Topページ > 保険 > 負担は増大傾向。知っておくべき介護保険制度の仕組みと現役世代への影響
公開日:2017年1月26日

介護にかかわる人たちはもちろん、そうでない人もいつ介護が必要なるかわかりません。いざという時に必要な支援をすぐに受けられるようにしておきたいです。そのためにも、介護保険の制度をしっかり理解しておきたいです。公的介護制度は日々改正がありますが、2017年はどのようになっていくのでしょうか?近年における介護制度の動向をご紹介します。

介護保険制度とは?

公的介護保険制度とは、健康保険制度と同じようなシステムで、40歳になると誰もが保険料を納付することになる代わりに、介護にかかるサービス費用が支払額の1割(所得によっては2割)に抑えられるというものです。ただし、基本的に65歳以上の人の介護をサポートする仕組みであり、65歳以下の場合事故や怪我など、老化以外の原因で介護状態になった場合は介護保険の適用外となります。

受けられるサービスは?

医師や自治体の調査により介護認定がされると、訪問、通所、入所などのサービスが原則1割負担で利用できます。ただし、在宅介護サービスの利用には限度額があり、超過分は全額自己負担となります。そのほか、介護施設に入所した場合の食費や居住費は原則として本人負担です。

介護の負担は重くなる傾向

2016年には介護の負担が大きくなる改正が2つありました。

  • 所得による自己負担割合の引き上げ

それまで所得に関わらず一律1割負担だった介護サービス費の自己負担割合が、一定の所得を超える場合は2割負担になりました。2割負担になるボーダーラインは、単身で年金収入のみの場合ならば年収280万円となります。ただし、65歳以上が2人以上いる世帯ならば346万円までラインが上がります。年金以外の収入がある場合や、扶養者がいる場合など、収入や家族構成に応じて負担割合の境界線が異なるためその金額には注意が必要です。

  • 月々の負担額の上限区分の新設

介護サービス費の自己負担分には上限額があり、これを超えた場合は払い戻しを受けることができます。上限額は、「住民税の納税義務があるかどうか」という緩やかな区分でしたが、新たに「現役並み所得者」の区分が新設され、上限額が引き上げられました。

【介護サービス利用者負担の限度額】

区分 内容 負担の上限(月額)

1

現役並み所得者がいる世帯

44,400円(世帯)

2 2-1 世帯内に市区町村税を課税している人がいる世帯

37,200円(世帯)

2-2 2-1のうち、老齢福祉年金を受給している

24,600 円(世帯)

15,000 円(個人)

2-3 2-1のうち、前年の合計所得金額と公的年金等収入額の

合計が年間 80 万円以下など

3 生活保護世帯 15,000円(個人)

これらの改正は2016年の改正ですが、制度が開始されたのは8月でしたので、本格的に影響が出るのは2017年からと推測します。今後は所得のある人にはそれなりの負担を求める応能負担の考え方がより強くなることでしょう。

サービスを利用しなくとも負担はある

2つの改正により、所得がある個人や世帯では介護費用の負担が重くなりました。これらは将来的に介護保険制度を継続するための改正であり、現役世代にもその影響が押し寄せています。例え介護と縁がなくとも、介護保険料が増加しているのです。平成28年度の予算案では、介護保険の財源の最多を締めるのは第2号被保険者から徴収した保険料(全体の28%)となっています。

介護サービスが使いやすくなる改正も

「負担の増加」という面で介護保険の変化を見てきましたが、それ以外の改正も行われています。介護離職者の増加や、介護業界の人手不足が深刻化に対応するための改正で、以下のような内容になります。

  • 介護休業制度の分割取得が可能に(対象家族1人につき、上限3回、通算93日まで)
  • 年5日取得可能な介護休暇の柔軟化(半日単位で取得可能に)
  • 企業の改善義務も(介護者のための短時間勤務やフレックスタイム制などの対応を義務化)

2017年1月18日、厚生労働省は、介護サービスの価格の基準となる介護報酬を今年度より1.14%引き上げる方針を決定しました。介護業界の人手不足の解消や待遇改善を目論んでいます。時には悪質な介護職員による虐待のニュースも耳にしますが、こういった動きで介護サービス全体の質が向上することを期待したいです。

まとめ

自分や親が健康な人は、介護を身近に感じることは難しいかもしれません。しかし介護保険料の納付は40歳から始まっていますし、いつどのような状態で介護問題が降りかかってくるか分かりません。平素から制度について知っておき、もしもの場合に備えたいです。