Topページ > 納税 > 今ふるさと納税が支持されてる理由とは、税制面から紐解いて解説
更新日:2017年1月16日

みなさん、ふるさと納税をしたことがありますか?まだしたことがない人はきっと、「興味はあるけれどよく理解できていない」からではないでしょうか。昨年度からふるさと納税をする人が、急激に増えています。2015年度の実績は、ふるさと納税受入額が対前年度比約4.3倍、受入件数は約3.8倍(2016年6月14日自治税務局市町村税課発表)にもなっているのです。今回は、このふるさと納税の人気の理由を探ってみました。

納税金額の推移からみた人気の理由

2008年度から始まった「ふるさと納税制度」、始まった2008年度の受入総額から見ると、年々増加して当初81億円だったものが、2014年度には388.5億円となり、2015年度は1652.9億円にまで急増しました。

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自治税務局市町村税課発行「ふるさと納税に関する現況調査結果より(PDF)

この急増について考えられる増加の理由は主に二点あり、一つは郷土の名産を自宅に送ってもらえる「返礼品」の魅力度アップと、もう一つは2015年4月から始まった「ワンストップ特例制度」の創設にあります。

ふるさと納税は「寄付金控除」の対象となるため、税金の還付を受けることができますが、還付を受けるためには確定申告をする必要があります。しかし、サラリーマンの申告は年末調整で終わる人がほとんどのため、ふるさと納税をすると、還付を受けるためにわざわざ確定申告をしなければならないという手間がかかりました。それが、ワンストップ特例制度ができたことによって、住民税からのみの税額控除となったので、確定申告をする必要がなくなり、サラリーマンにとってはふるさと納税がより身近になりました。

税制メリットと返礼品

ふるさと納税には大きくふたつの魅力があります。ひとつは税金の還付を受けることができるというもの。もうひとつは、納税をした自治体から送られる返礼品です。まず税金についてですが、ふるさと納税をすると所得税の還付と、住民税の税額控除を受けることができます。

通常の減税額の計算は、

(ふるさと納税額 ― 2000円) × 所得税率 = 所得税額軽減分 ①

(ふるさと納税額 ― 2000円) × 住民税率10% = 住民税所得割税額控除 ②

ふるさと納税額 - 2000円 - ① - ② = ふるさと納税特例住民税所得割税額控除 ③

一方、ワンストップ特例を選んだ場合は、住民税からの控除のみになります。

(ふるさと納税額 - 2000円) = ふるさと納税特例住民税所得割税額控除

(但し、ふるさと納税特例で控除される住民税の額は、所得割額の20%まで)

制度利用の有無で控除される税金の種類は変わりますが、控除の金額はどちらを選んだとしても、上限さえ超えなければ、2000円を超えた部分のふるさと納税額は全額税金から引かれるのです。

そしてもうひとつの魅力である返礼品ですが、前出の調査結果によると、各地方が送付している返礼品は、地元の「農産物・米・畜産品・伝統工芸品・水産物」が多く、感謝状や公共施設利用券やイベント招待などが続いています。また、ふるさと納税サイト「さとふる」の2016年人気返礼品ランキングでは、第1位北海道近海産毛ガニ、第2位牛の里ビーフハンバーグ詰合せ、第3位佐賀牛切り落としなど、地元名産の高級食料品が上位を占めています。

普段目にする機会の少ない食材を購入して、家族で楽しもうという方が多いことが良くわかりますね。また、家電製品やバイクなどの製造工場のある自治体では、製品を返礼品としているところがあり、その他おそうじ代行などのサービスを返礼品としている自治体もあります。インターネットで「ふるさと納税 ほしい品物」で検索してみると、多くの自治体が返礼品に工夫を凝らしているのがよくわかります。

 ふるさと納税シミュレーション

ふるさと納税で減税される額は、所得税額プラス住民税の所得割額の20%が上限となっています。

それを踏まえてシミュレーションしてみましょう。

【ふるさと納税活用例】(金額はすべて概算となります)

45歳男性サラリーマン 趣味は家族旅行

年収600万円

専業主婦の妻と小学生の子ども2人

住宅ローン控除なし

 

ふるさと納税しない場合

所得税約17万円 + 住民税約27万円 合計44万円納税

ふるさと納税5.2万円で高級和牛を返礼品として受取った場合

ワンストップ特例制度使用

所得税約17万円 + 住民税約22万円 = 39万円

所得税&住民税 39万円 + ふるさと納税5.2万円 = 合計44.2万円納税

2000円の自己負担で、返礼品のお肉を家族みんなですき焼きにして堪能できました!

ふるさと納税10.2万円でデジカメを返礼品として受け取った場合

所得税17万円 + 住民税約21万円 = 38万円

(住民税は、ふるさと納税額を増やしたため、住民税計算上の所得が5.2万円の時と比べて減るので、約1万円減税となります。)

38万円 + ふるさと納税10.2万円 = 合計48.2万円納税

4.2万円の自己負担はありますが、返礼品を趣味の旅行で活用することができますね。また少し複雑ですが、上記の場合ふるさと納税による減税額が住民税計算上の所得割の20%を超えているため、ワンストップ特例を使わずに確定申告をすると、所得税からの減額も受けることができるので、約9000円自己負担額は軽減されます。

 まとめ

ふるさと納税制度は、実質2000円の負担で返礼品を受けることができるという、大変お得な制度といえます。けれどもその減額された分の税金は、国や住所地の自治体の税収入が減っているということでもあります。ふるさとや地方を応援するという本来の目的を押さえながら、地方の名産や名品を堪能し、またはその地方のサービスを受けて、ふるさと納税先の自治体をより身近に感じるようにしたいものです。

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