Topページ > 年金 > 実は違う、確定拠出年金(iDeCo)業種別での金融機関の特長とは
更新日:2017年2月10日

DC元年と呼ばれる今年2017年は、筆者を含むファイナンシャル・プランナー(FP)業者にとっても、改めてDC(確定拠出年金)の仕組みを顧客に説明する為に、自らが確認を行ういい機会です。DCに限らず、FP同士でどこの金融機関に口座をもっているか、どんな商品を持っているかなど、意外と話す事は少なくそれは顧客と同じで「ひとそれぞれ」。性格や考え方、仕事上のしがらみもあり、統一性は無い様に感じます。プロでもばらつきのある保有口座、DC(確定拠出年金)の各金融機関の特徴や傾向を、整理してみましょう。

3つの金融機関 証券・銀行・保険

DC口座は大きく分けて、証券会社・保険会社・銀行の3つの金融機関に分類されます。皆さんはどこでも口座を開くことができますが、DC口座として有する事ができるのは1つなので、「DC専用口座」としてどこの金融機関を選択するかは、重要なポイントになります。途中で口座の変更は可能ですが、移換手続などの手間や、移管手数料がかかりますので、やはり最初に新設する際の見極めが重要です。

証券会社の特徴 大手証券・ネット証券

おなじ証券会社の分類でも、店頭証券とネット証券では、口座を開く顧客の目的や思考は、大きく異なるように感じます。昔からある店頭型販売型の野村證券・大和証券など大手証券会社をメインバンクとする人は、50代後半から80代と比較的年齢層が高く、「バブル経験者」世代がほとんどだと筆者は感じます。大手ならではのブランドは、やはり安心感があるのでしょう。DC商品のラインナップを見てみると、面白いほど「系列運用会社」の商品が並びます。例えば野村證券なら、個人型確定拠出年金商品で、全19商品中、なんと16商品が「野村アセットマネジメント」の商品です。(2017年2月現在) もともとDCは、金融機関からすれば「利益の極めて薄い」商売ですので、同社に限らず、兄弟会社の商品を半ば強制的に「選択してもらう」ようにピックアップするのは、当然のことと言えます。決してその商品の良し悪しを言っているのではありません。ただ面白いぐらい「偏った商品構成」だな、と感じます。

さて、その真反対とも言えるのが、インターネットを中心とする取引のネット証券です。最大手のSBI証券や、楽天証券などがありますね。ネット証券は、20代から30代を中心とした年齢層と、デイトレードなど行う40代50代の人がメイン口座としているでしょう。ネット証券は系列の運用会社を有している場合でも、他の運用会社の商品ラインナップを多く揃えている点が、最も良いポイントです。

昨今、問題視されている「フィデューシャリー・デューティー(顧客に忠実に説明する義務や、利益相反防止義務など、金融機関がみなさんに対して、忠実に業務を行う事柄です)」を考えると、証券会社だけをクローズアップしなくても、多種公平に選択肢を持ちたいと思うのは、当然の事でしょう。

証券会社の良いところは、店頭・ネット共に、一部の銀行のネット支店を除き、他の2つの金融機関より「毎月の運用手数料」が、低めに設定されているところです。DC口座を自社で開設してもらう事で、投資に興味を持ってもらい、株式取引などの本業で利益回収を図っているのかもしれません。何にせよ、顧客にとって手数料が安いのは、良い事です。

銀行の特徴 メガバンク・地方銀行・ネット支店

最近は銀行もDCへの参入に力を入れています。

もっとも、確定拠出年金の商品構成では、必ず「元本保障型商品」」を組み入れなければなりません。その商品は「定期預金」もしくは「年金保険」ですので、証券会社と比較しても、商品構成中で元本確保型を2種類以上揃えている特徴があります。多くの人にとって、もっとも身近な金融機関である「銀行」。そもそも我が国において「決算口座」として認められているのは銀行だけですので、わざわざ証券会社や保険会社で口座を開いて、さらに毎月の引落銀行口座を設定して…となると、煩わしさから、銀行でDC、という選択も考えられるでしょう。

ただし銀行は、証券会社同様に商品のラインナップ数に大きく差が出ます。最もおススメはスルガ銀行。東海地方以外の人には耳慣れない地方銀行ですが、インターネット支店で簡単に口座を開く事が出来ます。ネット支店に力をいれている地方銀行は、メガバンクに比べて手数料が安かったり、商品構成数が多かったり、DCにおススメできるところはあります。

DC口座は、毎月の給与口座や生活口座のように、近くに支店やATMが設置されている必要はありません。自身の口座残高や運用成績は、インターネットで確認できれば全国どこの金融機関でも、全く問題ないのですから、「最寄りの銀行」という概念は、よほどの地元愛があれば別ですが取り払って下さいね。

保険会社 生命保険・損害保険

保険会社は「生・損(セイ・ソン)」と言うように、生命保険会社と損害保険会社に分けられます。本業の保険では、現場の感覚は同じ保険業務でも、全く別業界のような感覚さえ感じるものです。しかし確定拠出年金分野では、その垣根を感じることはあまり無く、そのほとんどは企業型DC分野より前の企業年金分野で、「元本保障型」の代名詞「個人年金」で、安定的に収益を挙げて来ました。大手の企業型DCは生命保険会社が、中堅以下の企業型DCは損害保険会社が幹事会社となって、運用のとりまとめをしているのが実際の構造です。個人型DCには、今年から力を始めたな、という感じです。とはいえ、最大手の日本生命(生保)、東京海上日動火災(損保)を含め、個人型DCに参入している保険会社は9社のみ。証券会社の5社よりは多いものの、参画している会社は国内社だけですので、外資系の多い証券・保険分野では、以外に少なく感じるのですね。

一方、驚いたのはソニー生命。なんと商品ラインナップに、自社商品が含まれていないのです。昨年5月に、確定型個人年金の取扱いを止めた同社は、現在年金は変額年金の扱いのみ。ですから、「元本保証型」ではない為に、ラインナップに入れる事ができないのですね。運用率の低い、今の時代の象徴とも言えます。

いかがでしょうか。新規で口座開設をする際は、普段良く使っている口座とは別に、「DC専用口座」をつくるのです。口座手数料と商品ラインナップ、そして継続的に投資教育や情報を収集しやすい環境が大切です。基本的には60歳までお付き合いする口座ですので、しっかりと見極めて下さいね。

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