Topページ > 保険 > タイプで理解する、個人年金保険の最新トレンドと今昔
公開日:2017年2月8日

長生きのリスクに備えて、年金保険を考えた時、「どんな年金保険が自分にふさわしいのか?」と迷うことがあるかもしれません。年金保険が広く金融機関(証券会社や銀行)で契約できるようになってからのトレンドと商品の特徴についてご紹介します。

年金保険の販売実績の推移

年金保険といった場合、現在は将来の資産形成を目的にした「個人年金保険」と「終身保険」両方を合わせた総称となっていますが、最初は金融業界における規制緩和の流れにより、2002年10月から個人年金保険が銀行で販売できるようになりました。一般的に「銀行窓販」が始まったといわれますが、当時の個人年金保険の種類としては「定額年金保険」と「変額個人年金保険」(以下、個人は省略)と呼ばれるもので、主に金利(定額)か、投資信託(変額)で運用されるものでした。

販売額としては約1兆3000億円規模からスタートし、当時の主力商品は好調なマーケットで運用した変額年金保険でした。その後、2005年に変額年金保険と高金利が魅力の外貨建定額年金保険中心に5兆円越えのピークを迎えました。そして、同年12月の規制緩和により、終身保険も銀行窓販で解禁となり、年金保険の種類が増えましたが、当初終身保険はそれほど注目されませんでした。しかし、日経平均等マーケットの下落傾向と共に変額年金保険の販売が下降し、年金保険(終身保険も合わせて)が2007年には4兆円を切ったあと、2008年の金融危機以降はリスク回避の志向からか円建定額年金保険、そしてより高い金利が設定される円建、外貨建終身保険が人気となり、2014年には6兆円まで販売額は回復しました。

商品の以前と今の違い

年金保険の販売実績は現在、5兆円から6兆円で推移しています。1700兆円相当といわれる日本人の金融資産規模から見るとまだまだ小さなマーケットですが、年金不安を抱える現役世代が老後の資産形成のために、また高齢者が上手に資産を遺すために、年金保険を利用するニーズはますます増えると思われます。そこで、年金保険の過去から今を分かりやすく理解するために、運用手法と保険期間を軸とした4つのタイプに分けてみましょう。

タイプA

変額年金保険」銀行窓販が始まった当時、一番普及したタイプです。投資信託で運用するため、マーケットが好調な時に合わせて誕生した商品です。現在はその運用部分が以前より工夫され、リスクコントロール型と呼ばれるマーケットの下げに強い運用手法が主流になっています。

タイプB

「定額年金保険」金利で運用します。円建商品は予定利率の引き下げやマイナス金利の影響で、現在利率がかなり低い水準となっています。

タイプC

「定額終身保険」期間の長い定期預金の金利が高いように(ゼロ金利の今はあまり変わりませんが)、円建・外貨建を問わず、終身という長い期間で運用する場合に金利は高く設定されています。定額の場合、現在では終身保険が主流となっています。

タイプD

「変額終身保険」一般的に変額年金保険と同様に投資信託で運用したあとに、定額終身保険に移行していくタイプです。定額終身保険に比べて、現在のところ商品数はあまり多くありません。

年金保険は各社A、B、C、Dに当てはまるタイプで商品を出しており、それぞれ一定の販売額がありますが、現在はその約7割以上が終身保険で占められています。さらにリスクをあまりとりたくないという傾向か、終身保険の中でも定額に根強い人気が続いており、商品数も充実しています。そして終身保険も円建てと外貨建てがあり、一時は円建終身保険が主流でしたが、円利率の低下により最近では外貨建終身保険がその人気を二分するほど台頭してきています。つまり、年金保険はここ15年ほどの中で変額から定額に、有期型から終身に、円建てから外貨建てにと運用マーケットに合わせてトレンドが変化しているといえるでしょう。

最新トレンドのメリット、デメリット

年金保険の中で、そのシェアが伸びてきた外貨建定額終身保険のメリットとデメリットはいかがでしょうか。まず最大のメリットとしては、「予定利率(金利)が高い」ということがあげられます。仮に1000万円を10年間0.001%で運用する場合と2%で運用する場合を比べると明らかでしょう。やはり運用期間が長くなればなるほど金利が資産を増やすうえで大きく影響してきます。デメリットとしては「為替に影響される」点でしょう。外貨の場合は円高時に円換算をした場合に、思ったより増えていない、場合によっては元金より減ってしまったという場合が考えられます。しかし、外貨としては金利で確実に増えていきますから、円貨から外貨に換えるタイミングさえ間違えなければ、つまりある程度長期間に渡って運用するのであればそれほど大きなデメリットとして心配しなくてもよいでしょう。

最後に

年金保険は「長生きのリスク」に備えるための有効な資産形成商品のひとつです。運用するマーケットやその時々の金融事情に合わせて、その商品性が変化し、選択できる種類が増えてきています。自分自身に合った最適な商品選びをするためには商品の特徴を理解することとともに、資金の運用期間、運用手法、将来の受け取り方などを具体的にイメージすることが大切です。