いま注目の仮想通貨とは?
「仮想」通貨と言っているのは、実体がないということです。例えば円などの法定通貨であれば紙幣や硬貨など、その価値を示す実体がありますが、仮想通貨の場合は、インターネット上のデータ(暗号)によりその価値を示すことになります。そもそも法定通貨も仮想通貨と同様に、紙幣や硬貨そのものには額面ほどの価値はなく、国の信用の裏付けや、世界で取引が行われているという事実が信用力を担保しているわけです。仮想通貨が安全かどうかはその信用の裏付けがなされるかが重要なわけですが、法定通貨と同様に仮想通貨の取引量が拡大し多くの人が取引をすることにより、仮想通貨への信用力は増していくことになります。
また、仮想通貨は暗号で価値を示すと書きましたが、ブロックチェーンという技術を使ってその安全性も担保しています。
仮想通貨でできる経済活動
仮想通貨では、以下のようなことができます。
投資
仮想通貨ではその価格変動に目を付け、値上がり益を享受することができます。要するに安いときに仮想通貨を買って高いときに売ることで利益を得ることができるのです。
決済
お店で買い物をしたり、食事をしたりしたときの支払いは、現金、クレジットカード、電子マネーなどで支払うことになるわけですが、一部のお店ではこれらの支払い手段の他にビットコインを使って支払いをすることができます。
送金
遠くにいる他人に仮想通貨を送ることができます。ビットコインを受け取った相手が現金に換えることにより、海外でも手間をかけずに送金することができるのです。
寄付や投資
その他仮想通貨を使って寄付や投資クラウドファンディングを行うこともできます。
ビットコインの値動き
ここ5年のビットコインの値動きを見ますと、2013年の末からマウントゴックスの事件があり、大きく価格が下落したものの、その後再び上昇に転じこの2年ほどは、右肩上がりとなっています(図1)。

図1:過去5年間のビットコイン価格
そして、ビットコインが史上最高値となっているわけですが、これは、最近のビットコイン市場の取引の多くが中国人によってされているためだと言われています。中国の人民元の為替レートは、2015年の人民元の切り下げをきっかけにドル高・人民元安の動きを続けています。その流れの中で、人民元からの逃避としてビットコインが活用されており、元が売られ元安となる一方、ビットコインが買われビットコインの価格が上昇しています。(図2)

図2:人民元とビットコイン
ところが、1月5日に最高値を更新した直後、ビットコインの価格は、一時20%急落しました。これは、中国政府による人民元買いの介入があり、米ドル/人民元が急速に元高となったためと見られています。この動きを見ても、やはり短期的にはビットコインの値動きは人民元と逆相関の動きをしていることが分かります。
しかし、長いスパンで見るとビットコインの価格は取引量・流通量の拡大とともに上昇していることも見逃せません。(図3)当然のことながら、多くの人が取引することにより、ビットコインの需要が高まり、価格が上がっており、今後も価格の上昇が続いていくことが予想されます。

図3:ビットコインの価格と取引量
まとめ
ビットコインの値動きは短期的には中国経済の見通しが不透明なため人民元の動向などに大きく左右されることが予想されますが、世界的に取引量が拡大していくことで、中国の相対的な影響力は薄まり、ビットコイン価格の安定的な上昇が期待できます。新しい投資先の一つとしてビットコインを選択肢に入れることも有効と言えるのではないでしょうか。