情報を投資家には見えない形をとることにより、投資家から直接融資をしていると判断されないようにしているのです。

このような事情により、投資家は、融資先の企業名や詳細な事業内容を知ることができないようになっているのです。

早期償還リスク

投資した案件の融資先が、当初予定していた満期日よりも早く返済を行うと、早期償還が発生します。早期償還が行われるということは、早く負債を返済できるということなので、融資先の信用状況が悪くなったわけではなく、むしろ事業が好調ということなのですが、投資家にしてみると、投資期間が短くなってしまいます。利回り自体が変わるわけではありませんが、投資期間が短くなるのでリターンの金額としては少なくなってしまいます。また、予期せぬタイミングでの償還となり、新たな案件を探さなければいけない手間が発生してしまいます。

流動性リスク

出資が完了した後は、キャンセル・中途解約ができません。満期前にどうしても資金が必要ということになっても解約できませんし、取引市場もないので売却・換金することができません。流動性の面では厳しい商品性となっています。

案件の不成立による機会損失

ソーシャルレンディングでは募集を開始した案件でも、募集金額が満額集まらずに不成立になったり、事業者・融資先の判断により募集が中止になったりすることがあります。具体的な金額として損失が出るわけではありませんが、その間資金が動かせないため機会損失が発生することになります。

ソーシャルレンディングの仕組み上のデメリット

ソーシャルレンディングには、他の金融商品よりも有利な点も多かったですが、その分不利な点も多いです。リスク(不確実性)ということではなく、制度上・法律上のデメリットについても確認しておきましょう。

融資先への請求権がない

投資家からすると、直接融資を行っている感覚になってしまいますが、あくまで疑似的に融資しているにすぎず、案件がデフォルトしても直接回収することはできません。ソーシャルレンディング事業者に回収してもらうしかないのです。

値上がり益は狙えない

あくまで利回り商品ですので、キャピタルゲインを期待することはできません。あくまでリターンは利息に限られることになりますので、大きく儲けることを期待している人には向かない商品です。また、証拠金取引を行うことができないため、レバレッジをかけることもできません。

税制上の問題

株やFXで得られた利益は株式等の譲渡所得として申告分離課税になりますが、ソーシャルレンディングで得られた利益は税制上では雑所得に分類されます。雑所得は総合課税という方法で課税されます。総合課税とは、会社員の給与所得や経営者の事業所得など他の所得と合算した上で税額が計算される方法です。税率については、累進課税制度となっており、所得が高いと税率も高くなってしまいます。一方、株式等の譲渡所得の場合は、投資で得られた損益の中で所得を計算し、その中で利益が出ている場合のみ課税されることになります。また、税率は20.315%と一定です。雑所得が有利になるか不利になるかは、一概には言えませんが、他の所得も併せて気を配らなければならない点に気を付けましょう。

また、分配があった場合、そのたびに約20%をソーシャルレンディング事業者が源泉徴収します。税金が差し引かれた分、複利効果が薄れてしまうことになります。

案件管理が手間

株の場合、証券会社で扱っている商品の格差はあまり大きくありません。国内の上場企業の株であれば、手数料の違いはありますが、銘柄の違いはほとんどありません。ところがソーシャルレンディングの場合、事業者によって案件の特性がある程度偏っていることが多く、優良な案件を探したり、事業者の分散投資、融資先事業の分散投資をしたりということを考えると、複数のソーシャルレンディングサイトへの登録が必要になります。そうすると、口座間で資金を移動するのも手間がかかりますし、自分が投資している案件を複数のサイトにまたがって管理するのも一苦労です。かといって、1つの事業者に固定してしまうと投資先、投資業種が集中しがちになってしまい、リスクを分散しにくくなるという面があります。

さらに、好条件の案件を狙っていても、早い者勝ちで募集が締め切られてしまいます。投資先の選定の面でも、複数の事業者に目を配っておくのはなかなか大変です。

リスクへの対応方法

先に述べたリスク・デメリットは完全に消し去ることはできませんが、あらかじめ対応しておくことである程度リスクを低減することができます。その方法を説明していきます。

運営会社の選定

ソーシャルレンディングの安全性は事業者にかかっていると言っても過言ではありません。事業者の資金がしっかりしていれば、元本棄損のリスクは低くなりますし、融資先の選定についても手続きに則って行われていれば、融資先のデフォルトリスクは低減されます。投資家が直接融資先にアクセスすることができないため、その事業者が信頼できる会社であるかが重要です。資産・コンプライアンス・セキュリティがしっかりしているかを確認しましょう。事業者のサイトに企業情報やFAQなどに情報が掲載されていますし、直接問い合わせることもできます。セミナーを開催している事業者も多いですので、参加してみるのもいいでしょう。しっかりと事業者の選定を行ったうえで口座開設を行ってください。

分散投資

多くの事業者に投資し、多くの案件に投資を行うことで、そのうちの一件にデフォルトが起きてしまってもそこまで大きな問題とはならず、リスクを低減することができます。また、他の金融商品との分散投資先に最適だと説明しましたのと同様に、ソーシャルレンディングだけに投資するのではなく、他のアセットクラスと組み合わせて分散投資をすることもリスク低減の手段となります。

案件管理

案件を選ぶ際に、人気がある案件に飛びつくのではなく、開示されている情報をしっかり確認し、匿名ではあるものの融資先の情報を読み取ることが重要です。

また投資後も、投資している案件全体を見て、同じ業種の案件に集中していないか、国・地域が偏っていないかなどを定期的に確認しておくことが必要です。投資したらそのままということにせず、分配金の支払い状況なども随時チェックし、運用状況を確認するとともに、各業種、案件の傾向などもつかんでおきましょう。案件管理と同時に徹底した情報収集・管理も重要です。

まとめ

日本の成長率は低位安定してしまい、物価上昇率も目標の2%に届かない状態が続く中で、国内の金利は低く抑えられたままになってしまっています。ソーシャルレンディングを活用することにより、短い期間の運用でも高い利回りでの運用が可能になり、かつ社会貢献の実感も得ることができます。また、今後さらに新しい業種の融資先の出現やソーシャルレンディング事業者の参入により、投資家側からの選択肢も広がる可能性があります。資金を必要としている企業側から見ても、ソーシャルレンディングの広がりにより恩恵を受ける面は大きく、経済の活性化に大きく寄与するものと考えられます。

その一方で借り手の情報開示が制限されているなど、リスクコントロールが難しい面があります。この記事で改めてどういったリスクがあるのかを確認できたかと思いますので、投資する際には、できる限りのリスク回避を行うことにより、上手にリスクと付き合いながら、ソーシャルレンディング投資を楽しむことができるでしょう。(提供:ソシャレン比較ナビ

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