Topページ > 投資・資産運用 > 覚えておきたいNISAの活用で注意するべきポイントとは?
公開日:2017年1月22日
更新日:2017年3月11日

節税しながら投資ができるNISA(少額投資非課税制度)。年間120万円までの投資で得た利益が最長5年間非課税となる制度です。つい「非課税」という言葉に心が向きがちですが、メリットがあればデメリットもあるのが世の常です。今回はNISA特有の注意点を1つずつ解説します。

日本証券業協会の1月の最新発表では、NISA口座の稼働率が12月末で60%を超えました。これは、徐々に口座開設が浸透し、トランプ政権による株高効果と円の低金利による貯蓄から投資への意識付けが徐々に現れている結果だといえます。そして、来年から積立型NISAも創設されるということで、これからNISAの活用を検討する人も増えていくのではないでしょうか。しかし、現行NISAには人によってはデメリットになることもあり、知っておかなければならない点で注意すべきポイントを挙げてみましょう。

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NISAの注意ポイントは5つ

すべての金融機関を通じ、1人1口座しか開設できない

NISA制度を活用するには、金融機関にNISA口座を開設することが第一歩となります。ただし、NISA口座は仕組みとして、すべての金融機関を通じ1人1口座しか開設できません。銀行では株式投資信託が、証券会社では上場株式、株式投資信託、ETF(上場投資信託)などの投資商品が購入できるので、まず何に投資するのかを決めてから、どの金融機関に口座開設するのかを考えたいところです。

ちなみに、年に1度NISA口座を別の金融機関に変更ができます。その場合は金融機関に申し出て、変更をしようとする年の9月末までに手続きを完了する必要があります。ただし、もうすでにNISA口座で投資商品を購入していた場合には、変更後のNISA口座は翌年からしか利用できないことに注意が必要です。また、変更前のNISA口座で購入した投資商品は変更後のNISA口座に移管できず、変更前のNISA口座に保管されます。この場合のみ例外として変更前と変更後の2つのNISA口座を保有することになります。

非課税枠は繰り越しできない

NISAで購入できる金額は年額120万円が上限です。その年の投資額が上限を超えなかったとしても、その残った枠は繰り越しできません。例えば、その年の投資額が80万円だった場合、差額の40万円を翌年の非課税投資枠に上乗せすることはできないため、翌年の非課税上限額は160万円ではなく120万円のままです。投資商品の値上がりや分配金の再投資により、NISA口座の時価総額が120万円を超えたとしても、あくまで非課税になるのは、120万円までの非課税投資額から生じた利益だけと覚えておきましょう

投資商品の買い替えも非課税枠が消費される

NISA口座で購入した投資商品を売却して買い替えをする場合にも、新規購入の場合と同様に非課税枠を消費します。NISA口座で既に100万円の投資をし、そのうちの50万円を売却したと仮定して考えてみましょう。NISA口座の残高は50万円になりましたが、非課税投資の上限額120万円との差額70万円分を新たに投資できるわけではありません。投資枠の再利用はできず、最初に投資した100万円との差額20万円まで投資可能となります。

配当金や分配金は受け取り方によっては課税される

国内上場株式の配当金や、ETFREITの分配金を非課税で受け取るには、証券会社を通じて受けとる「株式数比例配分方式」を選択することが大前提となります。銀行振り込みを指定する「登録配当金受領口座方式」、ゆうちょ銀行や郵便局で「配当金領収証」を持参して受けとる「配当金領収証方式」を選択すると課税扱いとなることに注意が必要です。NISA口座を申し込む際には利便性だけで受け取り方を選択しないようにしましょう。

損益通算や損失の繰り越しができない

例えば、課税口座(一般口座や特定口座)で投資商品の売却益が30万円あった場合、20.315%が課税され6万945円の税金を納めることになります。このとき同じ年に20万円の売却損もあった場合、損益通算することで売却益と売却損が相殺され、差額の利益10万円について2万315円の税金を納めるだけで済むことになります。課税口座の取引では、売却益や配当金などの利益と売却損を損益通算することができるのです。けれどもNISA口座で保有している金融商品については損益通算の対象外となります。

さらに、課税口座では年間を通して出た損失は、確定申告することで翌年以降3年間損失を繰り越すことができますが、NISA口座の損失は繰り越すことができません。つまり、NISAでは利益が出れば非課税のメリットを受けられる反面、損失が出た場合には救済されない仕組みの制度なのです。

非課税期間が終了するとどうなる?

5年間の非課税期間が終了すると、NISA口座で購入した投資商品をどうするか以下の3つのパターンから選択します。

時価120万円を上限に、翌年の新たな非課税投資枠へ移し替える

この場合、移し替え時点の時価が新たな取得価格として登録されます。当初100万円で購入していたとしても新たな取得費用を80万円として、その後の税額計算がされることになります。また上限額との差額の40万円までは、追加投資が可能です。時価が120万円を超えていれば、非課税投資上限額の120万円まではNISA口座で保有でき、差額は課税口座へ移し替えるか売却を選択します。

NISAの概要「非課税投資枠の取扱」

出展:金融庁HP NISAの概要「非課税投資枠の取扱」

ただし、取引金融機関を途中で変更していると、変更前のNISA口座に保有している投資金額は、翌年の新たな非課税投資枠へ移し替えることはできない仕組みとなっています。

課税口座(一般口座・特定口座)に移し替える

この場合も、移し替え時点の時価が新たな取得価格とみなされ、購入価格よりマイナスの場合は注意が必要です。仮に、当初100万円で取得していた株式が、課税口座に移し替え時点の時価が80万円だった場合、取得費用は80万円とみなされます。その後、その株式が値上がりし売却価額が当初の取得金額と同額の100万円だったとしても、売却代金の100万円と新たな取得費用80万円との差額20万円に対し、20.315%の税率が適用され、4万630円の税金を納めることになります。

売却する

NISA制度では売却時期に制限はなく、いつでも自由に売却することができます。

まとめ

NISAには特有の注意点がありますが、その一方では、売却益や分配金など利益に課税されないため節税しながら投資ができる大きなメリットもあります。メリット・デメリットを理解したうえでNISAを上手に活用してください。

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