Topページ > 保険 > 自転車保険にヘルメット着用特約を発表、社会的意義と背景とは?
公開日:2017年1月24日
更新日:2017年1月23日

警視庁の都内自転車の交通事故発生状況という統計によると、自転車が関与する交通事故は全国的にみると減少傾向にあり、2012年には20%を下回りました。しかし、東京都では同時期で36%、2016年でも32%(11月末現在)と高い割合を占めています。こうした状況の中、今年自転車保険に「ヘルメット着用特約」ができました。この特約の内容と意義についてご紹介します。

「ヘルメット着用」特約とは?

au損害保険とKDDIは1月17日、ヘルメット着用中の死亡事故に対して保険金を支払う特約をセットした自転車向け保険の販売を開始しました。

この特約の正式名称は「ヘルメット着用中死亡特別保険金補償」といいます。意味はヘルメットを着用して自転車に乗り、事故により死亡した場合に通常の死亡保険金とは別に特約による死亡保険金が支払われるというものです。つまり、死亡時に保険会社が定める基準のヘルメットをきちんと装着して事故にあった場合、死亡保険金に別途特約分の死亡保険金が加算されるのです。この特約がセットされる今回の自転車保険の場合、加算される死亡保険金は100万円、特約に対する追加保険料もかかりません。契約者にとって手厚い内容となっています。ではなぜ、このような特約が付加されるようになったのでしょうか?

保険は実態に合わせて進化している

交通事故に占める自転車事故の割合は減少してきているというものの、自転車事故の死傷者数は自動車事故に次ぐ2番目です。そして自転車事故による死亡原因の6割が頭部損傷という特徴があります。自転車乗用中の死傷事故の備えとしては「頭部を守る=ヘルメット着用」が非常に大切と言えるでしょう。自転車事故を考えた場合、自分が自転車に乗って歩行者などに怪我を負わせた場合の相手への賠償責任に備えた保険と自分が怪我を負った場合に備えた傷害保険が考えられます。

今回の特約は傷害保険部分にあたり、自転車事故特有の死亡原因である「頭部損傷」にポイントを絞った特約を無料で付加するという点では、実情を踏まえた特約と言えるでしょう。特に自転車は自動車に比べて手軽に保有しやすい交通手段であり、通勤・通学・買い物に日常的に使用されています。そして、交通事故が若年層や高齢者に多いことを踏まえると、ヘルメット着用特約は自転車事故減少や事故の程度の軽減を目的にしたものといえます。特に東京都では自転車事故の割合が全国よりも目立って多いことから、今回の特約には大きな期待を寄せています。

東京都の本気の取組み

東京都は「東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」を改正(2017年2月1日施行)し、積極的に自転車事故削減に向けて舵を切りました。主な改正事項としては(東京都のHPより抜粋)自転車の小売業者に対して、自転車利用者に対する自転車利用のルールやマナーの啓発を義務化しました。保護者には児童に必要な技能・知識を習得させ、ヘルメットを着用させる等の対策を行うこと、親族等は高齢者にヘルメット着用等の必要な助言を行うことなどが努力義務化されました。特に小売業者に対しては努力義務から義務化され、より自転車の安全で適正な利用の促進が図られることとなりました。この取組みを推し進めていくために東京都知事、東京都自転車商防犯協力会、保険会社の3者間で「自転車安全利用啓発の促進に関する協定」が1月17日に締結されました。保険会社は既存の自転車保険に新しい特約を付加するという形で、自転車が生活の中で安全、安心に使われていくことを目指すこの取組みに協力したのです。

まとめ

保険、特約と聞くとわかりづらいと思われがちですが、私たちの日常生活に密着して新しいものが開発されたり、進化したりしています。今回は自転車事故削減の動きに合わせた自転車保険の特約をご紹介しました。周囲を見渡すとヘルメット着用者はまだまだ少ないように感じます。自分の身を守るためにも「ヘルメット着用」は大切だと思います。そして、自転車事故では自分が被害者になる場合だけではなく、加害者になる場合もあります。自分が加害者になったら、被害者になったら、という視点で保険と特約を検討してはいかがでしょうか。