不動産は預貯金や株式等と違い現物がある
銀行等で預ける預金や国内債は、長く続く低金利の影響でなかなか増えませんが、減ることもまずありません。株式や投資信託、外貨預金等は、相場(株価・為替等)の状況によって資産が増えることも減ることもあります。保険商品(学資保険や個人年金保険等)を使ってもお金を貯めることができます。これらの金融商品は何れも多くの人に馴染みのある運用手段と言えます。不動産投資も運用手段の一つですが、上記の金融商品との大きな違いは現物投資ということです。現物とは自動車やパソコンのように目に見える物があるので、他の金融商品とは違ったメリット・デメリットもあります。
※不動産を投資対象とした金融商品(REIT等)もあります。
不動産投資の収入と支出とは?
例えば中古のマンションを現金で購入し、他人に貸したとしましょう。収入と支出は次のようなものが考えられます。
- 主な収入:家賃、礼金、更新料
- 主な支出:(購入時)マンション本体価格、不動産仲介手数料、印紙税、不動産所得税、登記費用、火災保険料 等(賃貸時)入居者募集費用、入居者管理費用、ハウスクリーニング代、マンション管理費・修繕積立金、固定資産税・都市計画税、所得税、住民税 等
不動産投資は収入の大部分が月々の家賃であり、収入からいろいろな費用を払った残りが実際の運用益になります。これだけ多くの支出があると利益が出るのか心配な人もいるかもしれませんが、中古マンションを一般的な相場で買い、一般的な相場で貸していれば、入居者がいる限り赤字になることはほとんどないです。投資を始める前に相場を知り、入居者を安定的に確保できるよう準備しておくと良いでしょう。
なお、借入をして購入した場合は、借入時の諸費用や月々の返済も支出となります。
※将来の売却時に譲渡益を得られる可能性もあります。
投資物件の特徴と探し方
北は北海道から南は沖縄まで、投資物件があれば日本のどこでも不動産投資はできます。国外でも可能です。ただ、入居者の募集や管理等を誰かに任せるとなると、信頼できる協力者のいる地域で投資する方がやはり安心です。マンションも戸建ても寒い地域と暑い地域ではつくり方が違うので、地域によって維持管理のコストに差が出ます。物件の大きさによっても維持管理コストに差が出ます。都市部は投資物件も入居者も多いですが、不動産投資のライバルも多いです。地方では投資物件も入居者も少ないですが、ライバルも少ないです。不動産投資をする上では、これらの違いがあることを理解した上で、どこをターゲットにするか明確にしてから始めると良いでしょう。
不動産投資はお勤めの人でも取り組みやすい投資と言えるかもしれません。しかし、不動産投資は事業であり、オーナーの姿勢が入居者の生活の質にも影響します。事業家(オーナー)として責任感をもてるようになってから始めるようにして下さい。