Topページ > 納税 > (上級編)確定申告で賢く節税!サラリーマンもできる所得控除を見逃すな
更新日:2017年2月5日

サラリーマンでもできる節税方法、今回紹介するのは上級編です。投資の損益、贈与については大きな金額が関わってきますので、覚えておいたほうがよいでしょう。

確定申告(2017年は2月16日~3月15日まで)とは昨年1年間の収入に対しての税額を計算し税務署に申告することを言います。
多くのサラリーマンは、この申告作業は年末調整という形で会社がしてくれますので、確定申告の経験がない人も多いかもしれませんね。しかし、そんなサラリーマンも確定申告をすることで得をする場合を紹介します。

昨年の「投資の損」は確定申告しておきましょう!

「嫌なことを思い出せやがって!」と思われた方、ごめんなさい。

もし、昨年、投資で損失が出ている場合には、確定申告をすることで、その損失を使って税金の還付を受け、使い切れなかった分は翌年以降最長3年間の運用益に対して繰り越して使うことができます。この制度を「上場株式等の譲渡損失に係る損益通算及び繰越控除」と言います。

少し例題を示しておきましょう。取引口座は、いずれも源泉徴収ありの特定口座を選択しているとします。例えば、昨年、株式または投資信託の売却により100万円の損失が出ていたとします。当然、この売却に対して税金はかかりません。

一方、株式、投資信託から配当金や分配金を10万円受け取っていたとします。この10万円には20.315%(復興特別所得税含む)が課税されますので20,315円源泉徴収されることになります。

例題の譲渡損100万円と配当金・分配金10万円受取が同一口座内で発生している場合には、手続きなしに10万円の利益を100万円の損失で「相殺」(注:損益通算という)されます。よって確定申告不要で、20,315円の税金を取り戻すことができます。

では、複数の証券会社と取引があり、譲渡損と配当金等の受取口座が異なる場合にはどうでしょうか?確定申告で損益通算手続きをすることにより還付を受けることができます。

今回の例題では、差引き90万円の損失が使い切れずに残っています。この使い残し分は確定申告をすることで、翌年以降3年間繰り越して使うことができます。もし、翌年に、この90万円の損失を使い切れなかった場合には、再び確定申告をして繰り越すための申告が必要になりますのでご注意ください。

またNISA口座での投資損については、通常の証券口座の利益と合算した控除ができません。ですので、NISAで損した分を通常口座の利益から差し引くことができない、ということは覚えておくべきことでしょう。

贈与の際にも受けられる控除とは?

贈与税は1月1日から12月31日の1年間にもらった財産が110万円を超えると係る税金です。申告期間は毎年2月1日から3月15日までです。昨年1年間、親子間、夫婦間での財産の移動、つまり贈与はありましたか?

以下、一定の親族間の贈与について贈与税がかからない制度を紹介します。ご紹介する制度は適用され税額がゼロになる場合でも申告しなければいけません。万が一、身内間のやりとりと思い油断して、申告を忘れる、または放置しておくと、納めなくてもよい税金を払うことになり、罰金まで加算されてしまいますのでご注意ください。

住宅取得資金の非課税制度

2021年12月31日(2019年6月30日 )までに住宅新築等の援助資金として贈与を受けた場合、一定の要件を満たすと非課税限度額までの金額について贈与税は課税されません。契約締結期間による一般住宅の非課税金額(カッコ内は省エネ等住宅の場合)は以下の通りとなります。

・平成28年1月1日~平成32年3月31日 700万円(1200万円)

・平成32年4月1日~平成33年3月31日 500万円(1000万円)

・平成33年4月1日~平成33年12月31日 300万円(800万円)

そして、特例を受けるための主な要件は以下の通りです。

・贈与者は贈与を受ける人(受贈者)の直系尊属(父母、祖父母等)であること

・受贈者の年齢は、贈与年の1月1日現在で20歳以上であること

・受贈者の合計所得金額が2000万円以下であること

・贈与を受けた年の翌年3月15日までに取得する家屋に居住すること

・床面積が50㎡~240㎡以下であること

相続時精算課税制度

こちらは、前述の「住宅取得資金の非課税制度」と併用できる制度です。住宅取得資金にも使える制度ですが、住宅資金以外に110万円以上の贈与を受けた場合には相続時精算課税制度が選択肢に入ります。相続時精算課税制度は2500万円の非課税枠があり、非課税限度額まで複数年に渡り利用できます。また、この制度は贈与者が60歳以上の父母、祖父母という制限がありますが、「住宅取得等の資金の贈与」については60歳未満でも可となっています。だた、この制度には注意点があります。非課税限度額まで贈与税は非課税となるのですが、名前の通り、贈与者の相続発生時に贈与額を相続財産に戻し再計算をすることになっています。将来、相続税は払わなくてもよさそうだという方には、利用価値のある制度だと言えるでしょう。

配偶者控除の特例

こちらは、夫婦間で、居住用不動産購入資金のための贈与に対して基礎控除110万円のほかに最高2000万円まで贈与税をかけない特例です。

例えば、旦那様から奥様への名義変更も特例の対象となります。仮に、この特例を使わずに2000万円の贈与をした場合には約700万円の税金がかかりますので贈与申告を忘れないでください。(注:贈与税額は基礎控除110万円を考慮し、(2000万円-110万円)×50%-250万円で計算) 利用要件には、婚姻期間が20年以上の配偶者からの贈与であること、1人の贈与者につき1回限りという制限はありますが見逃せない特例です。

まとめ

サラリーマンの確定申告というと、医療費控除や住宅ローン控除などがメジャーですが、今回は、上級編としてまとめてみました。確定申告というと受付は税務署になりますが、意外となんて言うと失礼かもしれませんが、かなり親切に対応してもらえる印象を持っています。この制度って使えるのかなと少しでも頭をよぎったら遠慮なく税務署へ問い合わせてみてください。親切、丁寧に対応してくれると思いますよ。

〜節税について知ろう、関連リンク〜
(中級編)スーツ代も経費に!サラリーマンもできる所得控除を見逃すな
(基礎編)確定申告で賢く節税!サラリーマンもできる所得控除を見逃すな