Topページ > 保険 > 2017年4月から保険料値上げ、人気商品のトレンドは今後どう変わるのか
更新日:2017年4月17日

2017年4月は、保険業界で記録的な日になったかもしれません。

皆さんもご存知、保険会社の商品設計上機軸になる「予定利率」の引き下げにより、毎月支払う保険料が多くの会社で一斉に引き上げられました。

これにより今後の保険商品には、どのような変化が起こるか、ご存知ですか?

今回は保険料の実質値上げにより、業界のトレンドがどう動くのか解説しましょう。

予定利率0.25%の現実 消え行く確定積立保険

「0.25%」 この数字は保険を商品化する上で設計上最低限必要な予定利率だと、筆者は聞いたことがあります。先月までは1.0%、その前は1.5%、さらに2.0%、2.75%…最高時は1993年3月まで5.5%あったことが、あまりにも現実離れしてしまう過去に感じるのは、筆者だけではないでしょう。

通常の積立金を運用するのとは違い、生命保険には「保険金」という「保障」がついてきます。初回の保険料1回を支払った直後でも、保険事故が発生すれば保険金は支払われます。そのため保険会社は「責任準備金」という保険金支払いの資金になるものを、保険会社の中で積み立て、保険事故が発生した際には、そこから支払いをしなければなりません。

ここに「コスト」がかかるのです。

運用益と必要コストを相殺し、0.25%の予定利率で設計した、ある保険会社の終身保険を具体的に記載します。

  • 被保険者:30歳男性
  • 払込期間:60歳まで
  • 保険金額:1,000万円
  • 月払保険料:30,410円

賢い読者の方は、すぐに計算できたかもしれませんね。

1,000万円の一生涯保障を買うために、総支払額が10,947,600円必要なのです。

1,000万円の保障を即座に得る対価として、払込満了時までに保険事故が発生しなかった場合、▲94万円の損が確定する、「積立死亡保険」となります。(配当金はここで考慮せず)

さらに解約をして、積み立てられた解約返戻金を活用する場合は、以下の通りです。

払込が終了して1年後の61歳時:9,597,000円、つまり返礼率は87.66%です。

そう、今後のトレンドとして人気のなくなる商品No1は、この「終身保険」です。

ニーズの広がる介護分野

反対に人気上昇になる商品は何でしょうか。

少なくとも保険会社が総力を挙げて売りに出すひとつに、「生前給付保障系」があります。

生前給付とは、字のごとく「生前=生きているうちに」給付される保険、ですから、被保険者自身に給付要件が発生した際に、保険会社から給付金が決め細やかに支払われる保険です。

そして最も力を入れると考えられるのは、介護分野です。

長生きの時代、現場のニーズと保険の給付で今商品化が明らかに遅れているのが見て取れます。各社商品開発は、登山で言えば3合目あたりでしょうか。

確実に起こるのが「人の死」であると同じぐらい、「介護」が起こった場合はその支出は死亡時以上です。「こんなことになったら困る」という場面に、保険会社の商機はあるのです。

もちろんこの類の保険は「掛け捨て」で設計されるはずです。解約返戻金の発生するタイプで設計した場合、先ほどの終身保険に介護リスクの責任準備金を積み立てなければなりませんので、介護保険金の保障額が設計上ごくわずかになってしまい、保険として消費者が持つメリットと積立金のどちらもが、中途半端な商品になってしまうことが予測できます。

期待できるメリットは、現在の給付要件で最もポピュラーな「要介護2」の段階的引き下げや、がん保険のようにメジャーになり、加入者が増えることによる「実質的保険料の値下がり」です。

反対にデメリットは、やはり「掛け捨て」の確定的コストになります。

保険に運用成果が求められる、変額保険

もうひとつ、忘れてはならないのが「変額保険」です。

忘れてはならない、というのは「よい商品だ」といっているのではなく、保険会社が総力を挙げて販売強化する、という意味です。

変額保険は、その運用に必ずしも安全資産とされる日本国債を大量に保有する必要がなく国内外の株式で運用します。これは、運用リスクを保険会社がとらずに、契約者がとる仕組みになっているからです。その代わり得るリターンも契約者に帰属します。

リスク・リターンは、運用がうまくいけば、契約者はその分大きな解約返戻金や満期金、あるいは年金を受け取ることができますし、運用がうまくいかなかったときは、受け取るものも目減りします。

今までの日本において、「変額保険」は保険という概念には当てはまらなかったでしょうが、今後は先の記述どおり、予定利率の低迷により保険会社がリスクを背負うことを嫌いますので(その前に商品としてのうまみがなくなるので、消費者から離れていくでしょう)、保険販売においても、投資信託や株式同様、「運用」という言葉が飛び交い、ある意味「金融商品である」という認識が、これから消費者に広がることでしょう。

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