見直したいパッケージ型
「パッケージ型保険」というのは通称で、販売商品にこういった名前が冠されているわけではありません。ここでは、主契約に様々な特約を付加できる保険、と認識してほしいと思います。
パッケージ型保険では主契約に対して多くの特約を付加することにより、複数のリスクに備えることが可能な保険のことです。1つの保険で複数のリスクカバーできるので管理もしやすいような気もしますが、まとまっているだけに必要以上の保障が付帯されていることも多いです。そのため、パッケージ型保険は見直し効果が出やすいとされています。
パッケージ型保険をスリム化するメリット
近年は、必要な保障を絞って保険に加入するのが主流で、過大な保険金額や無駄な保障は見直したいです。その点パッケージ型は、一度で幅広い保障を受けられますが、それに安心してしまい加入しっぱなしになる懸念があります。保険の種類ごとに最適の保険を探すのは、手間はかかりますがコストや機能面ではより良い保険に巡り合う確率が高いと考えられます。
そもそも、特約とは一定の事由を満たしたときのみ保険金が支払われるというものです。もしもの時には安心ですが、保障範囲が狭いため、最終的に支払われないまま契約が終わる確率も高く、最低限に抑えたいです。
保険の見直しの効果は
実際に、保障範囲によりどのくらい保険料が変わるのかを見てみましょう。
O:医療保険の場合
40歳男性が医療保険加入する際、特約の付加や、がん保険に追加で加入する場合、保険料はどの程度変わってくるのか見てみましょう。
【保障内容による料金比較】
保障対象 | 保障額 | |
スタンダードタイプ | ワイドタイプ | |
入金給付日額 | 5,000円 | 10,000円 |
先進医療特約 | なし | あり |
がん一時金特約 | なし | 100万円 |
重度三疾病一時金特約 | なし | 100万円 |
がん通院特約 | なし | あり |
保険料払込期間 | 65歳払済 | 65歳払済 |
支払う保険料 | 3,030円 | 14,421円 |
ワイドタイプは入院給付日額も増えていますが、大きな特徴はがんに対する特約を多く付加しているところです。特約を付加することで、同じ保険にもかかわらずスタンダード型に比べ4倍以上の保険料となっています。もしも医療保険にがん特約を付帯するのではなく、がん保険に別途加入するとどうなるのでしょう。
【がん保険】
保障内容 |
保障額 |
基本給付金額 | 10,000円 |
がん初回診断一時金 | 100万円 |
がん治療給付金 | 50万円 |
がん手術給付金 | 20万円 |
がん退院一時金 |
10万円 |
がん先進医療特約 | あり |
がん通院特約 | あり |
保険料払込期間 | 65歳払い済 |
保険料 | 6,016円 |
がん保険だけに、ワイドタイプに比べると、「がん手術給付金」や「がん退院一時金」なども充実しています。それでも、スタンダードプランと一緒に加入した場合、ワイドプランですべて賄うよりも保険料が抑えられます。(下図参照)
保険料 | |
【医療保険】スタンダードタイプのみ | 3,030円 |
【医療保険】ワイドタイプのみ | 14,421円 |
【医療保険】スタンダードタイプ+【がん保険】 | 9,046円 |
O社の例であり、必ずし保険料が安くなる、とここで断定はできません。ただ、特約で保障を増やすことは特約が主契約の影響を受けるという観点からも注意が必要です。実は、主契約が失効すると付帯する特約も一緒に消滅してしまうのです。生涯必要な保障が、主契約の失効とともに受けられなくなっては残念な結果に。まとめると、パッケージ型保険の問題点は以下の2点です。
- 内容が分かりにくい
- 保険料の妥当性も判断しにくい
内容が理解でき、保険料の妥当性も満足している方には問題ないですが、もしも不安があるならば見直しして、場合によっては別々の保険に入りなおすことも検討してみましょう。
まとめ
1つの保険に特約を付加すれば、契約時の手間は省けるかもしれません。しかし内容が理解しにくいとしたら、要注意です。年間で見れば決して安くない保険料、きちんと内容を理解して加入したいです。保障内容がよりライフスタイルにより適し、コスト面でもメリットがあるとしたら、家計にとってこれほどうれしいことはありません。興味のある人は、保険の見直しをしてみませんか?
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