Topページ > 保険 > 【FP相談Q&A】生命保険は若いうちに入ったほうが良いのか?
公開日:2017年3月27日

「結婚を期に、保険加入を検討しています」これは新規案件の相談でもっとも多いフレーズです。

何かを期に、人生にかかるリスクや経費を見積もり、対処方法を検討されるのは、大変良いことだと思います。

しかし、厳密に言えば「結婚したから保険が必要なのか?」はたまた、「未婚なら保険は必要ないのか?」、これについて明確な答えをお持ちの読者は少ないのではないでしょうか。

今回は、「生命保険は若いうちに入ったほうが良いのか?」という質問に答える形で生命保険の加入時期について、考えてみましょう。

【FP相談】生命保険は若いうちに入ったほうが良いのか?

生命保険=死亡保険は古い!保険は「生前保険」の時代

本題に入る前に、「生命保険」の定義を整理します。保険はいくつかの分野に分けられますが、業界で専門的にいう定義と、一般の方が「通称」で言う定義とで、少し異なります。「生命保険」=「死亡保険」 の解釈は高齢者に多く、「生命保険」=「死亡・介護・医療・がんなど、生命保険会社の取り扱う商品全般」と考えるのは、若年層である傾向があります。世界一の長寿大国である日本において、共働きが当たり前のこの時代、家族のために残す=「死亡保険」ではなく、生きていくうえでのリスク保障=「生存保険」が当たり前になっています。

現代のポピュラー:35歳の新婚夫婦・子供なし・共働き世帯

実際に多い相談事例で確認してみましょう。

妻:

私は独身時代に親に掛けてもらっていた保険があるのですが、主人は保険に加入しておらず、何か入っておいたほうが良いのではないでしょうか。

夫:

結婚したことだし、万一のことや、大病や事故により治療や闘病をして、仕事が続けられなくなった場合に備えたい。でも、妻のように20代前半から掛けていた場合に比べて、保険料は割高になりますよね?

FP:

お考えはもっともですね。保険料についてですが、当然20歳と35歳の保険料は同じ、とはいきません。例えば20歳男性のがん保険、3,500円のプランが35歳男性なら、5,000円です。月々1,500円の差で、85歳までの50年間では90万円の差が発生します。20歳から加入していた人は35歳まで掛けていた15年間の保険料63万円が既に保険会社に支払われていますが、差し引いたとしても、差額33万円が、20歳で加入した人と、35歳で加入した人との差になります。

妻:

同じ保険内容でこの差なら、もったいない…。

FP:

奥様のおっしゃるとおりです。でも今「同じ保障内容なら」とおっしゃいましたね?

妻:

はい、同じじゃないのですか?

FP:

ええ、確かに同じ保険商品の同じプランで比較しました。でも現実では、15年前のがん保険と今のがん保険を比較することはできません。同じ商品が15年も販売されているなど、見たことがありませんから。たとえ同じ商品だったとしても、予定利率が異なるので、事実上先ほどのような比較は不可能です。そもそも生前保険は、ある程度その時代に合うように見直さないと「時代遅れの役に立たない保険」になってしまいます。保険の見直しなどで仮に35歳で新規契約した場合、その年の年齢で算出しますので「20歳から加入していた」というメリットは消滅します。

夫:

ということは…結局若いうちに入ったほうが損にならないか?

FP:

結局皆さんが「損か得か」というモノサシで「若いうちに入ったほうがよいのかどうか」聞かれますが、「わかりません」が、私の見解です。

妻・夫:

…(ガッカリした顔)

FP:

奥様、ガッカリなさらないでください。仮にこの15年間、ご主人にがんの診断が出ていれば、今このように保険のお話はできません。実際に20代のお客様で、がんの治療を行っているお客様が、私の担当でも数人いらっしゃいます。

妻:

それはそうですよね。たまたま保険のお世話になることがなかったから、こんな仮定の話で比較しているのですね…。

夫:

保険の世話になる事がいつか分かっていたら、そもそもその直前で加入するよね(笑)

FP:

ご結婚されたのを期に、お二人はリスクについて考えられましたね。自分だけの身体じゃない、という意識からそのように至ったのかもしれませんが、だからといって独身の方がこのような、生前保険が必要ない訳でもありません。

夫:

確かに…。妻に迷惑をかけてはいけないという思いは、独身時代はそれが「親」や「兄弟」に変わるだけだもんな。

妻:

結婚して必要になるのではなく、もともと必要だったのね。

FP:

「いつ加入するのか」は、年齢で決まるものでは無く、その背景や必要性に応じて決まるものです。そもそも保険料は「年齢と性別のリスク度合いに応じて、保険料が異なっている」のですから、よほど予定利率の高い時代でない限り、生前保険は、加入した年齢での保険料がそのままリスクに反映しているのです。それよりも我々が警戒、というか心配するのは、「保険加入が出来る体況か」ということです。ご本人が健康だと言っても臨床医学と保険医学は異なり、年齢が上がる程そのリスクは保険料に直に「損」という形で現れます。これははっきりと「損」と言えるものです。同じ時期に加入する同じ予定利率の同じ保障内容の保険で、20%も保険料が異なる事もあるのですから。

妻:

話をまとめると、加入すべき保険があるなら、先延ばしにするべきではない、ということですね。

FP:

おっしゃるとおりです。相談事例を見ていただきましたが、「保険加入が出来る体況か」ということを考えれば、加入すべき保険は先延ばしにしないということが大切です。

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