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公開日:2017年3月31日
更新日:2017年5月9日

FXはよく株式投資や外貨預金と比較されます。
本記事に来ていただいた読者は投資に興味があり、投資を始めるなら「株とFXどっちがいいの?」と思っている方も多いでしょう。
今回は、株、FX、外貨預金の比較をしながら解説していきます。後半では、FXで大損する人の特徴とその対策についても言及していきます。

【頼藤太希のFX基礎講座】第3回:FXを株や外貨預金と徹底比較 FXで大損する人の特徴は?

株、FX、外貨預金の違い

まずは、わかりやすく項目別に比較表でまとめました。

項目 FX 外貨預金
投資対象 個別企業 各国通貨 各国通貨
分析対象の数 4,000社以上 50通貨程度
※通貨ペアは国内業社平均20ペア程度
10通貨程度
主な変動要因 企業業績、バリュエーションなどミクロ要因、需給など 金融政策、政治、様々なマクロ要因、需給など 金融政策、政治、様々なマクロ要因、需給など
必要な知識 企業・業界、財務・会計など 世界経済、為替、通貨など 世界経済、為替、通貨など
信用リスク依存度 個別企業の信用力
(国の信用力)
国の信用力、通貨自体の信用力 国の信用力、通貨自体の信用力
インサイダー あり なし なし
エントリー 買い(信用取引で売りも可能) 売り・買い両方 買い
決済期限 信用取引の場合あり なし なし
値動きの変動幅 〜年100倍 〜年30% 〜年30%
値動き 為替と比べると緩やか 上下が激しい 上下が激しい
取引可能時間 平日9〜11時半と12時半〜15時 平日24時間 平日24時間
必要な最低資金 数万円〜 数千円〜 10万円〜
(1000通貨〜)
売買差益以外の利益 配当金、株主優待 スワップポイント(金利) 金利
金利・配当の受取 年1〜2回程度 毎営業日 年2回
手数料 売買手数料 スプレッド 為替手数料(スプレッド)
レバレッジ 現物取引は無し
信用取引で最大3.3倍
最大25倍 無し
自動売買 自動売買しにくい 自動売買しやすい

外貨預金と比べてFXは、

(1) 円と外貨の組み合わせ以外の取引もできる

(2) 売りと買いの取引ができるので、円安だけでなく円高になっても利益を狙うことができる

(3) レバレッジをかけることができるので大きな利益を狙うことができる(反面リスクは高くなる)

(4) 手数料が圧倒的に低い

が挙げられ、圧倒的にFXが優位と言えます。ただし、(3)で挙げているレバレッジには注意が必要で、リスクはその分FXの方が大きいと言えます。

FXと外貨預金の比較は第1回の記事でも解説していますので、そちらもぜひチェックしてください。

【頼藤太希のFX基礎講座】第1回:FXの基本のき

以下、株とFXの違いを抜粋して解説していきます。

投資対象と信用リスク依存度

まず投資対象ですが、株は「個別企業が資本調達のために発行する株式」、FXは「各国が発行する通貨」です。

信用リスクは、株の場合はその企業の財務力、業績、評判、経営陣などの依存度が大きいのですが、基本的には業績が良ければ上がり、悪ければ下がります。業績悪化が続いたりや粉飾決算があったりすると、上場廃止となり大きく株価は下がります。倒産の場合は価値がゼロになることもあります。俗に言われる「紙切れ」になります。

FXの場合は、国自体の信用力と通貨自体の信用力に依存しますが、世界全体の景気状況、各国の景気動向や金利・通貨量などの金融政策、戦争・災害・天候等の地政学リスクなどによって、通貨の価格が上がり、下がったりします。

国や通貨がなくならない限りは、株のように価値がゼロになる可能性はないと言えます。

必要な知識

必要な知識は、株の場合、世界経済やその国の景気動向も関係がありますが、それよりも業界動向の調査、企業分析が必要になります。そのため、情報収集力、ニュースの見方、企業分析は、事業内容の把握はもちろん、財務状況を分析するための会計知識が必要になります。

幅広く知識が必要になりますが、株価というのは、基本、企業の成長とともに上昇していきます。企業の成長には、企業が販売しているサービス・商品の売り上げが伸びていくのは必須です。その売り上げは企業のサービス・商品を実際に使い継続して購入してくれるファンが支えています。

よって、慣れ親しんだサービス・商品や好きなサービス・商品を販売している企業をまずは投資先として選ぶのが良いでしょう。

FXの場合は、世界情勢をいかにキャッチできるかが鍵になってきます。具体的には、景気、政治、金融政策、戦争・災害・天候などの地政学リスクなどです。そのため、景気指標の見方、インフレ率、金融政策、政治内容、通貨制度や特徴の理解が必要になります。

FXに投資すると、政治や経済の番組やニュースがわかるようになるというメリットがあります。一方株は、ミクロ経済分析、為替(FX)はマクロ経済分析が必要と言われています。

