Topページ > 年金 > 入る前に知ろう、確定拠出年金(iDeCo)の落とし穴
公開日:2017年3月8日

個人型確定拠出年金は愛称を「iDeCo」といい、2017年1月から加入対象が拡大して、公務員や専業主婦も加入できるようになり、ほぼすべての方ができるようになりました。そのため、マスコミに大きく取り上げられ、金融機関からの勧誘もヒートアップしています。
このiDeCoは老後資金を貯めることが目的の制度ですが、NISAなど他の制度と違う点は、拠出中も税の軽減メリットを受けることができる点です。所得税率の高い人なら、より大きな節税効果を得ることができます。
老後資金を貯めるという目的達成のためには、大変有利な方法といえますが、良い点ばかりではありません。いくつかの落とし穴があります。今回は、iDeCoに加入する前に知っておくべき注意点をお話しします。

受取りが60歳以上に限定される

あくまでもiDeCo加入の目的は、「老後資金」を確保することでなければなりません。なぜなら、基本的に60歳以降にしか資金が自分の手元に入ってこないからです。もしiDeCoを始めた年齢が50歳以上なら、60歳になっても受け取れないことになっています。

加入期間 受給開始年齢
10年以上 60歳
8年以上10年未満 61歳
6年以上8年未満 62歳
4年以上6年未満 63歳
2年以上4年未満 64歳
1ヶ月以上2年未満 65歳

つまり、子どもの進学費用や家を買うときの頭金、また突発的にお金が必要になったときであっても、iDeCoにある資金を使うことができないということです。けれども逆に、「確実に老後資金を貯めることができる」ということになりますね。

口座管理手数料がかかる

iDeCoはNISAとは異なり、加入申し込みをした時点から、掛金の払込みが始まります。そこで注意しなければならないのが、ランニングコストである「口座管理手数料」です。これに加えて、投資信託を選択すると、毎日資金残高から「信託報酬手数料」が差し引かれます。iDeCoはひとつの金融機関しか利用できません。金融機関の変更は簡単ではないので、最初の金融機関選びが大変重要となります。

ふるさと納税、住宅ローン控除がある場合は..

iDeCoの掛金は全額「小規模企業共済等控除」という「所得控除」となり、その年の所得が掛金分減額されて、所得税と住民税が軽減することとなります。しかし、同じく税の軽減効果のある「ふるさと納税」や「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」の制度を使っている人は、その効果が薄れる可能性があります。

税の計算において控除の順序は、以下の通りとなります。

収入 - 所得控除 = 課税所得

課税所得 × 税率 - 控除額 = 税額

税額 - 税額控除 = 納税額

そしてiDeCoは「所得」控除です。掛金の年間分全額が対象となります。 ふるさと納税は少し複雑で、所得税においては「所得」控除、所得税のみで控除しきれない場合は、住民税計算上で「所得」控除されて、それでも控除しきれないと「税額」控除となります。ただ、確定申告をする必要のないサラリーマンが、「ワンストップ特例制度」を使うと、全額住民税の「税額」控除となります。それぞれ、ふるさと納税額から2000円を引いた金額が対象となります。

住宅ローン減税は所得税の「税額」控除ですが、控除しきれない場合は住民税からも「税額」控除を受けることができます。対象の額は、年末の借入残高から控除率を掛けた額となりますが、借り入れた年によって、住民税税額控除の上限額に違いがあるので、自分のケースではいくらになるかを、知っておきましょう。 具体的な税の控除額を知るには、先ほどの計算順序が重要となります。

所得控除がされた後に税額控除されることを理解しておいてください。さらに、住民税については翌年支払う税金の額からの控除となる点も把握しておく必要があります。控除額が余っても、翌年以降に繰り越されることはありません。しかし重要なのは各制度を利用する目的です。その目的を踏まえた上で、iDeCoを賢く利用していきたいものです。

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