
はじめに
JAL(日本航空株式会社)は、1950年代から日本の航空便を運営してきた大手航空会社の一つです。競争激化に伴って業績が悪化し、2010年には会社更生法の適用を申請して破産に追い込まれました。その後新体制で経営再建に乗り出し、2012年には東証1部再上場を果たしています。
株主優待の内容はきわめてシンプルで、JALの国内線全路線を対象に片道1区間の運賃が半額になる割引券を年2回提供する、というものです。また、JALのツアー料金が7%割引になるツアー割引券ももらえます。
お得な株主優待
JALの場合もそうですが、株主優待の特徴は現物で支給される点です。その企業の扱う製品やサービスに関連したモノや利用割引券などをもらうことができます。
株券を保有していると、配当利回りに応じて配当金が支払われます。しかし、株券を保有していることの価値として株主優待を無視することはできません。また、株価によって変動する配当金とは異なり、株主優待の価値は変動しにくいのも特徴です(もちろん業績悪化で質が悪くなることはあります)。配当利回りに加えて、株主優待の価値である優待利回りを加味して株が得なのか損なのかを判断することが普通です。
銘柄基本情報
権利確定月 | 3月・9月 | 優待回数 | 年2回 |
株価 | 3,686円 | 単元株数 | 100株 |
必要投資資金額 | 368,600円 |
※2017年2月23日調べ
2016年前半は原油安に伴う燃料費の圧縮や訪日外国人の増加のおかげで大幅な営業増益となり、4,000円を超える株価をつけていました。しかし、観光需要が落ち着くにつれて株価はじょじょに下落し、秋口には3,000円を切るところまでいきました。会社更生法の申請とそのあとのゴタゴタのせいで、いまだに経営状態に対して疑問の声もあるものの、破産以前とは異なりキャッシュフローは安定しているため、株価もそれなりに安定した動きを続けていくと推測されます。
優待配当利回り情報
配当(1株) | 92円(2回分) | 配当利回り | 2.50% |
優待の価値 | 片道1区間運賃50%割引、ツアー料金7%割引 | 優待利回り | 5.43% |
トータル利回り | 7.93% |
※優待利回り:100株保有で30,000円航空券と70,000円ツアーを利用した場合
※2017年2月23日調べ
航空優待券の有効期間が比較的長く、1年間となっています。多くの企業では優待券の有効期間が半年程度で、使用したくてもチャンスがないということも少なくないのですが、1年間であれば一度は使用するチャンスを作ることも難しくないのではないでしょうか。優待利回りは、運賃やツアー料金によって大きく変わってきます。とはいえ、国内線だけが対象なのでLCCのような格安航空会社と比較してそれほど得であるとは言えません。
株主優待の内容紹介
3月31日および9月30日時点で株券を保有している株主に対して、以下の基準で割引券が発行されます。
所有株数 | 3月31日時点の株主 | 9月30日時点の株主 |
100~199株 | 1枚 | – |
200~299株 | 1枚 | 1枚 |
300~399株 | 2枚 | 1枚 |
400~499株 | 2枚 | 2枚 |
500~599株 | 3枚 | 2枚 |
600~699株 | 3枚 | 3枚 |
700~799株 | 4枚 | 3枚 |
800~899株 | 4枚 | 4枚 |
900~999株 | 5枚 | 4枚 |
1,000~1,099株 | 5枚 | 5枚 |
1,100~99,999株 | 5枚+1,000株超過分500株ごとに1枚 | 同左 |
100,000株~ | 203枚+100,000株超過分1,000株ごとに1枚 | 同左 |
上記を見れば明らかなとおり、かなり細かく区分が分かれています。頑張って1,000株入手することができれば、毎年国内線10区間分の割引券をもらい続けられます。これは、かなりお得感がありますね。
また、3年(7基準日)連続して同じ株券を保有し続けた株主には、追加で割引券が支給されます。
300~999株 | 各7基準日目に1枚 |
1,000~9,999株 | 各7基準日目に2枚 |
10,000株~ | 各7基準日目に3枚 |
さらに、JALのパックツアー料金が7%引きになる割引券が、以下の基準で発行されます。
所有株数 | 海外ツアー割引券 | 国内ツアー割引券 | 発行回数 |
100~199株 | 2枚 | 2枚 | 年1回(5月) |
200株 | 2枚 | 2枚 | 年2回(5月・11月) |
まとめ
JALを利用する機会のある方であれば、持っていても損はないという程度の株主優待です。JALツアーを利用して旅行することがあれば、7%割引券の価値を感じることもあるのではないでしょうか。あまりJALを利用しない、そもそも飛行機に乗らないという方は、JALをはじめとした航空会社の株主優待はあまり魅力的には感じられないかもしれません。
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