値動きの変動幅と値動き

値動きの変動幅は、大きければ大きいほどハイリスクハイリターン、小さければ小さいほどローリスクローリターンの取引になります。どちらが良いかは人それぞれのリスク許容度、投資スタイルにより異なりますので一概には言えません。直近の相場を見ると、値動きが上下に激しいのは株よりも為替(FX)です。

株の場合は、銘柄により大きな差がありますが、年間で10倍や100倍になることもあります。おおよそ1%〜30%の範囲に落ち着いていることが多いです。

FXの場合は通貨ペアによって変動幅に差があります。例えば、円とドルの組み合わせよりも円とポンドの組み合わせの方が変動は大きいです。年間で見た場合、変動幅30%以内におさまっていることが多いです。

株と比べたFXの優位点

株と比べてFXの優位点は以下が挙げられます。

(1) FXは売りでも買いでもエントリーができる。株は信用取引を行った場合で売りも可能だが、売買手数料とは別に信用取引コストがかかる。

(2) FXに決済期限はないが、株では信用取引を行った場合期限がある。

(3) FXは取引可能時間が平日24時間なので、いつでも取引ができるが、株は平日9〜11時半と12時半〜15時の間に限られる。

(4) FXは必要な最低資金は数千円と少額で可能だが、株は数万円から。

(5) FXはスワップポイントが毎営業日もらえるが、株は配当や優待は年1〜2回程度で、配当や優待はなくなることがある。

(6) FXは手数料が圧倒的に低い。株はネット証券であれば売買手数料は安いが、FXには劣る。

(7) FXはレバレッジ25倍まで可能なので、多く利益を得られる可能性がある。株は信用取引を行った場合は最大3.3倍

(8) 為替(FX)は株よりもトレンドが出やすく長期間継続されるので、自動売買がしやすい

(9) 世界の経済、政治、金融に詳しくなれる

FXで大損する人の特徴

ここからはFXで大損する人の特徴と対処法に言及していきます。

FXで大損する人の代表的な特徴と対処法

(1) 高いレバレッジで大きな取引を頻繁にしている

FXは最大で25倍のレバレッジをかけることができるのが魅力ですが、利益が25倍になる反面、損失も25倍に。FXには強制ロスカットというものがあり、資金に対して含み損が多くなると自動で決済されてしまいます。レバレッジを高くしすぎるとちょっとした値動きで強制ロスカットになりますので、低いレバレッジで取引するようにしましょう。

(2) 変動が激しいマイナーな通貨ペアを取引している

南アフリカランドやトルコリラなどのマイナー通貨は、スワップポイントが高いので非常に魅力がありますが、限られた市場で取引されており、取引量や市場参加者も少ないため、世界的な不景気、政情不安、紛争などが起こった時に大きく変動します。情報もあまり取得できないというデメリットもありますので、なるべくマイナー通貨は避け、取引量の多いメジャー通貨を選びましょう。

(3) 損切りができず、「塩漬け」にしている

FXで負けている人の多くは、「塩漬け」をしてしまった結果、多額の含み損を抱えている場合が多いです。塩漬けとは、含み損が発生したポジションを決済せずに保有し続けることです。株でも同じですね。

人間は損すること非常に嫌う生き物であり、心理的に損切りしたくないとなってしまいますが、失敗したと思ったら、早めに損切りすることが結果的に損失を抑えることになります。

塩漬けの大きな問題は、損失が膨らんでいる分、必要証拠金が拡大し、新規のトレードが不能になることです。せっかく儲けることができるチャンスが来ても、エントリーできないという機会コストも発生します。しっかりと損切りを行い、トータルでプラスを目指しましょう。

(4) 証拠金に余裕を持たずに取引している

資金に対して含み損が多くなると自動で決済されてしまう「強制ロスカット」の話をしましたが、例えレバレッジが低くても証拠金が少ないと強制ロスカットされる可能性が高くなります。証拠金に余裕を持たせ、ローレバレッジで取引をするようにしましょう。

(5) 買いと売りのポジション(両建て)を同時に持つ

買いポジションと売りポジションを同時に持つことを「両建て」と呼びます。中長期取引で相場が大きく変動し始めた時に、為替損益をゼロにする狙いで両建てを行うトレーダーもいますが、スプレッドやスワップポイントを踏まえるとトータルでマイナスにしかなりません。

もちろん、買いと売りの決済タイミングをずらせば、利益が得られる可能性がありますが、初心者にとってはかなり難しいテクニックと言えます。素直に損切りを行い、次のトレードに備えましょう。

【頼藤太希のFX基礎講座:全6回】
第1回:FXの基本のき
第2回:FXの3大特徴
第3回:FXを株や外貨預金と徹底比較 (今回)
第4回:初心者のためのFX投資法
第5回:テクニカルとファンダメンタル分析 
第6回:いざ実践、会社選びから口座開設まで【関連コラム】
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