Topページ > ライフスタイル > 『ナニワ金融道』原作者 故青木雄二から教わったゼニの考え方
更新日:2017年2月25日

『ナニワ金融道』の著者青木雄二先生とはじめてお会いしたのは、1994年でした。
大阪にある先生の事務所に深夜0時、打ち合わせに伺ったのです。
どうして0時なのかというと、漫画の制作でアシスタントが帰った後の時間からだったのです。
そのときは、すこしお話しをしただけで、そのまま北新地のスナックへ、そこで青木先生はお気に入りの小林明のカラオケを歌われたと記憶しています。

ベストセラーになった『ゼニの人間学』

当時、私は小さな出版社で編集の仕事をしていました。ぜひ、青木先生に本の監修または、執筆をお願いができないか企画を立て、連絡先をなんとか調べあげて、お会いしに行ったというわけです。その時のお話しで「監修はあかんけど、書いてみよう」ということになったのです。「来年、連載中の漫画『ナニワ金融道』を半年休載するので、そうしたら、もう一度会いに来てや。」ということになりました。

2度目の訪問は、忘れもしません。1995年1月です。阪神淡路大震災の1週間後でした。そして次に、青木先生との打ち合わせで書き下ろしのエッセイを快諾していただきました。そうして出来上がった本が『ゼニの人間学』(KKロングセラーズ発行)です。これが30万部を超える売れ行きでベストセラーになり、大成功でした。青木先生に今でも心から感謝しています。

お金の道を教えたもらった

その本の制作途中やその後も、何度か、青木先生のお宅にお伺いしました。その度、「ながおはん、よう来たな!」とデカイ声で迎えていただきました。私にとって、青木先生との出会いは、初めてのベストセラーを出版できたというのもさることながら、それ以上に、お金の面白さを知るきっかけを与えていただいたことです。後に私がファイナンシャルプランナーの資格をとることにも、つながっています。

ドストエフスキーの『罪と罰』+マルクス『資本論』=『ナニワ金融道』

『ナニワ金融道』は、単なるサラ金の話ではありません。まして、帝国金融の灰原の物語でもないのです。青木先生がよくお話しをされていたのが、ドストエフスキーの『罪と罰』とマルクスの『資本論』についてです。実は、『ナニワ金融道』を書かれたのは、サラ金が流行っていたからではありません。先生は、ドストエフスキーの『罪と罰』とマルクスの『資本論』を漫画で紐解きたかったのです。

当時の私は、『罪と罰』は読んだことがありましたが、『資本論』は難解すぎて途中であきらめてしまった本でした。まだファイナンシャルプランナーの資格ももっていませんし、経済についてもぜんぜん関心がなかったので、正直、ピンときていなかったかもしれません。いまは、経済についても少しは勉強をして、また『資本論』も読み返して、青木先生の言っていたことがよく理解できるようになっています(ちょっと遅かったですが)。

お金がないと「愛」は買えないのか?

人間は、お金と関係を持たずに生きていくことはできません。人生には、いろんなことが起こります。その時、きれい事だけでは、すまされない場合も出てきます。「お金の裏なんかは知らなくてもいい」などと言う人もいますが、その人は、お金で損をしながら生きていくことになってしまうことになります。よく「愛」は、お金は買えないと言いますが、実は「愛」も、経済とは切っても切れない関係です。男性の22.1%、女性の13.4%が生涯未婚なのです(2015年、国立社会保障・人口問題研究所)。そして、2035年には、男性のおよそ3人に1人、女性の5人に1人が結婚しないという予測が出ています。未婚率の上昇の大きな要因は、若者の貧困があると考えられています。非正規社員で、所得が少なく、デートもできない、家庭も築けないということです。つまり、愛にだってある程度のお金は必要だということです。きれい事だけでは、「愛」は語れないと言うことは先生の漫画の中でも語られています。人は生きていくために、経済活動をし続けます。そのなかで、お金とうまく付き合える人とうまく付き合えない人がいます。

しかし、お金の知識がない人は、お金とうまく付き合うことができません。お金のことで、悩み、困惑し、狼狽し、疲労し、消耗して、騙されていくという道はだれでも歩みたくはありませんよね。たった一度の人生です。お金の正しい知識を身につけて、少しでも楽しくラクに生きていきたいですね。そのためには、お金のリテラシーを高めるしかありません。

ここで青木先生の言葉を『ゼニの人間学』の中から引用します。

「人間は、狼にもなれる、鬼にもなれる摩訶不思議でうさん臭い生き物である。そんな人間がつくり上げたこの資本主義の社会も。じつにうさん臭い。そこのところを、しっかり見極める眼をもって、生きていこうやないか」

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