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3人家族、「ふるさと納税」活用シミュレーション
マイホーム購入を検討中のAさんは、共働きのメリットを活かして家計を見直したいと考えています。Aさんが「ふるさと納税」をすると家計はどうなるでしょうか。
【公務員 Aさんのプロフィール】
- Aさん 40歳 公務員 年収500万円
- 妻 38歳 会社員 年収400万円
- 長男 8歳 小学生
- 貯蓄額 800万円
- 基本生活費 30万円
1.ふるさと納税活用前の税金を確認しよう
Aさんは共働きなので夫婦2人の現在の所得税と住民税を確認します。
【Aさんの課税金額】
年収500万円-{154万円(給与所得控除)+75万円(社会保険料控除)+38万円(基礎控除)}=233万円(課税所得金額)
233万円(課税所得金額) × 10%(税率)-9万7500円(控除額)=(所得税)13万5500円
住民税は基礎控除が33万円なので、課税所得金額が変わります。細かい計算はここでは省略し、住民税は24万円とします。
【妻】
年収400万円-{134万円(給与所得控除)+56.9万円(社会保険料控除)+38万円(基礎控除)}=171.1万円(課税所得金額)
171.1万円(課税所得金額)×5%(税率)=(所得税)8万5,550円
住民税は17.9万円とします。
【ふるさと納税 活用前】
Aさん | 妻 | |
所得税 | 13.5万円 | 8.5万円 |
住民税 | 24万円 | 17.9万円 |
ステップ2.ふるさと納税チャレンジ
Aさん夫婦は2人とも税金を納めていますので、夫婦それぞれ「ふるさと納税」にチャレンジすることにしました。Aさん4万円、妻2万5000円の「ふるさと納税」をすることにします。Aさんは焼酎が大好きなので、【1月限定】徳之島黒糖焼酎20本セット4万円に決めました。妻は、大隅産うなぎ蒲焼き特大6本セット2万5000円に決めました。
ステップ3.活用後の課税金額を確認しよう
「ふるさと納税」を利用すると寄附額から2000円を引いた額が翌年の税金から控除されます。サラリーマンの場合、確定申告不要で控除が受けられる「ワンストップ特例制度」※が2015年からはじまりました。
ワンストップ特例制度とは
- 確定申告不要なサラリーマン
- 1年間の寄附先が5自治体以下
上記2点を満たす方は、確定申告不要で翌年の住民税から控除が受けられます。
Aさん夫婦はともにサラリーマンなので、この制度を利用することができます。Aさん夫婦の場合、翌年の住民税からAさん38,000円、妻23,000円が引かれ、合計6,1000円の住民税が安くなりました。
Aさん | 妻 | |
所得税 | 13.5万円 | 8.5万円 |
住民税 | 20.2万円 (-3.8万円) | 15.6万円(-2.3万円) |
「ふるさと納税」活用シミュレーションの結果、なんと「ふるさと納税」を利用すれば、従来払う予定の税金分で、焼酎とうなぎ蒲焼きをもらえることになります。何もしなければ、ただ支払っていた税金を自分たちのために有効活用したということです。
キャンペーンやクレジットでさらにお得に
自治体の中には、季節やその月によってキャンペーンを実施しているところがあります。全国各地の魅力的な自治体の中から寄附先を決める際、キャンペーン中の自治体を選ぶと、還元率(寄付金額に対する御礼品の金額の比率)が高いためよりお得です。また、寄附金をクレジットカードで支払いできる自治体の場合、節税効果とあわせてクレジットカードのポイントも貯められるので、一石二鳥です。
ふるさと納税による課税控除の上限金額は要注意
寄附額から2000円を差し引いた全額が税金(「ワンストップ特例制度」利用の場合は、住民税のみ)から控除されるお得な「ふるさと納税」ですが、控除される寄附額には、年収や家族構成に応じて上限が定められています。
Aさん夫婦の上限額を、サイトを利用して計算してみました。
ふるさと納税サイト「さとふる」の簡単シミュレーションを利用すると、以下の通り。
Aさん 60,000円
妻 42,000円
「ふるさとチョイス」の簡易シミュレーションを利用すると、以下の通り。
Aさん 40,000円
妻 25,000円
また、わが街計算シミュレーションを利用すると、このように計算されてでてきます。
Aさん 60,000円
妻 24,000円
このように、寄附額の上限額は、サイトによってもバラツキがあり、その他住宅ローン控除や医療費控除を受けている場合にもかわってきますので、サイト内でのシミュレーションはあくまで目安として、少し低めの額で「ふるさと納税」を利用することをおすすめします。詳しいご自身の上限額を知りたい場合は、お住まいの市区町村窓口へお尋ねください。