Topページ > ローン > 住宅ローンが払えなくなったらどうする?正しい対処法はこれだ
更新日:2017年3月14日

不動産価格がまだまだ高騰中の都心、地下鉄車内は、新築マンションや広大な分譲住宅街の広告で溢れています。
住宅ローンの金利低下が拍車を掛けている昨今ですが、もし支払いが出来なくなった場合のことを、考えたことはありますか?

6ヶ月延滞が続けば、融資先の金融機関からは捨てられる

住宅ローンの返済が滞ると、まず借りている金融機関から督促状が届きます。「毎月のローン返済額が支払われていないので、支払ってください」というものです。ついうっかり、口座の残高不足である場合も考えられますから、その場合はなるべく早く金融機関に連絡をし、指定の口座に振込むなどの、対処をしましょう。

1日でも遅れれば、延滞ですが、この時点で返済履歴に傷がつく、なんてことは考えにくいでしょう。しかし、ついうっかりも3ヶ月続けば、これは確実に「滞納」です。信用情報機関に、その延滞履歴はしっかりと記録されます。「競売予告通知」が送られてくる金融機関もありますが、この状態を続けていけば、やがては自宅が「競売」に掛けられてしまいます。通常、住宅ローンの契約時には、利益喪失条項として、3ヶ月~6ヶ月(契約によって異なる)返済を滞納すると、「期限の利益喪失」となる旨が記載されています。この「期限の利益喪失」とは、「住宅ローン残高を、一括返済してもらいますよ」という事です。

債権者である金融機関にとっては、約束を守れない債務者の返済を、いつまでも待つわけにいきません。20年や30年以上に分割して支払う、という債務者の利益は、失われるという意味、イコール「一括返済」ですね。その少し後に「代位弁済(だいいべんさい)予告通知」が届き、これは債権者が金融機関から保証会社へ移行することを意味しますので、「今後は保証会社が、ローンの回収をする」ことになります。債務者にとっては、住宅ローンの返済義務と、延滞料の支払い先が変わっただけで、なんら状況がかわった様に思われないかもしれませんが、今後その金融機関とは、取引ができないことを意味します。とてもキツい言い方ですが、人間関係で言えば「絶交」「捨てられた」わけですね。

早急に金融機関に相談する、解決策を探す

淡々とお話しましたが、ここまでに何かしら打つ手は無いのでしょうか。

住宅購入時は、胸いっぱいに輝いていたライフプランも、全てが順調に予定通りに行く人ばかりではありません。勤務先の破綻やリストラ、自身や家族が大きな事故や大病にかかり、収入が減った上で治療費がかかる等、誰の身にも起こりうることです。団信(団体信用生命保険)で解決できるのは、「死亡・高度障害・介護状態・三大疾病」でしょう。先の保険金支払い事故になれば、ローン返済は免除されます。

民間の銀行などでローンを組む際は、団信は強制加入ですが、フラット35(住宅金融支援機構)では任意加入の為、まれに未加入の方もいます。そのような団信未加入の方は、傾向として「保険に無頓着か、保険に必要性を感じない人」が多い為、がん保険や介護保険にも未加入の方が多いものです。

そんな時、抗がん剤で毎月10万円以上の支出に加え、仕事のパフォーマンスも以前のようにはいかずに収入が減ったとなると、キャッシュフローは一気に悪化します。そのしわ寄せが住宅ローン返済の延滞につながるのは、容易に想像できることです。また、勤務先の都合で減給や職を失うこと、これは保険でどうにもなりません。失業保険の給付期間も永年ではありませんし、給付金はローン以外の生活費で消化してしまうでしょう。

いずれの場合でも、何より最初に行うことは「融資元の金融機関に相談に行く」事です。前もって「約束どおりの返済が、できないかもしれない」という現状を説明し、毎月の返済額を下げてローンを組み直せないか、支払い総額が増加しても、月々のキャッシュフローの改善により、「延滞」という事態を防げるかもしれません。そして、一番大事な「信用」を失うことを最小限に抑えましょう。

ここで絶対にしてはいけないのが「ノンバンク等から借り入れをして、返済をする」ことです。住宅ローンほど金利の低い借金はありません。つまり、低金利の借金返済のために高金利の借金をしているわけで、やがてノンバンクの借り入れ上限額に達した時点で、家計はクラッシュしてしまいます。

ブラックリストは存在しない?

個人信用情報という名前どおり、融資を受けているのは「信用」があるからです。よく「ブラックリスト」という言葉を耳にしますが、実際にはそのようなリストは存在しません。

個人信用情報には大きく3種あり、「KSC(銀行系)、CIC(信販系)、JICC(ノンバンク系)」とあります。取引がある中で、正常に支払いが行われていない事由は「異動情報」として、各情報機関で共有されます。機関ごとに個人信用情報の記載方式が異なるのですが、「正常」以外のマークが並ぶと、一覧が全体的に黒く見えることから、一説では「ブラック」と呼ばれるようになった、とも言われています。(実際にはそんなに黒くは見えないのですが…。)

話を戻しますが、「後付」で、つまり相手が動く前に、自ら先に動く姿勢を見せることは、とても大事なことなのです。心象一つとっても、現場の担当者が「協力して働きかけてくれるか」どうか、違ってくるからです。

最終は、任意売却か競売

返済額の変更が思うように出来ない、利息だけの返済で一時的に猶予をしてもらっても、その後家計が改善しない、となると、「家を手放す」という結論に至るかもしれません。たとえ持ち家を手放すとしても「任意売却」か「競売」かでは、大きく異なります。任意売却は一般の不動産市場で売買が行われるので、市場価格とあまり変わらない金額で取引できます。任意売却をする際は、担保権の所有者である融資元の金融機関の承認が必要です。

ここまでの金融機関との関係性が、少なからずとも係わってきますので、前項で記載したとおり「前もって相談に行く姿勢」が、大事なのです。対して競売は入札方式の為、市場価格の7割以下で取引されることが一般的です。また売却までの期間は、競売はおよそ10ヶ月かかり、その間物件の公開などにより、ご近所に物件が競売に掛けられていることを悟られる可能性もあります。売却額よりもローンの残債が多い場合は、オーバーローンとなり、当然残りの返済義務が免除されるわけではありません。金融機関から債権回収業者(サービサー)へ残債権は移行しますので、それ以降は債券回収業者との交渉になります。

いかがでしょうか。約束どおりに事を運べない時でも、あわてずに順をもって出来ること、するべきことを確実にこなしていけば、少なくとも目の前の困難に目をつむる結果より、善処できるでしょう。

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